概要
国連研究機関『NEO』より派生した対アルジャーノン研究機関『モーディワープ』が運用する2人乗り有人調査用ポッド汎用人型ロボットの総称。
人体に有害な環境や、危険な場所の調査を目的に開発されており、高い耐久性を持つ。機体の中枢制御ユニットはブラックボックス扱いで秘匿されているが、その実態は高等哺乳類十二頭分の大脳皮質を生体ユニットとして組み込んでいる事実上、『操縦型サイボーグ』のカテゴリーに入ると言っても差し支えない。
操縦者である『ヘッドダイバー』にはシースルー素材の『ダイブスーツ』を着用させているが、これは操る者の素肌が近い程機能を発揮し易いのが理由であり、一応普通の服装でも操縦可能。『護』と『幾巳』の場合は白兵戦を仕掛け易い様に『IDアーマー』のインナーとなる特別製の専用『ダイブスーツ』を身に纏う。
『GGG』も当初は『メカノイド』や、『竜シリーズ』などの『勇者ロボ』と競合していたが、様々な要因が絡み合い採用を見送られたものの、運用に携わった『阿嘉松』の『ガッツィ・グローバル・ガード マリンレフュージ基地』所長就任前後、ごく少数のみ正式採用されている。
ニューロノイド一覧
機能
特有の機能として、周辺の環境の分析を行う『アナライズ』、緊急回避プログラムである『アボイド』、高機動プログラム『ニトロ』を持つ。これらの機能はボイスコマンドを唱える事で発動。
状況に応じて本来の目的である分析や調査を目的とする『アクセプトモード』と、基本的な運用に危険要素の排除戦闘や目的地到達までに特化した『アクティブモード』へのトランスモードシステムにより、操縦席も調査用頭部の『ウームヘッド』と戦闘用股間部の『セリブヘッド』が上下移動する。変形には二名の『ヘッドダイバー』によるボイスコマンド「アイ・ハブ・コントロール」「ユー・ハブ・コントロール」の唱和を要する。
あくまで調査用ロボットなので戦闘能力は低いが、腕を利用した格闘戦、レセプターから大気中の成分を合成した化学物質を放出する「シナプス弾撃」を武装代わりに備える。これは周囲の物質を取り込み瞬時にして任意の物質へと合成する驚異的な『テリオマスターシステム』によるもので、劇中では酸性物質、二酸化炭素、爆発物、液体窒素、圧縮酸素などの物質を合成する。
化学兵器である故に、攻撃目標に合わせた化学物質を生成する必要があるものの、上手く扱えば対ロボット兵器戦、対生体兵器戦のいずれにも対応可能で、攻撃だけではなく、暴動の沈静化や、汚染物質の除去、味方機の応急修理にも応用の幅が拡がる。
高い汎用性と操縦性を併せ持つ反面、操縦するには『デュアルインパルス』と呼称する特殊な脳内信号が必要であり、それが発生するのは『デュアルカインド』という能力者2名が相互に脳内インパルスを高め合ったのみ。つまり希少かつ先天的な特殊能力を持った『ヘッドダイバー』を都合2名揃えなければ稼働させる事すら出来ない。
また、動力源として古生細菌『リンカージェル』から発生する高エネルギーを使用しているが、稼働中の『ジェル』には不純物が溜まり徐々に劣化していく為、活動制限時間は短い。特に大きく立ち回り、シナプス弾撃を連続使用するなどして機体負荷を高めると『ジェル』の劣化が加速し、機能停止までのタイムリミットが更に短縮する。
機体その物は各支部が独自に提携した企業や、機関に依頼した別組織から賄われ、その消耗の激しさ故に長距離移動にはメンテナンス専用車両『メンテキャリアー』と、『デュアルカインド』が搭乗した機体コンディションを確認する『コントレーラー』を常に随伴させ、大型輸送機への搭載が必須。出撃後の実働データの収集、整備や調整に要する多数のスタッフの常駐、劣化した『ジェル』の透析に必要な広い場所の確保も必要であり運用コストや維持費も莫大である。
おまけにユニットのひとつひとつが軍事用に転用され易く、機密の宝庫なので整備現場ではブラックボックスとして扱われる部分も多い、『モーディワープ』からの委託で民間企業として『ニューロノイド』を運用した『(有)アカマツ工業』は、それらを理由に相当な苦労を強いられた。
後に『雷牙』が『ジェル』透析機構と『ウルテクエンジン』を搭載する飛行ユニット『グリアノイド』を開発し稼働時間と遠距離移動に関する問題は解消され、加えて脳手術により後天的に『デュアルインパルス』能力を得た『デュアルトライブ部隊』が設立され、『ヘッドダイバー』不足も解決。量産型ニューロノイド『ブロッサム』に至っては重火器の搭載により純粋な戦闘能力も向上している。
倫理的問題点と末路
『ティラン』のプロトタイプである1号機『プルミエ』、2号機『ドゥジ』、3号機『トロワ』の生体ユニットには病死・事故死した人間の大脳が利用されていたが、『死者の肉体を利用して制作された機械は、情緒や生理的嫌悪感により世間から抑圧されるのは必至』という倫理的な問題点に加え、暴走の危険性も指摘も有り封印されている。実際、『(株)超人同盟』の超能力者による遠隔操作により、無人で暴走させられた挙げ句『ティラン』に全て機能停止された。
完成型ティランである4号機『カトリエ』の生体ユニットは人の代わりにヒト状科のボノボの大脳で代用。覚醒人1号の生体ユニットにはイルカの大脳が使われており、その影響か水中滑走装備を付けずに水中を自在に活動していた。
本編終盤では『アカマツ工業』が蓄えた運用データの甲斐もあり、『モーディワープ』本部では『デュアルトライブ』部隊や『ブロッサム』の運用が開始。本格的な『アルジャーノン』調査が始まるかに思われたが、その陰で本部職員ほぼ全員が『アルジャーノン』を発症し、『ブロッサム』全機が暴走。
『火乃紀』救出の為に本部へ突入したアカマツ一同は、コックピットに『アルジャーノン』患者を寿司詰めにしたおぞましい状態の『ブロッサム』と交戦したが、『ティラン』の奮戦と『八七木』の活躍により殲滅に成功するも、『ティラン』もまた『楓』の『アルジャーノン』発症によって自滅(コミカライズではニューロノイド部隊から覚醒人を庇い大破)し、残った『覚醒人1号』も『カンケル』の攻撃で大破。モーディワープ製ニューロノイドは全滅。
残った『カンケル』は『ベターマン・オルトス』の一撃により滅され、組織の存在目的は達成された。その為、『ニューロノイド』の存在意義も消滅したかに思われた。
しかし、『宇宙収縮現象』や『インビジブル・バースト』などの事件を経て『GGG』が再編され、『阿嘉松』がその幹部に就任。彼は壊滅した『モーディワープ』に残されたユニットから新型『ニューロノイド』を製造し、地球に残された勇者ロボたちと共に地球の危機へと挑んだ。