概要
欧州市場におけるカローラ・ハッチバックの後継モデルとして開発され、日欧の他、オセアニアなどで販売されているハッチバック型の小型乗用車である。現在、イギリスと日本(国内向けの初代は関東自動車工業=現・トヨタ自動車東日本製、2代目はトヨタ自動車高岡工場製)、トルコの各工場で生産されている。カローラからの派生車種にあたり、市場によってはカローラの名称で販売されているが、新MCプラットフォームの導入によってボディサイズが拡大、全幅は 1,760mmとなり、日本では3ナンバー登録となっている。
初代(2006年 - 2012年)
日本では2006年10月23日、同月の10代目カローラの発売に続いてデビューした。「カローラランクス」及び兄弟車「アレックス」を統一する後継車種との位置付けでネッツトヨタ店で販売されるが、カローラ店では販売されない。目標月間販売台数は3000台と発表されている。
2007年2月には、欧州市場でも発売された。先代カローラ・ハッチバックの後継車種であるが、セダン及びステーションワゴンは引き続き「カローラ」の名称で販売されている。一方で、それらのモデルが販売されないイギリス・ドイツ・フランス・イタリアなどにおいては、「カローラ」の車名は消滅した。オーストラリアとオセアニアでは、オーリスがカローラの名称で販売されている。
2009年7月16日、2010年から英国ダービーシャー工場でハイブリッドモデルが生産されることが発表された。これは、トヨタが欧州で生産する最初のハイブリッド車となる。
2009年10月、日本においてマイナーチェンジ。1.8L車はエンジン動弁機構「バルブマチック」を搭載した2ZR-FAE型に変更し、環境性能・燃費性能を向上。1.5L車においても、エンジン・トランスミッション・オルタネーターの制御改良を行い、燃費を向上させた。エクステリアでは、サイドターンランプ付ドアミラーの採用、フロント周りやリアコンビネーションランプ、アルミホイールなどの一部装備のデザインを変更し、スポーティ感を向上。また、ボディカラーも新色4色を追加して大幅に入れ換える。1.8L車にパドルシフトの採用、ステアリングホイールやハンドブレーキレバーの形状変更、左右独立温度コントロールフルオートエアコン(150Xを除く)の標準装備などにより機能性を向上させた。安全面では、後部中央席にヘッドレストを追設し、シートベルトは全席3点化された。新たにバルブマチック付1.8Lエンジンと6速マニュアルトランスミッションを採用した新グレード「RS」を設定。トヨタの量産車で6速MT車が導入されたのは2007年7月のMR-S廃止以来、2年3か月ぶりとなる。180G"S Package"の2WD車は「平成22年度燃費基準+25%」を、「RS」と1.8L・4WD車並びに1.5L車は「平成22年度燃費基準+15%」をそれぞれ達成した。
2010年1月21日、欧州で生産開始予定のオーリスハイブリッドにはトヨタ・プリウスと同じ1.8L2ZR-FXE型エンジンが搭載されることが報道され、同時に市販車のプロトタイプがジュネーブモーターショーで発表されることも報道された。
2代目(2012年 - )
2012年8月20日発表。同日より日本での発売を開始した。欧州仕様車は9月末から開催されるパリモーターショーで正式に初公開される。フロントフェイスはトヨタの新しいデザイン表現である「キーンルック」に、空力や冷却性能に配慮した台形のバンパー開口を強調する「アンダープライオリティ」を組み合わせ、ダイナミックかつ洗練された表情を見せるデザインとした。インテリアでは、インパネやフロントドアトリム上部にソフトパッドを採用した。また、プラットフォームは先代のキャリーオーバーで、ホイールベースをそのままに、全長を30mm長く、全高を55mm低くしたことでボディの低重心化と室内スペースの拡大を実現した。Cd値はCセグメントハッチバックではトップクラスの0.28となっている。
環境性能が強化されており、特に1.5L・2WD車においてはエンジン圧縮比を上げて熱効率を高め、エンジン各部のフリクション低減を行う等燃費性能を高め、「平成27年度燃費基準」を達成。さらに、オプション設定のアイドリングストップ機能「Toyota Stop & Start System」搭載車は更なる燃費向上により、「平成27年度燃費基準+10%」を達成した。また、4WDは1.5Lのみとなった。