概要
個人で制作運営するウェブサイト。インターネット上の情報発信手段として、1990年代後半から2000年代前半に流行した。
個人の日記や製品レビューなどがメインのサイトは「テキストサイト」、イラストがメインのサイトは「イラストサイト」と呼ばれ、FlashアニメーションやWebゲーム、写真、Web小説、コンピュータプログラムなどを発表する個人サイトが多くあった。
個人サイトの主は、管理人と呼ばれる。HTMLタグ手打ちもしくはホームページ・ビルダーなどのWebオーサリングツールを使ってHTML文書を作り、それと画像データなどをまとめてFFFTPなどのFTPソフトでWebサーバーにアップする形が多かった(近年はWordPress等のCMSを利用することが多い)。そのためサイトの作りはデタラメなことが多かったものの、管理人が一国一城の主で責任感が高かったこともあり、2000年代前半頃までのネットは情報の質が高かった。人力ChatGPTがそこら中にいた。
サーバーは個人でWebサーバーを立てることも可能であるが、通常はレンタルサーバーを使う。フリーのサーバーの場合は通常、アップロードと同時にサイト内に広告が付けられ、それがレンタル料代わりとなる。しばしばCGIを使った掲示板が設けられ、管理人とゲストの交流の場としても機能していた。
2004年頃からブログやSNSが急速に浸透し、情報発信をそちらに移す管理人も相次いだ。2006年にはニコニコ動画の出現により、Flashアニメーションも動画共有サイトに移行していく(Flash黄金時代の終焉)。
現在の個人サイト
当時のサイトは今でも更新が続けられているものもあるが、無料サーバーの代表格であったインフォシークやYahoo!ジオシティーズがサービス終了してしまい、これに伴い多くの個人サイトが消滅した。
HTML5の時代になり、スマートフォンなどに対応したレスポンシブWebデザインが求められる現在、Webサイト制作は素人には敷居の高いものになっており、近年の個人サイトはSNSの個人アカウントへのリンク集になっている場合も多い。
とはいえ、令和の現在でも個人サイトを新規に立ち上げる人はちらほら存在している。特にSNS疲れを起こした人や、wiki系のサイトで自分の望む記述が認められなかった人が個人サイトを作って引きこもる傾向にあるようだ。特に後者はブログを使う事が多い。