東武9000系とは、東武鉄道が製造された通勤型車輌。1981年より営業運転を開始している。本項では、9000系のグループに入る9050系についても解説する。
概要
当時東上線は帝都高速度交通営団(現東京メトロ)有楽町線との直通運転が計画されていた。そこで東武鉄道では地下鉄直通の為に9000系を1981年に試作編成を1本製造した。その後、1987年に地下鉄直通開始に伴い量産車6編成用意した。また、1991年に9000系が1本、1994年に9050系が2本、それぞれ増備された。全編成が10両編成で、東上線のみの所属。後継車両である50070系とともに、東上線と有楽町線・副都心線の直通運転列車を主体に使用されている。
メカニズム
車体構造
東武鉄道では初めて軽量ステンレス車体を採用した。
内装
車内内板は天井をミルキーホワイト色、側面をクリーム色キャンパス模様の化粧板を使用して明るくすっきりさせる内装としている。また、座席は第1編成のみ窓の割り付けが8000系に準じており、座席は扉間6人掛け、車端部4人掛けとなっている。第2編成以降は、扉間7人掛け、車端部3人掛けに変更されている。
形式
9000系
1981年に試作車(9101F)が登場。約6年間東武東上線の地上用として使用された。1987年に量産車(9102F〜9107F)登場後、地下鉄乗り入れ開始。その後も、1991年に1編成(9108F)が製造されている。この時、東武では10030系の製造が行われていたため、側面が10030系に準じている。現在も全車が東武東上線(池袋〜小川町)で活躍しており、量産車は地下鉄有楽町線、副都心線でも活躍をしている。また2013年より、東急東横線での営業運転も行われる。
試作車と量産車とに大別され、量産車のうち最後に増備された1編成は外観が異なる。在籍数は9000系・9050系あわせて10編成(100両)ながらバリエーションに富む。
9050系
1994年の有楽町新線(現副都心線)に伴う輸送力増強で製造された。車体は9108Fと同じ車体になっている。また、VVVFインバータ制御になった他、車内は時代の変化に合わせたものとした。現在も全車が9000系量産車と共通に運用されている。
改造工事
副都心線乗り入れ改造工事
2008年に開業した副都心線の乗り入れのため、試作車(9101F)を除く9編成で実施された。
改造工事は以下の通り。
車外
前面ライトのHID化、スカート設置、方向幕のフルカラーLED化、車外スピーカー設置、シングルアームパンタグラフ化。
設備面
ATO設置工事、車内内装の大幅修繕(50000系と同レベルの内装に。9050系は小規模修繕のみ)。試作車は副都心線内に設置されたホームドアの関係で改造はされず、現在は東上線でのみ活躍している。