概要
主人公・六平千鉱が愛用し、同時に尊敬する父・六平国重の形見でもある。
鍔は波が描かれている。
詳細
かつて斉廷戦争で活躍した妖刀六工とは別に、戦後長い期間をかけて国重が打った七本目の妖刀。
本編の三年前に起きた、毘灼による妖刀強奪と国重殺害の際も、この淵天だけ地下の結界に隠されていた為、毘灼に奪われずに済んだ。
千鉱の主武装として使われており、三年かけて使いこなしており、妖刀の『本領』に至ってはいないものの、戦闘の最中に成長を見せながら、淵天の力を発展させていく。
能力
能力はどれもシンプルであり、一見すると地味にも見えるが、応用しやすく手数も多い為、オールラウンドに立ち回れる。
玄力反応は金魚であり、この金魚の形をした玄力の凝縮体を用いて偵察も可能。
- 「涅(くろ)」
黒い出目金の玄力凝縮体が現れ、斬撃を飛ばせる。
威力と射程距離・範囲に優れ、牽制、迎撃、多人数戦と、様々な局面で使える汎用性の高さが強み。
昼彦との初戦では、周辺一帯を黒く塗り潰す様に展開し、視界を奪った状態で両腕を切り落としている。
- 「涅・千(くろ・ちぎり)」
「涅」の派生技。
小さな黒出目金の群れを作り出し、簡易斬撃の涅を繰り出す。
双城の拠点に乗り込んだ際、心身共に限界が近い状態で編み出した応用技で、一つ一つの威力は通常の涅より劣るが、その分コンパクトな振りで素早い出力を引き出せる。
また、簡易斬撃を纏めて一気に浴びせれば、鉄すら切断する威力と化す。
玄力の消費は激しいが、肉体への負担が少ないのが最大の利点。
- 「猩(あか)」
赤い琉金の玄力凝縮体が現れ、敵の妖術を吸収できる。
防御系の能力だが、吸収した玄力を放出する事で、相手の能力を一時的に使える。
- 「猩・“炎骨”(あか・えんこつ)」
緋雪戦で吸収した“炎骨”の炎を解放した状態。
淵天を起点に腕まで炎に包まれ、漣京羅が持ち出した真打「勾罪」の攻撃に耐える他、「涅」に炎を纏わせ強化可能。
- 「錦(にしき)」
東錦の玄力凝縮体が現れ、玄力を纏わせての身体強化が可能。
一挙手一投足に高密度の玄力を上乗せする事で、常人離れした身体能力を発揮が、その分肉体への負荷は凄まじく、負傷した状態ではリスクがある。
千鉱は玄力の上乗せではなく、動きの補助に回して負荷を緩和させたが、それでも激痛は必至。
並の妖術師では反応できない速度で斬首する事も可能。
余談
- 主人公の武器であるが、現在のところ、何の為に打たれたのかは明かされていない。
- 国重は二度と妖刀が使われない事を願っていたが、秘密裏にこの淵天を遺しており、妖刀が悪用された際の保険として作られた可能性はある。