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千年女優の編集履歴

2024-09-08 20:17:53 バージョン

千年女優

せんねんじょゆう

千年女優とは、今敏によるアニメ映画。

概要

2002年公開の日本のオリジナルアニメ映画。

原案、脚本、キャラクターデザインは『妄想代理人』『パプリカ』などで有名な今敏が務めた。

サブタイトルは『CHIYOKO MILLENNIAL ACTRESS』。


マッドハウスにより、同会社の過去作品である『パーフェクトブルー』のスタッフを下地に、新たな声優や担当者を迎えて制作された。

また、音楽は平沢進が担当しており、今監督の葬儀の際には本作のテーマソング『LOTUS-2』が出棺時に流された。


第五回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門に千と千尋の神隠しと同時に大賞を受賞するなど数々の賞を受けている。

また、ドリームワークスが初めて日本の映画の配給権を獲得した作品でもある。


引退した一人の女優の生涯を、彼女の出演した映画を模した幻想の中で追憶していく内容となっている。

物語は女優『千代子』にインタビュアーが取材をし現役時代の話を聞くという形式で進んでいくが、徐々にその話は映画の世界と現実の人生が交錯していき、過去・現在・未来を追った壮大な展開にもつれ込んでいくことになる。

また、作中のテーマの一つに「輪廻転生」があり、千代子が様々な時代の様々な人物を演じながら、たくさんの世界を回り続ける様子が描かれる。


日本映画史を体系的に追ったオマージュ作品でもあり、ハイカラさんが通ったり謎の怪獣に対抗したり、黒澤明の映画や小津安二郎の作品を意識したカメラワークなど、往年の名作のパロディが数多く登場する。


主な登場人物

藤原千代子

CV:荘司美代子(70代)、小山茉美(20~40代)、折笠富美子(10~20代)

現役を引退した大女優。本作を代表するキャラクター。

映画会社「銀映」の元看板女優であり、銀映の撮影所が老朽化により解体されることをきっかけに、インタビュアーの立花によって30年ぶりに取材を受け、自らの生涯を語ることになる。


本人曰く「地震には縁がある」とのことで、関東大震災が発生した日に生まれる。女学生時代にスカウトを受けて銀幕デビューし、間もなくヒロイン役を数多く務める人気女優となる。一時休止を挟みつつ精力的に活動を続けるも、ある作品の撮影中に突然失踪、そのまま引退した。

現在は人里離れた山中で隠居生活を送っている。

女優となる前に「鍵の君」と文字通り運命的な出会いを果たし、生涯にわたって彼の影を追い続ける。


作中では、現実の彼女の語りと、記憶の中の世界、女優として演じた世界が複雑に混じり合う虚構、もしくは幻想の世界が繰り広げられる。千代子の演じる役は戦国時代の姫から遠い未来の宇宙船乗務員まで幅広く、また役柄そのものに加えて「その役を担当していた当時の千代子の心情」と「現代で過去を振り返っている千代子の心情」も同時に表現されている。


作中では設定の都合から様々な年齢の彼女が登場するため、声優が三人に渡って役柄を演じている。


立花源也

cv:飯塚昭三佐藤政道(新人時代)

映像プロダクション「VISUAL STUDIO LOTUS」の社長。千代子にインタビューを行う男性。

千代子のファンであり、彼女を盲目的に信仰している。出演作もセリフを暗記するほど何度も見ており、幻想の中でも適宜登場人物になりきってセリフを入れる形で千代子を手助けする役割を担う。

千代子が『現代』において紛失していた鍵を見つけ届けた人物でもある。

実は若いころ銀映に務めており、千代子の作品の現場にも参加していた。


井田恭二

cv:小野坂昌也

立花の会社に所属するカメラマンの青年(ほかに社員がいるのかは不明)。彼と共に千代子に取材を行う。

立花とは異なり千代子の現役時代の活躍はよく知らず、それ故に彼女の話には懐疑的な姿勢を見せ、しばしばツッコミ役に回っている。

関西弁が特徴。声優を務めた小野坂が大阪府出身ということで、自然な演技を披露している。


鍵の君

cv:山寺宏一

千代子の初恋の相手である、名前も居場所も分からない謎の男。絵描きで、何かの危険思想を持ち官憲に追われる身らしい。

傷を負い動けなくなっていたところを千代子に匿われ語り合うが、間もなく居場所を嗅ぎつけられ、千代子と「約束の場所」での再会を誓って別れることになった。

旅立つ際に自らの所有物である「一番大切なものを開ける鍵」を彼女に残したことで、便宜的に「鍵の君」と呼ばれている。


島尾詠子

cv:津田匠子

千代子が入社する前の銀映のスター女優。自分に代わって注目される千代子に嫉妬心を抱いており、初めて会った時から名前をわざと呼び間違える、冷たく当たるなどの嫌がらせをしていた。

幻想世界においてはおもに鍵の君を追う千代子を妨害する、現実を突きつけるような役割を担う。


なお、作中のある場面で小さな子供から「お母さん」と呼ばれているが、実子なのか役柄から呼ばれているのかは不明。


大瀧諄一

cv:鈴置洋孝

銀映の専務の甥、のちに監督になる。気障で目的のためなら手段を選ばない性格。

千代子のデビュー作からスタッフとして携わっており、彼女に何度もアプローチしている。


傷の男(官憲)

cv:津嘉山正種

思想犯の取り締まりを行なっており、鍵の君を追っている。幻想世界の中でも同様に二人を引き裂く・妨害する役割を担う。


のちに傷痍軍人として女優となった千代子のもとに現れ、鍵の君からの手紙を彼女に託す。


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