MAC遊びをしているトオル達の中に、突然降ってきたコロ星人
発信尻尾で怪獣レンボラーをコントロール、だが尻尾を取られて大暴れ
暴れ出したぞレンボラー!大好物のドーナツ食べ、逆立ち急げコロ星人!
尻尾よ尻尾、すぐ伸びる
さぁ、みんなで見よう「ウルトラマンレオ」!!
放送日
1974年9月13日
登場怪獣
虹怪獣レンボラー
快人コロ星人
STORY
ナレーション「宇宙…それは君達も知っている様に、数え切れないほどの星が煌めき、吸い込まれそうに広い無限の世界だ。ほら、あそこに光っている星!あれはコロ星って言うんだが、コロ星の人達は音楽が大好きで、陽気で悪戯好きなんだ。ほ〜らほら、いたいた…音楽が聞こえるといつもこうなんだ」
宇宙空間に浮かぶベッドの上で、少年の様な宇宙人・コロ星人が遊んでいた。コロ星人は「フワ〜リ、フワ〜リ、フワ〜フワ〜っと、フンワカ、フンワカ」などと楽しそうに呟きながら跳ね回る。所が…
ナレーション「あっ、危ない!ほーら言わないこっちゃない…」
あんまり跳ねすぎたせいでコロ星人は音楽ベッドから足を踏み外し、宇宙空間に落ちていった。ベッドもゆっくりと降下してゆく。これにはナレーションも呆れ気味…
え、なぜ重力のない宇宙で落ちるのかって?気にするな、今回はギャグ回。深く考えたやつの負けだ。
(場面転換)
カオルや自転車に乗ったトオル、そして彼らの友達が「恋のダイヤル6700」を口ずさみながらどこかのガラクタ置き場のような場所へやって来ていた。「リトルMAC隊本部」という看板が掛けられた廃バスの中から、工事用ヘルメットを被ったふくよかな少年が現れる。トオル達は彼を「隊長」と呼び、全員揃って敬礼を行う。
隊長はダンのつもりか、松葉杖の代わりに棒を持って彼らを指差す。女子隊員にパトロール、恭一隊員には隊長車(自転車)の掃除、トオルに本部の掃除を命じる。カオル達は喜んでパトロールに行ったが、トオルらは「またかよ」と愚痴をこぼす。嫌ならおやつは無しだと言われ、ふくれっ面ながら友達と共にバスの中を掃除する。逆らえないのも無理はない、隊長の家はパン屋だった。その様子を見て隊長は微笑む。
すると、空からゆっくりとベッドが降ってくる。ベッドは本部の近くのガラクタの中へ落ち、見覚えのないベッドが捨ててあることに気づいたトオルが隊長へ報告。みんなでベッドを調べることに。
トオルはまるでオモチャのベッドだと感心し、恭一はきっと空から降って来たんだと推測。隊長は「まさか」と言いつつも、うちのベッドよりずっといいと評する。
すると、カオルが戻ってきた。何でも、「ミミズのお化け」がいるのだとか…
行ってみれば、そこには赤い球状のものが先端についた細長いものが地中から伸びていた。隊長が引っ張ろうと試み、トオル達も手伝おうとすると、カオルが地面から何か聞こえると言い出す。他のみんなも地面に耳を当ててみれば、確かに何やら声が聞こえてきた。トオルはそれが泣き声であることに気がつき、みんなで地面を掘り返す。
すると中から現れたのは、あのコロ星人だった!ミミズのお化けだと思われていたのは、彼の尻尾だったのだ。コロ星人は周りのリトルMACの面々を見回し、礼を繰り返す
コロ星人「感謝、感謝、感謝!」
すると、突然コロ星人は弱り出し倒れる。隊長は彼が何者か見当もつきそうに無かったが、トオルは彼が宇宙人であることをすぐ察知。隊長は俺達で飼おうと提案するが、カオルはコロ星人の様子からお腹が空いているのだと理解し、男子隊員は食料を集めに散る。カオルら女子隊員2人はコロ星人を起こし、本部の中へ連れ込む。
(画面が裏返るように場面転換)
カオルらリトルMAC隊員達がおにぎりやキャベツを手にコロ星人と話す。
コロ星人は18番、24番、26番、110番が食べたいとよくわからないことを言い出し、さかんに110番をくれと訴える。カオルは「パトカーかしら?」と尋ねるがコロ星人は首を横に振る。恭一少年が「宇宙食のメニューと番号だろう」と推測した所でトオルが帰還。生魚を見せるがコロ星人は怖がって食べようとせず、トオルも謝る。そして隊長がやってきて袋詰めのドーナツを見せる。
コロ星人はドーナツを見るなり「No.110番」と呼んで大喜び。トオル達もそんなコロ星人を見て微笑むが、隊長はふとトオルの肩を叩き…
隊長「これで俺達のおやつは、パーだぜ…」
トオル「えぇ!?そりゃないよ〜…」
打って変わってしょげかえるトオル。無論、そんなことはお構いなしにコロ星人はドーナツを食べ続け…
(また画面がひっくり返って場面転換…してないか)
星人の足元に一つ、また一つとドーナツの袋が落ちてゆく。コロ星人はとんでもない大食漢だった。トオル達が呆れ気味に見守っていると、コロ星人はもっと食べたいと求める。困り果てる隊長に、今度はトオルが肩に手を置いて「もういいよ、この際」と語る。隊長は「あと一つだけ」と言ってドーナツを取りに行き、父ちゃんに怒られちゃうと溢す。
(今度こそ場面転換)
今度は本当のMAC本部。パトロール中のゲンから通信がかかり、ダンが応答する。
ゲン「こちらシビック!MAC本部応答願います」
ダン「モロボシだ、どうした?」
ゲン「あっ隊長、未確認情報なんですが、変な星人が東京に現れて、東京中のドーナツを食べちまったと言うんですが…」
ダン「何だってぇ?」
佐藤「ふっ、ドーナツねぇ…」
ダン「よーし、調べてみろ!」
ゲン「了解!」
シビック(マックカー)に乗ったゲンは、コロ星人の調査を開始する。
(場面転換)
やっとドーナツを食べ終えたコロ星人は椅子二つの上でくつろぐ。
コロ星人「ふーっ、満足満足!」
恭一「チビの癖によく入ったな〜…」
トオル「君の事で街中大騒ぎだよ?もう帰った方がいいよ」
隊長「お前の住んでる星は、なんて言う星だ?」
コロ星人「コロ星!」
恭一「聞いたことないよそんな星」
コロ星人「最高の星よ!地球より、二千年は進んでる」
トオル「よく言うよ!尻尾がある癖に。大体尻尾が生えてるからね…」
コロ星人「これは発信尻尾!」
恭一「発信尻尾?」
トオル「コレが?」
コロ星人「怪獣レンボラーをコントロールするための発信機!」
恭一「嘘つけ!」
コロ星人「コロ星人嘘つかない、レンボラーは虹も食べる!」
トオル「ほんと!?」
隊長「虹を食べる怪獣か、すげえなあ、見たいなぁ…」
コロ星人「だめ!」
隊長「あんなにドーナツやったじゃないか!」
トオル「そうだ!」
恭一「やっぱり嘘だ」
コロ星人「宜しい!…でも、ちょっとだけよん?」
少し勿体ぶってから、コロ星人は尻尾を空に向け、叫び声と共に指令を発信する。
コロ星人「レンボラー!レンボラー!!」
その頃、宇宙空間の彼方から怪獣レンボラーがコロ星人の命令をキャッチし、地球へ向かって飛行を開始。MAC本部のダンはレーダーで未確認飛行物体がマッハ32ものスピードで地球へ接近していることをキャッチし、パトロール中のマッキー3号を確認に向かわせる。
(場面転換)
カオルら2人が本部へ戻る途中、ゲンの乗ったマックカーとすれ違う。ゲンはカオルにどこへ行くのか尋ね、カオルの友達が口を滑らせかけるがカオルに止められ、誤魔化されてしまう。しかしゲンは様子のおかしい彼女らを怪しむ。
一方のトオル達とコロ星人はレンボラーを待っていたが、最初からコロ星人を疑っていた恭一は一向にレンボラーが現れない事に痺れを切らしそうになっていた。そこへカオル達が帰ってくる。
恭一「来ないじゃねぇかよ!」
カオル「どうしたの?」
トオル「怪獣が来るんだ!」
カオル「怪獣?」
恭一「来る訳ないよ」
トオル「嘘じゃないよ!」
恭一「だってこいつ、嘘ばっかり言ってんじゃないか!ベッドから落ちて地球へ来たんだってさ」
カオル達「「ベッド??」」
恭一「これで大人なんだってさ!子供が43人、孫が64人だって」
カオル達「「へぇ〜」」
コロ星人「ひい孫が、14人いるよ!」
恭一「またまた嘘をつく!」
コロ星人「嘘じゃないよ〜!」
恭一「よし、もし怪獣が来なかったら引っ叩いてやるからな!…あっ!来た…!」
すっかり恭一の気が立った頃、ついに上空からレンボラーが飛来。慌ててトオル達は物陰に隠れるが…
コロ星人「レンボラー!!」
トオル「逃げろ!」
コロ星人「だいじょうよ、だいじょうよ!」
トオル「…カオル、だいじょうって何だ?」
カオル「…もしかしたら、だいじょぶの事じゃない?」
トオル「大丈夫…」
ゲン「おーい!」
と、そこへ本物のMAC隊員であるゲンの声が。どうやらゲンはカオルの跡をつけてきたようだ。
トオル「あっ!おおとりさん、怪獣だ!」
ゲン「さぁ、みんなあっちに逃げるんだ!」
コロ星人「だいじょうよ、ほんとにだいじょうよ!」
ゲン「お前だな?東京中のドーナツを全て食べちまった、変な星人というのは!」
コロ星人「あんた、誰?」
ゲン「MACの隊員だ!」
コロ星人「MACぅ?」
ゲン「ああ!」
トオル「おおとりさん、怪獣が来るよ!」
コロ星人「だいじょうよ、レンボラー!」
コロ星人の声を聞くと、空中を旋回していたレンボラーは近くへ着陸。
コロ星人「ポーズ!」
レンボラーは頷くと、星人と同じポーズを誇らしげに取る。そんな様子に隊長も微笑み出す。
コロ星人「よし、次はスピン!あ違った、地球面宙返り二回捻り!」
レンボラーは少しの準備運動の後、足元にあったショベルカーを放り投げると、見事な宙返りを見せて着地。直後にダンと佐藤の乗ったマッキー3号がレンボラーの周りを回るが、レンボラーは挨拶するかのように手を振る。
ダンが通信でゲンと話している中、レンボラーは両手を開いて猫背で片足立ち。観客である子供達の盛り上がりを煽り、トオル達はもっと何かやらせるようコロ星人に頼むが、ゲンはレンボラーを宇宙へ帰らせるよう言いつける。コロ星人はレンボラーにバイバイを言うよう命じ、レンボラーは礼儀正しく振る舞う。
トオル達は笑顔で手を振るが、ふと隊長に悪い考えがよぎった。
隊長「この発信尻尾があれば、僕だって!えい!」
コロ星人「あーっ、ダメだ!ダメダメダメ!やめて、やめろーう!」
ゲン「おい、やめるんだ!」
隊長は勢い余って星人の尻尾を引き抜いてしまった!尻尾は火花を散らし、レンボラーの様子も一変。あたりをメチャクチャに跳ね回り、ビルを崩し始めた。
コロ星人は尻尾が切れた、コントロールが効かなくなったと大慌て。ゲンは怪獣を止めろと言うがもう無理だった。ゲンは取り敢えずみんなをバスの中へ避難させ、マッキー3号も攻撃を開始。すると、突然の雨が。コロ星人も何故か大喜びする。
コロ星人「あっ、雨だ!ワーイワーイワーイ、雨だ雨だ!雨だ、MACさんもうだいじょうよ!レンボラー雨嫌い!」
ゲン「えぇ?」
コロ星人「雨ついて逃げる!ホラ!ねっ!」
コロ星人の言った通りだった。レンボラーは急な雨を嫌がり、そのまま飛び去ってしまった。バスの中のリトルMACの面々も静かに見つめる。
(Aパート終了)
余談
第12話以来11話ぶりのギャグ回。
ゲンは「東京中のドーナツが食べられた」と言っていたが、果たして東京中のドーナツを買い占めるだけの財力があの子供達にあったのだろうか?あの中に金持ちの息子でもいたのかも知れない。
レオとレンボラーのボクシング対決は6ラウンドにも及んでおり、明らかに2分40秒以上戦っている(と思われる)がギャグ回なので深く考えたら負けである。
本話が放送された9月13日は、後に大決戦!超ウルトラ8兄弟が公開された日でもある。