概要
底辺・平民など下位の身分や階級から、身分や収入を上げて上の位に上昇することである。成功した者を成り上がり者と呼ぶ。
成り上がりを果たそうとする者が属する社会によって非常に困難であったり、比較的容易であったり難易度はさまざまである。
手段としては武勲や政治行政の分野での功績を立てる、学問や能力を認められる、金銭を積んで身分を買う、上位の身分の異性と結婚するなどの方法がある。
だが完全に成り上がりきることは困難で、いずれの社会でも成り上がり者は称号、待遇などで生来高い身分にあった者より一段格下に位置づけられることが多く、成り上がりには成り上がりの苦労がある。
嫌われてしまう理由
地位や後ろ盾も無い状態で、己自身の才能や実力で出生していく「成り上がり」は、決して「悪い事」では無い。
だが、現実でも空想においても、「成り上がり」によって出生した者は「成り上がり者」等と毒づかれる形で嫌われてしまう事も少なく、嫌われる理由に関しては「『成り上がり』を果たした者への嫉妬や僻み」と言った不当な場合も多い。
だが、勿論の事であるが、中には嫌われてしまう者の側にも原因がある事も多く、「成り上がる前から」と「成り上がった後」の二つのパターンに分かれる。
「成り上がる前から」の場合
- 自惚れが強く、自分が中心にやれば必ず成功すると思い込んでいる。
- 反骨精神が強く、事ある毎に上司に盾突いたりして困らせる。
- 下の立場の人間には高圧的に、上の立場の人間には下心からゴマをする。
- 自分が恵まれない人間だという被害者意識が強く、自己憐憫に陥りやすい。
- 元から恵まれた地位にいる者へのルサンチマン(嫉妬)が激しい。
- 承認欲求が強く、誰よりも認められたいという願望が強い。
- 自己主張が激しく、何でもかんでも自分が率先してやる事に拘る。
- 向上心が強い反面、自分と同じレベルの努力を周囲にも強要する。
- 結果ばかりを重視し、結果を出せない人間には馬鹿にした言動を取る。
- 自分の出世等の邪魔になると見なした人間への敵意が非常に強い。
- 上昇志向が並外れて強い事で、独断専行に走りがちとなる。
- 他人の協力も借りる形で得た成果を自分一人だけのものにする。
- 他人の考案したアイデアを盗んで、自分の考案したアイデアと主張する。
- 弱肉強食を信条とし、他者を蹴落として伸し上がる事を当然と思っている。
- 自分より優秀な人間の評価を下げて、自分の評価の方が良い様に見せる。
- 友人関係や恋人関係ですらも、自分の利益を組み込む形でしか築かない。
- 自分の損得ばかりに拘り、メリットが無いと見るや薄情な態度を見せる。
- 利用価値があると見た人間に友好的に接し、無くなった途端に切り捨てる。
- 自分の利益しか考えない為、ボランティアや社会貢献を「偽善」と見下す。
「成り上がった後」の場合
- 成功してきた自負心から、思い上がりが強くなる。
- 虚栄心が強くなり、自分を優れている人間であるとアピールする様になる。
- 会話において、過去の成功例等をひけらかした自慢話が目立つ様になる。
- 成り上がる前よりも視野が狭くなり、物事に対する考え方が主観的になる。
- 自信過剰になった事で他人からの意見に耳を貸さなくなる。
- 成り上がり前は低姿勢だった相手に、横柄な態度を見せる様になる。
- 成り上がりという目的を果たした結果、約束事等を軽んじる様になる。
- 自分と違って成り上がれなかった者を「負け犬」等と見下す様になる。
- 元から恵まれた環境で生きてきた人間も「駄目な人間」と見下す様になる。
- 成り上がる前に恩を受けた相手に対し、不義理な態度を見せる様になる。
- 成り上がる前から気に入らなかった者に、腹癒せで不当な扱いをする。
- 金遣いが荒くなり、衝動買い等の浪費癖が出る様になる。
- 高級料理店の貸し切りや買い占め等、他人に迷惑をかける金の使い方をする。
- 所謂「成金趣味」に陥りがちとなり、高級品への拘りが強くなる。
- 私生活が派手になり、無駄に高級な服やアクセサリーを身に着ける様になる。
- 興味がある訳でも無いのに無駄に維持が掛かる高級な外車を買って乗り回す。
- 働く意欲を失い、日々パーティーを開いたりする等、散在する形で豪遊する。
- 成り上がる前に出来なかった事にハマり易くなる(特にギャンブル)。
- 自分の為にしか金を使わない為、寄付を始めとする社会貢献を嫌悪する。
- 人使いが荒くなる事で、周囲の人間が離れてしまう事になる。
- 権力を持った事で、相手の事情等を一切考えずに無理強いをする様になる。
- 面倒なトラブルや問題に遭遇すると、金に物を言わせる形で解決する。
以上の数々が、「成り上がった者が嫌われてしまう理由」であると言え、あまりに酷過ぎる場合だと、ふとした事が切っ掛けであっけなく転落劇を迎えてしまう事も多い。
逆に言えば、成り上がる前から成り上がった後に至るまで謙虚な姿勢を忘れずにいれば、不等な理由でもない限り「成り上がり」を果たした者が嫌われる事は無いと言え、逆に羨望や尊敬を受ける事もあると言える。
尤も、「謙虚な姿勢を保ち続けるのも非常に大変な事であり、決して楽な事では無い」という事実は、ある程度の「覚悟」が必要とも言える。
なお、成り上がりと似た言葉として「叩き上げ」が存在する。
しかし、成り上がりが手段を選ぼうとしない自分勝手な傾向があるのに対し、叩き上げの場合は地道な努力や堅実な下積み、そして我慢や忍耐を重ねて着々と地位を上げていった事を意味している為、不等な理由では無い限り嫌われる事は殆ど無いとされている。
創作の題材としての成り上がり
サラリーマン物では人気の題材である。
運であれ機転であれ媚び売りであれ、行動が即結果につながる現実にはあり得ない出世街道は現実に疲れた方々には爽快。
しかし最近では小説家になろう等でリーマン物に限らない成り上がりの作品が増えており、成り上がり物は新たな時代を迎えていると言える。
成り上がった歴史上の人物
関連タグ
追放もの:小説家になろうで有名な小説のジャンルの一つであり、作品によっては『成り上がり』とセットで兼ね備えている場合もある。
ざまぁ:こちらも小説家になろうで有名な小説のジャンルの一つであり、『成り上がり』とセットで兼ね備えている場合もあり、中には『追放もの』『成り上がり』『ざまぁ』の三ジャンルを兼ね備えているものもある……