概要
社会的に急速に富裕層になった人の事を将棋の駒(歩)が敵陣に入った時に金将(と金)に変わる(これを「成る」という)ことになぞらえていう言葉。
全員が該当する訳では無いのだが、自分の稼いだ富をひけらかす傾向があり、第一次世界大戦での船成金が百円札を燃やす画は有名である。
問題点
社会的地位にふさわしい経済感覚が身に付かぬまま階級が上昇する為、階級維持は極めてとは言わぬまでも相当に難しく、短期間に没落する者も多い。
しかし、倹約を重ねて成り上がった者の場合は、吝嗇と言われつつもその地位と財産を子孫にまで伝えることに成功するケースもままある。
元々の出自が極めて低い者等には必要な支出まで削って蓄財に励む者もいるがこうした者は大抵碌な結果にならない。
またステータスシンボルとして生まれながらの富裕層や貴族層との婚姻を望む事もままあり断られる、成功するも破綻する等、様々な悲喜劇の発生源ともなっている。
成金となった者が見せる問題的な傾向は以下の通りである。
- 少しでも欲しくなると後先考えず衝動的に買ってしまう。
- どんな物でも高級ならば何でも良い物だと思い込んでしまう。
- 金持ちを一種のステータスと考え、虚栄心が強くなる。
- 自信過剰になってしまい、自分が人生の勝ち組であると思い込む。
- 私生活が派手になり、散在してしまう。
- 高級料理店での外食や高級クラブ等での飲酒が多くなってしまう。
- 流行に流され易くなってしまう。
- 小銭を軽視する傾向が強くなってしまう。
- 金に対する執着心が強く、常に自分の利益ばかりを優先する。
- 苦労して儲けるよりも安易な形で儲ける事を好む。
- 金銭への飢餓感に囚われ易く、心に余裕が無い。
- 自分より儲けている者や、元からの金持ちへの嫉妬心が強い。
- かつての自分の様に金を持っていない者達を馬鹿にする様になる。
近年の発生例
近年ではバブル期には多くの成金が生まれた。だがその多くは放漫なタイプの成金であり、バブル崩壊とともに財産を、運の悪い者では命までも失う末路をたどっている。