CV:土井美加 (1996年版)/ 大西沙織(2023年版)
演:蒼井優(実写映画)
演:大湖せしる(Daigo Seshiru)(宝塚歌劇・雪組公演)
演:愛原実花(2018年新橋演舞場・大阪松竹座公演)
概要
会津出身の美人女医。西洋医学を学ぶために家族総出で脱藩するほど医学に心血を注いだ名医たる高荷家の生き残り。
安政4年(1858年)12月生まれ。血液型B。初登場22歳。一人称は「私」。
身長166cm、体重45kg。当時としてはかなりの長身女性。
神谷薫&斎藤一曰く「女狐」で、頭に狐の耳がついたデフォルメ姿も登場している。
気丈な性格で、高飛車かつ蓮っ葉な物言いで会津訛りを隠している。剣心には些細な訛りを気づかれて出身がバレてしまった(新アニメでは無意識に方言を口にしてしまったためにバレるという分かりやすい流れになっている)。
料理は得意で、大量のおはぎをつくった際は剣心、薫、弥彦から大いに褒められ「美味しい」と食された。薫の料理に文句を言わない弥彦でさえも「恵が料理を作る」という理由で神谷道場への宿泊を許可している。
読切版では薫&弥彦の実の姉という設定だった。観柳は元弟子で道場の乗っ取りを企てている敵という設定(ただしこの時は西脇という名前だった)。
作中の動き
会津戦争で父の隆生を亡くし、母と兄2人とも戦争の混乱で生き別れてしまい、家族の消息を探るため上京して、ある医者のもとで助手として働いていた。しかし、その医者は悪徳商人の武田観柳と組んで新型の阿片『蜘蛛乃巣』を密造しており、やがて両者の対立から医者は観柳に殺され、『蜘蛛乃巣』の製造方法を知る恵が代わりに阿片作りをさせられていた。
観柳の屋敷から脱走後、逃げ込んだ先で出会った緋村剣心達に助けられ、神谷道場に匿われることになる。
けれど『蜘蛛乃巣』によって左之助の舎弟の宵太が亡くなっており、そのことから左之助には毛嫌いされていた(剣心が左之助に対して「いい加減にしろ。お主らしくもない」と睥睨していたほど)。
恵の方も剣心を利用するつもりで近づいたため、肝心なことに関しては反抗的な態度を取って放そうとしなかった。
御庭番衆が本腰を入れて神谷道場に攻め込んで来た時は、剣心に勝ち目がないと見て逃げ出そうとする。しかし薫によって引き留められ、剣心と左之助がひょっとこを破る様を目撃。自分のために戦う剣心の強さに惚れるようになる。
そこへ密かに接触して来た観柳から「戻って来なければ神谷道場を焼き討ちにする」と脅され、観柳の屋敷へ戻る。だが言いなりになるつもりはなく、死を覚悟し短刀で自ら観柳を討とうとする。
しかし護衛を行っていた四乃森蒼紫(旧アニメ版では般若)に阻止される。その後、逆に蒼紫から短刀を投げ渡され、過酷な拷問を受ける前に自害を勧められた。
旧アニメ版では左之助から終始心配されており、恵の態度も反抗的ではなかった。ただし剣心に惚れなくなっている。
恵は観柳に脅されるところを見ていた左之助によって引き留められるが、突然現れた御庭番衆に拉致されてしまう。左之助は助けようとしたが式尉によって阻まれ、観柳の前で対決するという流れになっている。
剣心らの奮闘によって助け出されるが、この一件で自らの行いにより多くの犠牲者を出してしまった事や剣心達を巻き込んだ事を痛感し、死罪を覚悟で自首を決意。浦村署長率いる警官隊に逮捕された観柳も恵の罪を暴露して道連れにしようとするが剣心が「彼女は無関係な医者」と庇ったため、見逃された。
旧アニメ版ではそのやり取りがなく、「観柳の言うことなんて誰も信じない」として密かに警官隊の目を逃れて屋敷を後にする結末になった。
新アニメ版では基本的には原作通りだが、浦村署長も「後で事情を聞かせてもらう」という条件を付けて剣心が恵の身柄を預けるという形になり、その後は恵が観柳の悪事の証人になった事が明かされているので、それを条件に自由の身になっている模様。一方で恵が『蜘蛛乃巣』の製造者であった事は剣心達が住んでいる地域では知られてしまったらしく、左之助が神谷道場で宴会を催した際に肩身狭そうに参加しており、さらに左之助の舎弟達が宵太の一件について左之助のとりなしで恵の所業を不問にしており、恵が彼らに謝罪するというアニメオリジナルの展開がある(なお、恵は既に宵太の墓にも参っている模様)。
罪を償うために小国玄斎の診療所で働くことになり、人々を救うことに一生を捧げると決意する。
なお、世間的には有罪にならなかったものの、実際には維新志士である剣心が庇ったことで黙認されているだけであり、のちに上述の罪を持ち出される形で政府側が剣心に志々雄の抹殺を命じた際には「取引の材料に使われて剣さんの枷になるぐらいなら死刑台を選ぶ」と啖呵を切っていた。
新アニメでは既に取引に応じたと受け取れる展開になっているのでこの辺りの会話が変化する可能性もある。
作品柄、怪我人が山ほど出るため、戦闘のアフターケアを行うのはいつも医学・薬学の知識がある彼女である。特に主に二重の極みによって怪我ばかりしている相楽左之助に対しては「大概にしなさいよ」、「馬鹿の亜細亜王者」などと忠告している。左之助の方は当初は知人が『蜘蛛乃巣』による阿片中毒で死んだことで拒絶していたが、剣心に諭されたこともあり程なく和解している。
医者としての経験上、剣心の身体の異変を最初に指摘し、雪代縁の狂経脈の正体を見破った。人誅編の後、医者不足に悩む会津へと帰郷、赴任する。「春に桜」では久しぶりに剣心たちのいる東京を訪れており、以前と比べると落ち着いた印象となっている。
「北海道編」では剣心が劍客兵器と戦う事を決め、劍客兵器との戦いが本格化しようとする中で、左之助から今の剣心の身体の状態や具合が一番分かるという理由から、恵を北海道へ呼べないのかと剣心と薫に問いかけた。
剣心を「剣さん」と呼んでおり、最初は観柳から逃げるために利用するつもりだったが、やがて彼が本気で自分を守り抜こうとしていることを知って好意を寄せるようになる。
観柳との一件後は剣心にアプローチしつつも、恋敵ながら彼が大切に想っている薫を支えたり、からかってちょっかいを出したりしている。最終的に剣心と薫の仲を認め、身を引いている。
なお、旧アニメ版では剣心に惚れているという設定はない。また、本作にはしばしば時代考証の怪しい部分が散見されるが、旧アニメ版第89話で恵が巻町操に向かって「ロリコンの彼氏を探せばいい」と発言しているのは、その最たる例といえる(明治11年の時点では、ロリコンの語源となった小説『ロリータ』が存在していないどころか、著者ウラジミール・ナブコフも生まれてすらいない)。
カップリングについて
作者の和月伸宏氏曰く「絵的には蒼紫とお似合い」「性質的(性格ではない)には左之助とお似合い」らしい。
それを裏付けるように蒼紫との絡みも幾度か見られている(ただしいいずれも穏やかではないシーンである)。
関連イラスト
関連タグ
萩野吟子:現実世界の日本で初めて医師国家試験に合格した女性。1851年生まれ。明治18年(1885年)に医師免許を取得した。
エルダー=ピーベリー:同作品に登場するもう一人の女医であり、彼女も剣心によって助けられている。