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かぶと虫は宇宙の侵略者!の編集履歴

2024-09-29 20:04:04 バージョン

かぶと虫は宇宙の侵略者!

かぶとむしはうちゅうのしんりゃくしゃ

「ウルトラマンレオ」第25話のサブタイトル。

毒のゴミが降ってきた…

二郎の飼っていた緑亀やカブトムシの様にみんな死んでしまう

クリーン星へ行こう、カブトムシに乗って!次郎の夢は本当だった

巨大なカブトムシが毒のゴミを撒き散らして

地球を破壊しようとしている!地球を守れゲン!

みんなで見よう「ウルトラマンレオ」!!

放送日

1974年9月27日

登場怪獣

宇宙昆虫サタンビートル

幻想宇宙人クリーン星人

STORY

トオル「水爆だ…!」

トオルはその日、金魚を飼っている友達の家へ仲間と一緒にお邪魔し、水爆実験に見立てて水槽の中へ墨を垂らす光景に感心していた。しかし、一緒に来ていた二郎少年が「何だいこんなもの!!」と急に錯乱したかの様に水槽の中に手を突っ込んだので、みんなで止めようとすると二郎はすぐに部屋を出ていってしまう。残されたトオル達は「変な奴だなぁ」と唖然とし、水槽の中の金魚は黒い霧がかかった様になった水中を泳ぎ回っていた。

(場面転換)

歩道橋の上から車の往来を見つめる二郎。その顔は暗く、やがて彼が咳込み始めると、そこへ偶然百子カオルが通りがかり、彼を心配して駆け寄る。

カオル「二郎ちゃんどうしたの?」

二郎「僕、体がだんだん弱くなってきたんだ…」

百子「えぇっ?」

二郎「僕ねぇ、僕…」

百子「どうしたの一体?」

二郎「夢を見たんだ、空から毒のゴミがいっぱい降って来る…」

カオル「夢の話でしょそれ?」

二郎「でも本当のことなんだ!僕のミドリガメも死に、カブトムシもいなくなったんだ、きっとどっかで死んでるよ…僕も、僕ももうすぐ…!」

そこまで話して二郎は走り去った。もうカオルが呼んでも彼は振り返らず、明らかに様子のおかしい彼を百子とカオルは顔を見合わせて不思議がるのだった。

その後、二郎は道路を走るマックロディーを発見すると、進路上に立ちはだかって手を振り、呼び止める。乗っていたゲンがブレーキをかけると、二郎は運転席のゲンに駆け寄る。

ゲン「危ないじゃないか、何かあったのかい?」

二郎「マッキー3号は、宇宙へ行ける?」

ゲン「?あぁ、行けるよ」

二郎「僕をどっか、綺麗な星へ連れてって!ねぇ、ねぇ!」

ゲン「一体、どうしたんだい?」

二郎「ゴミが…」

ゲン「ゴミ?」

二郎「窓から毒のゴミがいっぱい入って来る夢を見たんだ」

ゲン「ハハ、なぁんだ夢の話か」

二郎「でも本当の夢なんだよ!」

ゲン「"本当の夢"?」

二郎「うん、僕の体は毒のゴミに弱いんだ…だから僕だけ、だんだん弱っていくんだ…!僕だけじゃない、窓の所に置いといた、ミドリガメも死んじゃったんだ!ねぇ、お願いだから僕を綺麗な星へ連れてってよ!」

ゲン「…よし分かった!もしそんな恐ろしい毒のゴミが空から降って来たら、君を真っ先に綺麗な星に連れてってあげる、約束するよ…でも今は大丈夫だ、君の思い過ごしだよ」

二郎「でも、僕…」

ゲン「本当に大丈夫だって!」

二郎「でも、僕…」

ゲン「本当に大丈夫だって!」

ゲンは二郎こ両肩に手を当てて大丈夫だと教えたが、二郎は浮かない顔でとぼとぼと帰って行った。ゲンはその背中を、困惑しつつ見つめる。

(場面転換)

MAC基地へ帰還した後も、ゲンの脳裏には二郎の言葉が残っていた。近くでは大槻隊員を佐藤隊員と白土隊員が怪談ドッキリでからかっており、ダンもその様子を見て笑っていたが、ふと考え込んでばかりのゲンが気になり話しかける。

ダン「どうしたんだゲン?」

佐藤「変だぞ?おおとり隊員」

ゲン「宇宙をパトロールしてる時、いつも思うんですけど、地球程美しく見える星はありませんよね…」

白土「本当だな、遠くから見れば綺麗なもんだ」

すると、パトロールから帰ってきた梶田隊員がゲンの所へやって来た。

梶田「おおとり隊員、今日パトロール中に二郎って子供に会った?」

ゲン「あぁ」

梶田「トオル君の友達なんだそうだ、その子」

ゲン「どうしたんだい?」

梶田「熱を出しておおとり隊員に電話してくれって言い続けてるそうだ」

ゲン「熱を出して?」

梶田「うん」

すると今度は大槻隊員が通信席から戻り、ダンに報告する。

大槻「隊長、地球防衛委員会発・クリーン星で明朝6時に新型CX137ロケット弾の実験を行うと決定した。尚、地球には全く影響のない模様です」

ダン「うん…」

ダンは頷くが、その顔はどこか晴れないものであった。

(画面が青くなって場面転換)

話に聞いた通り二郎の体調は悪化しており、彼は頭に濡れタオルを乗せられ熱に魘されていた。彼の母に通されてゲンが部屋に入ると、母親によれば二郎の症状は風邪であり医者にも2、3日寝ていればよくなると言われたという。

母親は二郎を起こしてタオルの水を取り替え、ゲンにお茶を入れようと戻って行ったが、ゲンはすぐ失礼するからと遠慮した。

2人きりになると二郎はゲンに弱々しく話しかけるが、ゲンはすぐよくなると慰める。すると彼は机の引き出しを開けてくれとゲンに頼み、ゲンが指差した通りの引き出しを開けると中には箱が。二郎の頼みでそれを持ってきて開けてやると、中には黄色い花に囲まれたミドリガメの死骸が。ゲンが驚き目を見張ると、突如二郎が苦しみ出した。喉の痛みを訴え、きっと毒のゴミだと叫ぶ。ゲンが揺り起こしても二郎の様子は変わらなかった。

(場面転換)

ゲンは車を運転し二郎の家から帰っていたが、その頭の中は二郎の「いつ綺麗な星へ連れてってくれるの…?」という言葉でいっぱいだった。

その頃二郎はやっと眠りにつき、夢を見ていた。

彼が真っ白な部屋の中で寝ついていると、どこからか彼の名を呼ぶ声がする。それに気付いた二郎が目覚めると、部屋の奥の窓際から光と共に謎の少年が現れた。

クリーン星人壁紙イラスト(1366×768)

二郎「誰?どっから来たの?」

少年(クリーン星人)「クリーン星から来た星人さ!君は、綺麗な星へ行きたいんだね?」

二郎「連れてってくれるの!?」

クリーン星人「うん!」

二郎「すぐ用意するよ!」

クリーン星人「用意など要らないさ、さぁすぐ行こう!いいかい?」

クリーン星人は二郎のベッドに座って話すと、何やらパントマイムでもするかの様な仕草と共に手を広げ、触れずに窓を開けてみせた。

二郎「わぁ、すごい…!」

すると、真っ白だった筈の外が青くなり、上から砂か紙吹雪のような何かが降ってきた。

クリーン星人「あ!いけない、また毒のゴミが降ってきた!さぁ、急ごう」

クリーン星人は二郎をマントで包む。毒のゴミは近くの積み木の広場の様な場所にも降り注ぎ、どこからか爆発が起こって広場は砕け散った。

一方、二郎はクリーン星人に連れられて美しい花畑へやってきた。辺りには光る粉が舞い散り、幻想的な光景を作り出す。

クリーン星人「さぁ、ここだよ!」

二郎「わあ…ここがクリーン星?」

クリーン星人「そうだよ」

二郎「綺麗だなぁ…!綺麗だなぁ、すっごいなぁ…あっ!ミドリガメだ…あっ、僕のカブトムシだ!」

そこには死んだ筈のミドリガメが。二郎が拾い上げると、近くの花の影から消えたカブトムシも現れる。

カブトムシ「そうだよ二郎、ここへ来てすっかり元気になったんだ」

ミドリガメ「私なんか、生き返ったのよ!」

カブトムシ「ここは良いよ、地球と違って」

二郎「毒のゴミは降らない?」

カブトムシ「降るもんか!」

二郎「じゃ、目に染みる雨は?」

カブトムシ「降るもんか、二郎もここで暮らせば一変に元気になるさ」

ミドリガメ「そうね!」

カブトムシ「いいよここは!なぁ」

ミドリガメ「えぇ、クリーン星へ来て本当に良かったわ!」

カブトムシ「二郎、みんな呼んでやろうよ」

二郎「お父さんもお母さんも、みんな来ればいいのになぁ」

喜ぶ二郎。しかしどういう訳か、明るいbgmに混ざって暗い不協和音が流れる。すると二郎は母に起こされ目が覚めた。

母「二郎ちゃん、二郎ちゃん!」

二郎「カブトムシが、僕のカブトムシが…!」

母「アハ、夢を見たのね?窓を開けて空気を入れ替えましょう」

二郎「開けないでお母さん!」

母「どうしたの?」

二郎「毒のゴミが…!」

母「まだ言ってるの?大丈夫よ、MACのお兄ちゃんもそう仰ったでしょ?さ、はい休みなさい」

二郎「開けないでお母さん!開けないで、開けないで!!」

二郎は必死な様子で窓を開ける母の前に割り入り、一度開いた窓にしがみついて閉めてしまう。当然毒のゴミなど降っていなかったが、既に二郎は精神的にやられていたのだ。

(場面転換)

MAC基地に鳴り響くサイレンの音。UFOが地球に接近しているとの知らせだった。続けて宇宙ステーションV9からも連絡が入り、ゲンが応答すると救援を求める声が。しかし、相手が「現在V9の…」とまで言いかけた所で爆発音が鳴り響き、通信は途絶えた。ダンは白土を出動させ、ゲンも引き続きV9に呼びかけるが遂に応答はなかった。

その間にもUFOが地球に接近を続けていること、V9が攻撃を受けたことを知らせる伝達や、宇宙ステーションHからロケット戦闘機隊が全機撃墜されたとの知らせも入り、事態は深刻化の一途を辿る。

すると佐藤のレーダーが白土の乗ったマッキー3号とUFOの二機をキャッチし、あと5分で両者が接触すると計算。ダンはゲンを連れて出撃する。

一方の白土は本部の佐藤からUFOがスペースポイント0724を通過したと聞かされ、一直線に向かってゆく。すると、上空から大きな黒い影が姿を現した。

サタンビートル

ナレーション「それは、宇宙昆虫・サタンビートルだった!」

(場面転換)

その頃、二郎は怪獣騒ぎを聞きつけたらしくベッドの上で目を覚ましていた。すると母親が氷枕を持って部屋にやって来る。

母「あらあら二郎ちゃん、寝てなくちゃ駄目じゃないの!」

二郎「お母さん、怪獣は東京に来るの?」

母「ええ、家から出ないようにってTVで言ってるわ」

二郎「MACがやっつけてくれるよね、きっと!」

母「でもね、40mもある宇宙昆虫なんですって。カブトムシによく似た」

二郎「カブトムシ…?」

(場面転換)

一方、サタンビートル迎撃に向かったゲンとダンの乗ったマッキー2号が空を飛んでいた。サタンビートルの存在に疑問を抱いたゲンが話していると、白土からの通信が入る。

ゲン「隊長、宇宙のどこから飛んできたんでしょうか?それに、どうしてそんなものが地球に…」

白土「こちらマッキー3号!応答願います」

ダン「モロボシだ」

白土「宇宙昆虫は、間もなく東京上空に侵入します!」

ダン「よしわかった!」

ゲン(ひょっとしたら、クリーン星から飛んできたのかも知れない…そうだ、きっとそうだ…!)

ゲンは例の実験を思い出し、これがクリーン星人の報復なのではないかと推測を立てるが…

(Aパート終了)



































余談

病気で心身共に弱り、夢と現実の境界線が曖昧になってしまった少年を主軸に据えた物語に環境問題も加えた事で出来上がった、本作屈指の異色回。

そのため話の雰囲気はどこか不気味なものが漂い、演出も奇怪かつ不可解。一言で言えばサイケである。

中でも「ギリギリ…」という毒のゴミのSEは本話の至る所で流され、強く印象に残る。

第3話第16話第40話とは別ベクトルでの恐怖がトラウマになった視聴者も少なくない。

「夢の中で怪獣と触れ合い、精神が不安定になった少年」という点では第9話に似ているが、あちらと違い本話のサタンビートルは明確に敵とされている故に二郎が如何に夢から覚めるかが見どころの一つとなっている。


本話で唐突に登場した大槻美也子隊員はあと一回出た後姿を消す。


かつてダンはクリーン星と同じように爆弾の実験台にされた惑星の悲劇を見た筈だが特にリアクションを見せていない。以前より強力な怪獣が現れ、まだ若手のレオが戦わなくてはならない現状から力を求めてしまったのかも知れない。もっとも、本話のクリーン星は結局どうなったのか分からず仕舞いだが…


本話は以下の様に数々の謎を残して終わっている。

  • そもそもクリーン星人なるものは本当にいたのか?
    • 仮にいたとして、何故二郎の夢の中になど現れたのか?
  • サタンビートルはクリーン星人が操って送り込んだと説明されているが、果たして本当にそうだったのか?野良の宇宙怪獣に過ぎなかったのではないのか?若しくはそれこそギエロン星獣の様に爆弾の影響で変異したクリーン星の昆虫が地球へ飛来しただけではないのか?
    • これに関してはサタンビートルの体に武器が搭載されていることから「クリーン星人に改造された」と反論ができるが、そもそもこいつが本当にクリーン星の出身だったのかについては疑問が残る。各種図鑑などでは一貫してクリーン星出身と書かれているが、同じ様な境遇のギエロン星獣も色々と謎が深い存在であることから何とも言えない。詳しくは上記の超兵器R1号の記事にて。
  • 二郎の空想の産物に過ぎない筈の「毒のゴミ」を何故サタンビートルは吐き出したのか?
    • それにダンやナレーターも「サタンビートルが降らせていた」とあたかも元々存在して二郎を病魔で苦しめていたかの様に語っている。
  • 最終的に二郎のカブトムシは見つかったが、一体どこに隠れていたのか?普通ならすぐ見つかりそうなものである。

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ウルトラマンレオ クリーン星人 サタンビートル

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