カグラバチ
かぐらばち
「 運命を切り拓け。」
「 復讐の刃は涅く猩く」
「 斬る、刃向かうすべて。」
概要
『週刊少年ジャンプ』にて2023年42号から連載されている外薗健の漫画作品。
漢字表記は『神楽鉢』。
2024年10月4日時点で既刊4巻。
2024年度『次にくるマンガ大賞』コミックス部門1位。
2024年10月18日時点で累計発行部数100万部を突破している。
あらすじ
六平チヒロは、日本一の刀匠である父国重と共に、刀作りの修行に日々励んでいた。
作業中は真面目だが普段はおちゃらけた国重の世話と、たまに父の友人の柴登吾から昔話を聞かされる日常を過ごしていたある日、国重から改めて刀とそれを握る者・作る者の意味を話される。
刀は人を殺すための道具であることに変わりはなく、刀を作った先にあるその「死」に刀匠は無関係ではない。刀を握るべきは悪を滅し弱者を救う信念を持つ者であり、刀匠も同じ信念と責任を持たなければならない、と。
「その重さを背負えるか」と問われたチヒロは自身の覚悟を伝える。息子が自分なりに答えた事に満足したのか、国重は安心したようだった。
しかし、そんな平穏な日々は突如終わりを迎える。
三人の妖術師が、六平家を襲撃したのだ。
国重が作った6本の妖刀を奪うために。
国重の刀に対する想い。その想いも知らずに自分達の都合で妖刀を、家を、何より尊敬する父を奪われたチヒロは、涙と血を流しながら誓う。
奴らに父の信念を分からせる、と。
──38ヶ月後。
全ての妖刀を回収するため、チヒロは柴と共に三人の妖術師と、奴らが所属している組織「毘灼」を追う。
父が命を懸けて守り抜いた、七本目の妖刀を携えて。
作風
作者の洋画趣味の影響か、エグい描写が非常に多い。主人公が腕を斬り落とされたり、幼い女児が拷問されたり、兄に日々道具による虐待を受ける弟がいたりと、それは多岐にわたる。
とはいえ、基本的には王道の少年漫画であり、仲間と共に死戦を潜り抜け悪を倒し弱者を救う物語となっている。
登場人物
本項では主要人物のみを記載。詳細はカグラバチの登場キャラクターの一覧を参照。
- 六平千鉱(ろくひら チヒロ)
本作の主人公。父・国重の遺作である七本目の妖刀、「淵天」の所有者。奪われた六本の妖刀と「毘灼」の情報を追い求めている。
- 六平国重(ろくひら くにしげ)
チヒロの父。日本一の刀匠であり、妖刀を生み出し斉廷戦争を勝利に導いた英雄。三年前「毘灼」の襲撃に遭って命を落とした。
- 柴登吾(しば とうご)
元神奈備所属の妖術師。国重の古い友人で、チヒロの復讐に力を貸している。
- 漣伯理(さざなみ はくり)
楽座市を取り仕切る妖術師の一族「漣家」の少年。非人道的な祭典である楽座市を終わらせたいと思っている。
用語
- 妖刀(ようとう)
刀匠である六平国重だけが作刀できる刀の総称。込めた玄力を増幅させ、人体では生成・保持できないほど超高密度に練り上げ、特定の形をなした力の塊として放つことができる。
一般的には、斉廷戦争を勝利に導いた妖刀六工(ようとうろっこう)と呼ばれる6本のことを指し、戦後に完成した「淵天」は知られていない。結界に守られた国重の工房の地下に保管されていたが、3年前、「毘灼」によって妖刀六工が奪われた。
名前 | 所有者(命滅契約) | 慚箱 | モチーフ | 備考 |
---|---|---|---|---|
淵天(えんてん) | 六平千鉱 | 金魚 |
| |
勾罪(まがつみ) | 剣聖(通称) | 虫 |
| |
刳雲(くれぐも) | 巳坂→双城厳一→六平千鉱→消滅 | 龍 |
| |
酌揺(くめゆり) | 漆羽洋児 | 国獄温泉 | ??? |
|
飛宗(とびむね) | 座村清市 | 仙沓寺 | 鳥 |
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??? | ??? | 九煙大社 | ??? |
|
??? | ??? | 鮨 すば琉 | ??? |
|
- 雫天石(だてんせき)
妖刀の原料になる特殊な鉱石。戦時中に発見され現在も250kgほどしか確認されていない。込めた玄力を増幅させることができるが、込めた人物にまで高密度の玄力が流れ込み、体を裂いて命を奪う。歴史上でただ一人、六平国重だけが雫天石の力を安定化させることに成功した。
- 命滅契約(めいめつけいやく)
妖刀の作成時、国重によって施された制限機構。妖刀の所有者となれば、命が絶えるまで所有者のみがその妖刀の力を扱えるというもの。命滅契約を結んだ者は代償として本来持っている妖術を失う。3年前、「刳雲」の前所有者である巳坂が殺害されて以降、斉廷戦争で妖刀を握った残りの5人は「神奈備」の保護下にある。
- 慚箱(さんそう)
剣聖を除く妖刀の所有者たちを匿っている施設の総称。「神奈備」の専有地に存在し、主要な戦力のほとんどが慚箱の警備に当てられている。上層部の認可によってのみ立ち入りが許されるいわば要塞。
- 斉廷戦争(せいていせんそう)
18年前、日本を危機に陥れた“敵”との間に起こった戦争。日本中の妖術師が終結しても劣勢が続いてたが、六平国重が生み出した妖刀六工のうち5本が戦況を好転させ、残りの1本である「勾罪」が日本を勝利に導いた。
- 妖術師(ようじゅつし)
玄力を操り様々な術を使う人間の総称。“妖術師は表社会に関与しない”という暗黙の了解があったが、斉廷戦争で活躍したことにより存在が明らかになり、現在は数多の妖術師が白日の下で活動するようになっている。ほとんどが都会で活動しており、東京には千人以上の妖術師がいる。
- 玄力(げんりょく)
全ての人間の中に眠る超自然の生命エネルギー。修練度が上がると身体が強化され、妖術を構築することができる。
- 神奈備(かむなび)
妖術師を雇用している国の組織。国の脅威となるものの排除を目的として戦後に発足した。
- 対刳雲特選部隊(たいくれぐもとくせんぶたい)
双城討伐のために結成された「神奈備」の精鋭部隊であり、全員が薊の直属の部下。「刳雲」の理解を深めた双城に敗れ、隊長と新人を除く4名が殉職した。
- 毘灼(ひしゃく)
4年ほど前から少しずつ動きを見せている詳細不明の妖術師組織。所属する妖術師は手の甲に炎の紋章を刻んでいる。3年前、国重を殺害して妖刀六工を奪った。
- 楽座市(らくざいち)
年に一度開催される、裏社会の要人たちが集まる闇の競売。
- 漣家(さざなみけ)
楽座市を200年に渡り取り仕切っている妖術師の一族。当主は妖術によって形成された、“蔵”(くら)という亜空間の管轄を許されている。
- “濤”(とう)
漣家の妖術師約50人の上澄み4人。当主の警護を主な任務とする親衛隊。
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