概要
国連組織『NEO』が実行した『ベストマンプロジェクト』の過程で生み出された生命体。その名はラテン語で『癌細胞』(Cancer)の意。
『ベストマン(完全なる人)』とも呼ばれ、如何なる生命との共存も必要とせず、単一で完成された究極の完全生物とされる。『自分以外の全ての生命を滅ぼす』の意志に従い行動し、人間・動植物・ソムニウムを問わず容赦なく抹殺していく無慈悲なる殺戮者である。地球上の生命を滅ぼすだけに活動し、対話は一切通用しない。正しく地球の生物の『癌細胞』とも呼べる存在として、『㈲アカマツ工業』の一同や『ソムニウム一族』らに襲い掛かる。
数々の特殊能力を有し、その内容もまた『癌細胞』の名に相応しい。特に強力なのは細胞の生体情報を瞬時に書き換える能力で、これによりありとあらゆる生物を容易く死滅させる。防御面でも、如何なる攻撃を受けて損傷しようとも欠片ひとつあれば必ず再生し復活する不死身の生命力、更に受けた攻撃を学習し、同じ手は通用しなくなる驚異の適応力を誇り、最早無敵としか言いようが無いが、生物の源とされる『リンカージェル』が唯一無二の弱点である。
また、ベターマンの出現を察知して突然現れる神出鬼没の存在でもあり、ラミアは「ウィウェレ成りし希望」である彩火乃紀が窮地に陥っていてもカンケル出現を警戒して変身出来ない苦境に立たされた。
見た目こそ抽象的な女性型シルエットのようで強そうには見えないが、実際の脅威性とのギャップが凄まじく、作中ではかなり恐ろしい存在として演出されている。
正体と末路
その正体は『ダイブインスペクション』の被験者である『尊者ヤクスギ』の肉体が変異したもの。老齢による衰えを感じ『NEO』の打診に応じ『リンカージェル』を用い『デュアルカインド』能力で人体を生態改変させて『ベストマン』へと成らざらんとしたが、謎の爆発でヤクスギは行方不明になり実験そのものは失敗したものと参加したメンバーは誰もが思われた。しかし、彼は生存するも、アサミが実験前に不確定要素として指摘した最悪の方向で成功していたのである。同時にメンバーの内に永遠の絶望を秘めさせたまま計画は凍結。組織も3つに枝分かれし、模索する。
ヤクスギは記憶を失いながらもチャクラの意思に従い邪界思念撲滅に向け世界中を彷徨うも終盤まで自身こそがカンケルだという事実には気付いていなかった。
出現当初にセーメと交戦、殺害にまでは至らなかったものの、致命傷を与えて力を失わせる。ラミアとの初戦では、実力を発揮する前に致命的なダメージを負わされ、ポーポ湖で身動き出来ずにいたが環境悪化の影響で行動を再開。
様々な経緯でボダイジュ、パキラ老、セーメを滅するも、3つのフォルテの実を生成したオルトスの実を食した『ベターマン・オルトス』と交戦し、海中、マントル層を問わず激戦を繰り広げたが、オルトス必殺の『サイコ・バース』により遺伝子配列ごと爆散して果てた。