概要
勇者シリーズに端を発する人工知能の名称。本作では勇者シリーズの説明を行う。
勇者シリーズはトランスフォーマーを前身としており、エクスカイザー・ファイバード・ダ・ガーンはマスターフォースやトランスフォーマーV等の時期で登場した『宇宙人と地球の機械が融合してロボットになる』流れを汲んでいる(厳密にいえばダ・ガーンは『惑星の防衛システムが機械や土に宿った仮初めの肉体』)。
ただし、上記はトランスフォーマーシリーズ同様、本来ロボットとして作られていない機体を無理矢理ロボット化した弊害として、基礎的可動部分に無理がある個体ばかりが目立っている。
要約すると、全てが『戦い』の為だけに存在する存在なので、いわゆる『寝る・座る・抱きつく・横になるなどの日常生活動作』にはまったく適していないデザインなのではあるが、これは『戦え!超ロボット生命体!!』というタイトルでもわかる通り、元々サイバトロンとデストロンに分かれて長期戦争していたので、戦闘行為前提の期待構造をしていたのは当然の流れであり、同シリーズでも事務方・後方支援型になるとスマートな個体が増えてきたが、殆どが準戦闘員で、アニメ側としても玩具販売構想としてもまったく普通のデザインだった。
エクスカイザー・ファイバードは警察官と警備員、敵も宇宙海賊と銀河広域指名手配犯なのでそこまで戦闘前提デザインではないのだが、ダ・ガーンに入ると一気にデザインがスマート化する(目立つところは作画技術向上や、今だ複雑すぎる変形構造でマニアを唸らせるペガサスセイバーでわかるとおり、当時のアメリカを超える玩具の変形合体技術の向上)。
そこから飛躍し、生命体が機械の体に乗り移る従来の設定を逸脱した、後の世に『勇者系』と呼ばれる『人間が作り上げた、日常生活に適した機体関節構造を持つ人格付きロボット』の登場であり、マイトガインにて、人格プログラムを搭載するパーツの事を『超AI』と呼称したのが全ての始まりである。
以降、各代ごとに基礎概要が異なるので長くなるから共通している事だけを言うと。
①機体が破壊されたり機能停止しても、超AIが無事なら新規ボディに換装可能。
➁人格プログラムを稼働できるのは超AIだけ。
③人格プログラムを超AIから別の超AIに移動できる。
④人格のコピーが可能。ただし稼働には超AIが必要。
勇者シリーズでは、マイトガイン・ジェイデッカー・ガオガイガーが超AIを使用しているが、厳密な意味ではゴルドラン・ダグオン・レイゼルバーでも、超AIと同等の概念を持つ物を使用している。
結果、勇者シリーズの重要テーマと言える「主人公の少年と勇者ロボが対等の友人関係である」がより深掘りされる流れが出来上がり、サンライズ伝統の『自分等が本当に正義なのか?』の問い掛けと共に加えられ、哲学的な問題を含め物語の答えが続けられていく。それは勇者シリーズ終了後もサンライズ作品内外で幾度か挙げられ、ついにとあるガンダム作品で一つの到達点に行きついてしまった。
歴代別超AI一覧
旋風時コンツェルン系列・青戸工場制作『超AI』
シリーズで初めて登場した超AI。勇者特急隊と呼ばれる防衛ロボット(いちおう)の為に創られた。何故心を持ったのか、どうして彼らは作られたのか、といった様々な疑問が真実によって問題視されていない。とあるムックでは、舞人の父である旋風寺旭が勇者ロボの技術と共に持ち込んだといわれている(AIロボが10体しか製作されなかったのもその理由)。が、どこで手に入れたのか、どんな目的で製作されたのかは結局謎のままとなった。唯一解ることは、それが原因で旭は何者かに命を狙われる羽目となり、最終的には列車に仕掛けられた爆弾で妻と共に命を落とした、という事実だけである。親を目の前で殺された舞人は『復讐ではなく人々と平和を守る為に戦う』という旭の遺言を守り、執事の青木の協力で勇者特急隊を結成、この世に蔓延る悪を消し去るために立ち上がるのだった。
日本警視庁独自カスタマイズ版AI・通称『超AI』
心に対する問題を初めて疑問視した。
二十世紀最大の発明と呼ばれる、一人の科学者が人間の頭脳を工学的に再現した第五世代コンピューター『フォルツォイクロン』(とある日付が2020年12月24日の二十年前なので、時期的に開発したのは1999年)をひな型としたAIの一種。
元は日本警察の新型ロボットに運用される制御チップであったのだが、第一号機とある少年が出会った事で、AIは心を学習し、心あるロボットへと成長した。
作中はこれを進化と締めくくったのだが、心持つ存在であるがゆえに起きる様々な人間的な問題・苦悩・ロボットであるが為の差別・別離などが終盤までクローズされ続ける。
そして心を持った過程という、先代で解決しなかった疑問に対し、当初はこれを奇跡と称していたのだが、当代では
【心を持ったコンピュータを作るには、より深く人を知らなくてはならない】
と、非業の手段に手を染めた科学者の狂気があり、科学者は逮捕されたが『フォルツォイクロン』の技術は世界に浸透し、進化を続けたAIの中から2019~20年の日本において開発されたAIだけが心あるロボットの開発に成功したのが実情。
そして高度なAIには人の心を作るだけではなく、人の心そのものを複製する事が可能だという事実が禁忌としても扱われた。
ゲーム・スーパーロボット大戦30では後述するガオガイガーの超AIをベースに作り出された、という設定が盛り込まれている。
重機動スーパーメカノイドを起点に様々な戦闘パターンをシミュレーションした結果、市街地戦闘で市民を巻き込む戦闘も有ると判断され、支援メカの製作となるも、人間が内部で操縦し作業するニューロノイドとコンペで競われる事になるも、ブラックボックス内の(知的生物の大脳を制御ユニットにする)機密により自律思考判断可能な超AIとGストーンをコアにするGSライド内蔵型サポートロボを採用する。
防衛戦闘と救助、諜報作業を行う複雑な思考ロジック・人格を統一しての変形合体機構など、マイトガインではスルーしまくった技術をとことん理論づけて整理しまくった(ここ大事)。
2年掛け、人格プログラムを形成し、起動後は時間をかけて0から設計。同一から動作パターンも同じかと思われていたが、扱うソフトの違いで性格が個性を持ち始める。此は製作者側にとっては良い意味で誤算である。猿頭寺耕助の天才的プログラミングがあってこそと云える。
以降は後継機という名の兄弟姉妹にプログラムをフィードアップする事で人格形成期間は短期化していくが、原種大戦中の最中、自己認識や自我等の育成時間の余裕が無く、一部の超AIではジェイデッカーで禁忌だと否定された、『人間の心をロボットに複製』する事で、自我の成長を短縮化している。
あくまでサンプリングの扱いから、理論上の問題からベースの記憶の一部を削除してはいるが、完全な除去が出来ず、大抵は無意識化の領域でかすかに眠っているのだが、状況によっては強い記憶の残留、ひどい時にはオリジナル人格がそのまま複製されている。
人格複製型は諜報目的であったり、大勢を死に至らしめる事も可能な超兵器を扱う為と偶然にも特殊用途の超AIばかりである。ただし一歩間違えると危険な技術であるため、戦後に人格複製型は新規で誕生していない。
たとえ何らかの戦闘で機体が全てを失われても、残せる記憶データのバックアップが有れば復元可能である。
超AIと類似する物
パワーストーン
レジェンドラ王が製作したとされる宝石のような物質。見方によっては自力で身体を作れる超AIといえる存在といえなくもない。
この宝石の中に人格サーキットや物質成型システムが詰め込まれており、復活の呪文『黄金に光り輝く勇者よ、今こそ蘇り、わが目の前に現れ出でよ』を唱えることで本来の姿へと復元する。復元後は呪文を唱えた者にのみ従事する勇者として行動する。
本体が破壊されても中核であるパワーストーンは破壊されないため、何度でも復活することができる。ただし他の者が呪文を唱えるとその人物に従事することとなるため、場合によっては敵に寝返る事態もあり得る。呪文を唱えた者に従うようにプログラミングされているため、たとえそれが悪人であっても命令に背くことはできない。
唯一キャプテンシャークが善人のみに従うレジェンドラの勇者であるが、その理由は他のパワーストーンが悪人の手に渡り、世界を征服(もしくは壊滅)しようとしたときの抑止力として生み出されたため。そのためほかの勇者も存在を知らされていなかった。
ガンキッド
宇宙人が宇宙の技術を用いて作り出した自立型ロボット。
宇宙的には普通の技術らしく、宇宙人は存在を疑問に思っていない。ちなみに光合成ができる。
Gストーン・Jジュエル
とある宇宙で創られた機械。地球的にはどう見ても鉱石なのだが、高密度の計算と自我の確率が可能な人格プログラムから細部にいたるまで人間の人格を完全に複製した物を維持できるなど、超AIと比べて破格の性能を持っている。
量子コンピューター
量子力学・電子工学・ロボット工学の粋を集めて個人で作った人工知能システム。
その誕生には開発者の方にある人物が関与していると思われるのだが、続編開発がストップしている為詳細不明。
状況的には超AIと名乗って不思議ではないが、大人の事情で色んな物がシンクロしててシンクロしていないという謎状況の巻き添えでたぶん、こうなった。