クラブオルフェノク
くらぶおるふぇのく
『仮面ライダー555』に登場する怪人。
概要
南雅彦を筆頭とした警察のオルフェノク研究所による人体実験の結果、左半身の機械化を余儀無くされている。レンチ状の左腕は生身の身体の約5倍の力を秘め、自動車を簡単に握り潰し、音波や電波の感知によって相手の居場所をたちどころに探知する能力に優れている。右半身をみるに、本来の姿はゴツゴツとした外見をしているのだろう。
機械化の影響からか、オルフェノククレストの位置も右へずれている。
特に出番や登場話数が多い訳ではないが、その活躍もあって視聴者に(いい意味で)大きな印象を残したオルフェノクである。
活躍
警察によって確保され人体実験を行われ、人間の姿に戻れなくなっている為、人間時の姿は未登場。
しかし人としての心は捨てておらず、自分と同じ様に実験台にされていた長田結花を救い出す。駆けつけた木場勇治と乾巧に彼女を託し、自身は人間の目から隠れる為に何処かへと去って行った。
巧「あんた……助けてくれたのか」
しかし、逃亡しているところを偶然菊池啓太郎に目撃されてしまい、悪いオルフェノクと勘違いされてカイザとデルタの攻撃を受けてしまう。何とか駆け付けた巧に守られたが、警察の実験と2人の攻撃によって身体は既に限界を迎えており、再び逃亡している途中に静かに灰化した。
このように登場時間は少ないものの心優しい人物である事が分かり、ドルフィンオルフェノクと同様に「木場や巧達以外にも人間の心を捨てていないオルフェノクがいる」という事を視聴者に改めて印象付けた。
余談
- 声を演じているのは前作『仮面ライダー龍騎』の秋山蓮/仮面ライダーナイト役でお馴染みの松田悟志である。クレジットでは「松田悟志(友情出演)」となっている。しかし、モチーフが前作で因縁のあるカニというのは何とも皮肉。
- 尚、松田氏自身はカニアレルギーである。
- 結花を助け出した後、結花に好意を抱く啓太郎が事情を知らずに彼を悪いオルフェノクと勘違いした結果、駆け付けた草加と三原に攻撃されてしまった点でも悲劇的なオルフェノクである。
- 仮面ライダー図鑑によれば人間態に戻れなくなった原因は「オルフィノティン溶液」という薬剤の影響ではないかと推測されている。
異質過ぎて使い所のなかった初期のデザインスケッチの1つがデザイン元であり、篠原保氏がプロットを読んでイメージの符号を理由に採用した(『完全超悪』p.145)。