概要
『ジュマンジ』とは、1982年に発売された絵本。続編に2002年に発表されたザスーラがある。
作者はクリス・ヴァン・オールドバーグ。
世界的に高い人気を獲得した絵本であり、後述する映画化のみならず、アニメ化やゲーム化など、多数の映像化作品が制作されている。ここでは原作版と映画版の解説を行う。
大きなストーリーとしては、ジュマンジという名前のゲームを行うと、ゲームの内容が実際に起こるというものである。
ゲーム自体については、媒体によって少々の変更がある。
原作版
両親に留守を任されたピーターとジュディは退屈して公園に遊びに行くと、木の根元に「ジュマンジ」という双六式のボードゲームを見つける。
ゲームは、黄金の町である「ジュマンジ」を目指してジャングル探検を行うというもので、見つけたゲームを家に持って帰った二人は、退屈しのぎにサイコロを振ってゲームを始めてしまう。すると突然、部屋のなかにライオンが現れる。サイコロを振ってコマの進んだところに書いてあることが現実に起こってしまうことを知った二人は、ゲームを終わらせるためにゴールにある黄金の町ジュマンジを目指す。
映画化
1995年に最初の実写映画化がされる。また、直接の続編として、20年以上の期間を空けて2017年に『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』が公開され、更に続編となる『ネクスト・レベル』が公開される。ここでは95年版に絞って解説する。q2017年版については、ウェルカム・トゥ・ジャングルを参照。
95年版はトライスター・ピクチャーズ配給で映画化された、主演はロビン・ウィリアムズ。
ゲーム内で起こった出来事が現実でも発生する魔法のボードゲームが巻き起こす大騒動を描いたファンタジースリラー。
登場する動物は当時最先端のCGやアニマトロニクスで表現され、リアルな動きを再現して事で評価された。
95年版ストーリー
1869年。深夜の森の奥深くで馬車に乗った二人の少年は持っていた木箱を地中深くに埋め、何かに怯えながらどこかへ立ち去っていった。
1969年。製靴工場の主人にして町の名士でもある父を持つ少年・アランは工事現場で太鼓のような音を耳にする。音がした場所を掘り返すと、「ジュマンジ」と書かれたボードゲームが出て来る。興味を持ったアランは友人のサラと共にゲームを開始する。ところがそのゲームは、ゲーム内で起こった出来事が現実でも起こってしまう危険なゲームだった。そしてアランはサイコロを振った結果、誰かが5か8を出すまでゲームの中に永遠に閉じ込められてしまった。
26年後の1995年。かつてアランが住んでいた邸宅は、彼の失踪を期に衰退したパリッシュ家の失脚以来、空き家となって格安で売り出されていた。そこに両親を事故で亡くし、父方の叔母に引き取られたジュディとピーターという姉弟と、その叔母が引っ越してくる。ある日屋根裏部屋で太鼓のような音を聞いた二人は、ジュマンジと書かれたボードゲームを見つけ、遊び始める。
次々と危険な動物が現れる中、二人は大人になったアランを偶然呼び戻す。ゲームをクリアするための近道は、26年後のアランとサラを加えた4人で進めなければならない。
そうこうしている間にも街には動物の大群が逃げ出し、アランを追って来たハンターのヴァン・ペルトが現れ、部屋には食虫植物が生えたりと大パニック。
果たしてゲームはクリアできるのか?
登場人物
アラン・パリッシュ
主人公。実家は裕福だが、いじめられっ子。
ジュマンジ上で駒が勝手に進んだのと盤上に不気味な文字が出て来たことを見て怖がり、ゲームを片付けようとしたが、時計の音に驚いた拍子にサイコロを振ってしまい、5か8の目が出るまでゲームの中のジャングルに閉じ込められてしまう。
その間に住んでいた邸宅が空き家となり、格安で売り出されていた上に、「父親が息子を惨殺し、その死体をバラバラにして屋敷のどこかへ隠した」という根も葉もない噂が流れていた。
26年後、ジュディとピーターによって救出されたが、あまりに変わりすぎた未来に絶望するも、ピーターの挑発に乗せられる形でゲームを再開することに。
サラ・ウィットル
アランの友人。いじめグループの主犯であるビリーから好意を寄せられているが、アランをいじめる彼のことをあまり良く思っていないため、いじめを止めるよう注意した。
ジュマンジを「子供の遊ぶゲーム」と馬鹿にしてサイコロを投げてしまったため、プレイヤーになってしまう。
アランの消滅と大量のコウモリの襲来に怯えて逃げ出し、周囲に精神異常者扱いされふさぎ込んでしまう。
それ以後は「マダム・セレナ」と名乗って占い師をしながら引きこもり生活を送っていたが、26年後にゲームから帰還したアランと再会するが驚きのあまり失神し、ジュマンジを見てパニックになりプレイをひどく拒んでいたが、始めてしまった以上やり遂げなければならないと知り、仕方なく協力する。
ジュディ・シェパード
小学生の少女。ピーターの姉。
両親をスキーの事故で失い、ピーターと共に父方の叔母であるノラに引き取られ、26年後の空き家となったアランの邸宅に引っ越してきたが、屋根裏部屋でジュマンジを見つけた事でゲームに巻き込まれる。
両親の事故に関しては虚言で大人をからかう事があるが、本心では両親を誰よりも慕っている。
ピーター・シェパード
ジュディの弟。両親を亡くしたショックで失語症になったと思われているが、実際は心を開いた人物以外とは会話しないだけ。
ゲームでイカサマをしたため猿人にされてしまう。
サミュエル・パリッシュ
アランの父。製靴会社の社長で厳格にふるまっているが、息子の事を誰よりも愛している。
アランの消滅後、全財産をつぎ込んで捜索した結果破産して会社は倒産。息子殺しの疑惑をかけられながらも妻のキャロルと共にアランがゲームから帰還する4年前にこの世を去った。
ジム・シェパード
ジュディとピーターの父。妻のマーサと共にスキー事故でこの世を去った。
ノラ・シェパード
ジュディとピーターの父方の叔母。兄夫婦が事故で亡くなったため、ジュディとピーターを引き取り、不動産屋のトーマス夫人の紹介で空き家となった旧パリッシュ邸へ引っ越してきた。
両親を亡くして閉鎖的になってしまった二人を何とか気遣うものの、子供達に対する理解はイマイチ。
ヴァン・ペルト
本作のヴィランズで、ゲームに閉じ込められたアランを追い回すショットガンを振り回す札付きの密猟者(ハンター)。
ジュマンジの引き起こす脅威の中では唯一の人間型で、アランを珍しい獣だとでも思っているのか彼を狩ることに執着している。
外見は初老の白人男性そのものなので、猛獣や超常現象と違って会話も可能だが、ジュマンジのシステム上の人物なためか頑迷で話が通じないため、アランたちにとっては他の脅威となんら変わりはない危険人物。
銃の腕はからっきしで、最新式の物に持ち替えても全く当たらないが、ゲーム盤を強奪したり、人質をとったり、銃火器店で武器を新調するといった人間型らしい知恵のある行動を行う。
ちなみに、映画ではヴァン・ペルトはアランの父サミュエルと同じ人物(俳優のジョナサン・ハイド氏)が一人二役で演じている。
ジュマンジのルール
- ジャングルやサバンナを冒険するすごろく式のボードゲーム。
- 駒はゾウ、サイ、サル、ワニの4つで最大4人までプレイが可能。それぞれの駒に関しては一度でもサイコロを振れば、たとえそれが事故によるものであったとしても最初にサイコロを振った人間をプレイヤーとして認識し、それ以外の人間の介入は無視される。そのため一度ゲームを始めるとクリアするまでは離脱することは出来ない。ボードに駒を置くと、サイコロを振って出た目の数だけ駒は自動で移動する
- 一回につき二つのサイコロを振って、中央にあるゴールを目指す。ゾロ目が出た場合はもう一度振ることができる。また、出目を意図的に操作しようとするなどのイカサマをした場合は罰が下る。
- サイコロで止まったマスによって謎の文面が現れ、それに従ってゲームの中から獰猛な野生動物や絶滅した生物、超常現象などの脅威が襲い掛かる。これらをうまく切り抜けてゴールを目指す必要がある。ただし、マスの中には「出目の数だけマスを後戻りさせられるだけ」で特に大きな脅威が発生しなかったものもあるため、実質的に無害といえるマスもいくつかはある模様。
- 現れる脅威は盤面に文字で表示されるが必要最低限の説明しかされないため、実際に脅威に会うか、何が来るかを文面から推理しなければならない。
- 脅威として出てくる動植物は人間にとって文字通りの「脅威」揃いであるが、無敵というわけでもないらしく、武器で攻撃することで撃退したり一時的に怯ませることも一応は可能。
- 一人でもゴールし、「ジュマンジ」と唱えればゲームクリアとなり、それまで現れた動物などは消滅。プレイヤーはゲームが開始される前の時間に巻き戻される。時間が戻っても、ゲーム開始から終了までの記憶は引き継がれるため、使い方次第では未来を改変することも可能。
関連タグ
ウェルカム・トゥ・ジャングル(続編)