概要
2ch風小説の亜種「○○ちゃんねる」系作品のうち、Fateシリーズを題材とするものを指す。
「冬木ちゃんねる」と「戦車男」劇中掲示板の違い
2ちゃんねるを舞台とした「電車男」のパロディとしてTYPE-MOONより公開された、2009年エイプリルフール企画の一つに「戦車男」というパロディが存在することから、「戦車男」が「冬木ちゃんねる」の元ネタの様に紹介されることがあるが、実情は多少異なる。(「戦車男」では『暇をもてあます自称英霊たちの集うスレ「英霊の座」』が舞台となり、他に「錬金術スレ」の存在が確認できるが、「冬木ちゃんねる」でそれらのスレッドが舞台になることは至極稀であるなど)
ただ、発想の元であることは間違いないだろう。
「冬木ちゃんねる」というタグに限って言えば発生はfate/Zeroのアニメ化以降であり、アニメ「TIGER&BUNNY」の「シュテルンちゃんねる」以降隆盛した「○○ちゃんねる」系小説の亜種としての側面が強い。
TYPE-MOON作品には「戦車男」の他に「TMitter」というTwitterパロディ(こちらもエイプリルフールネタ)があり、登場人物たちがネットに書き込みをするネタが複数存在している。
…というのが概要であるが、
以下の項では現在の「冬木ちゃんねる」が抱える問題点や独特の様相について述べる。
本来の原作ファン・原作者ファンへの配慮や、ヘイト対象・最強チート化対象によく挙げられてしまっているキャラクターのファン、伏字に使用された他作品のキャラクター、クロスオーバー先などの外部への事情説明も兼ねて、現状の「冬木ちゃんねる」が抱える問題点や固有名詞の解説を記載する。
※削除の必要があると感じた箇所がある場合は、予告無しの全削除は避け、編集合戦を避けるためにコメント欄などを利用して事前に議論を行うことを提案します。
「冬木ちゃんねる」の現状
現在の冬木ちゃんねるタグ内は、
- オリキャラ転生物(いわゆる異世界トリップ物、TYPE-MOON世界に、その作品の読者が介入するもの)
- オリキャラが原作キャラクターの身内になって活躍・恋愛するもの
- オリキャラが原作キャラクターに成り代わり・憑依・転生して活躍・恋愛するもの
- オリキャラと原作キャラクターの恋愛やハーレム・逆ハーレムシチュエーションを描く夢小説風作品
- オリキャラが主体になる無双・チート・蹂躙 物
- オリキャラやクロスオーバー先のキャラや原作キャラクターが、(作者の否定する)モブや登場人物を上から目線で説教するもの
- 既存キャラにチート、最強、ハーレム・逆ハーレム、多重転生者等の、原作にない過剰な設定を大量に付与する物
- パワーバランス崩壊・世界観無視のクロスオーバー
- 「○○ざまぁwwwww」「○○は土下座しろ」「○○への制裁希望」等の中傷が含まれるタグ遊び
- Fateシリーズのキャラクターを断罪・嘲笑するために作られたキャラヘイト創作
- Fateシリーズの原作者・公式スタッフ、原作ファン、他の冬ちゃん作品の作者などの実在人物を中傷するために作られたヘイト創作
- そもそも作者が2ちゃんねるもFateシリーズもTYPE-MOON作品も虚淵玄作品もよく知らない(上記の箇条書き要素が入った創作物を作るためにFateシリーズと2ch風小説を題材に選んでいる)
- Wikiや二次創作物、プレイ動画等でしかFateシリーズを知らない作者が「原作厨」「型月厨」という存在を作中に登場させ、ソースの無い三次創作設定を「公式」と断言して誤解の流布を行なっている
- これらの行動により、冬木ちゃんねる作者・読者内で、本来公式でない設定が誤解とともに浸透してしまっている
※(上記箇条書き内の「オリキャラ」には2ch風作品でいう「モブ」を含む)
が大半を占めた独自の様相をなしており、Fateシリーズの原作キャラクター主体の作品がすっかり埋もれ、原作準拠な作品を探そうとしても検索が機能しなくなってしまっている。
FateSSについての提案 を見る限りでは、2012年9月時点、冬木ちゃんねるの百科事典の項目が出来てから9か月後には、既にこの傾向はあったようだ。
冬木ちゃんねる用語・伏字解説
転生・・・こちらの項に詳しい。 →転生オリキャラ
一般的な意味ともTYPE-MOON作品で使用される意味とも異なる独自の言葉である。
ヘイト・・・同異義語に「厳しめ」「ざまぁ」「制裁希望」「○○は氏ね」「○○フルボッコ」など。冬木ちゃんねるでのヘイトは、作者が「ヘイト対象」として設定したキャラクターやモブ(原作厨など)に、厨行動や犯罪行為をさせた上で、モブ達が「(ヘイト対象)は酷いことをするな、それに比べて被害者さんは天使」等の反応を返す→最後はヘイト対象に無残な制裁を与えるか、謝罪させる→スレの書き込み数が無事1000まで埋まり、作者による印象的なコメントで締める という流れになるものが多い。
原作厨・・・現在の冬木ちゃんねるは現実世界から転生し、原作の知識を持ったオリキャラが第4次聖杯戦争に巻き込まれる、介入するという形のものが多い。その際の障害となるのが「原作を愛し絶対のものとし、原作にない異分子であり原作の流れを変えようとするオリキャラの行動を阻もうとする存在」=「原作厨」である。ただし、口だけで実際に行動に移すことは少ない。
「原作や原作の物語を愛する人間」をモデルに【実際のその人物ならばまず取らないような架空の下衆行動をさせ、横から非難を浴びせる】という、キャラヘイトの法則に則ったキャラ付けがされており、いわば「原作」と「原作ファンそのもの」をヘイトするために作り上げられた存在と言える。実際、冬木ちゃんねるでの「原作厨」や「原作者」は悪役や噛ませ犬、説教対象や断罪対象として描かれている。「~厨」と付く以上、この言葉が使用された冬ちゃん作品中で「原作(公式作品通りの物語の流れや、公式が発表した通りの設定)」「原作者」「原作のファン」の存在そのものが好意的に描かれた例は、無きに等しい。
冬ちゃん作者がそもそも原作を読んでいない場合、作中に登場する「原作厨」の言動や主張も的外れであり、本当の「原作」であるTYPE-MOON作品内で語られた内容や原作の流れとも大きく乖離しているという不思議な事態に陥る。
原作のファンが自嘲や自虐、謙遜として「原作厨」を自分から名乗る場合とは異なる、独自の言葉である。
乖離厨・・・原作厨に対し、「原作のキャラを愛し、劇中で原作キャラに起こる悲劇を回避しようとする存在」=「乖離厨」である。ただし、こちらも口だけで実際に行動に起こすことは少ない。
凸厨・・・原作厨、乖離厨問わず、聖杯戦争の流れを自分の思うようにしようとして行動に移した存在のことである。主役となるオリキャラとの違いは主人公補正のみ。
原作厨から進化した場合は、よく殺される。
すいーつ()・・・「恋愛脳or恋敵ポジションの女」を指す。
救済・・・キャラクターに「作者の考えたすごいしあわせ」を与えること。なお、原作で語られたそのキャラクターの願望や悲哀や行動原理や信念は無いものとして扱う。
例:「ゴルゴはさっさと心折って爺さん化させよう」「婚約者は黒子より、愛してくれている水銀先生を愛するほうが幸せになれるよ」「雁おじの骨折りを優雅家の人たちとブロッサムちゃんは評価していたわってあげるべき」
救済対象キャラへの救済描写よりも、対向する登場人物や「○○厨」への制裁描写や虐殺描写のほうに、明らかに力が入っている場合も。
※あくまで冬木ちゃんねるタグの付く作品で多く描写される傾向にあるだけで、必ずこういった言動をする者が出てくる訳ではないことを明記しておく。
原作未プレイ・・・ここで言う「原作」は、狭義ではゲーム「Fate/staynight」(あるいは「Fate/staynightRealta nua]」)「Fate/hollow ataraxia」を指す。広義では「Fate/EXTRA」、「Fate/EXTRA-CCC」、小説版「Fate/Zero」、設定集「Fate/complete material」、「Fate/Zero material」を含むこともある。
「原作未プレイ」「にわか」とタグや前書きにある場合、Wikiや二次創作、プレイ動画や違法アップロード動画の知識のみということになる。
FateシリーズおよびTYPE-MOON作品には、原作ゲームを読破しないと詳細を把握できないキャラクターや設定が多く存在しており、Wikiや二次創作物、抜粋動画に目を通しただけで二次創作を行うと往々にして多大な矛盾点が生じるが…?
ころころ・・・「殺害した」の意。一般的に、「殺人」は大変重い意味を持つが、冬木ちゃんねるにおいては「ころころ」というやわらかいひらがな表現で簡単に流されている。
0-10・・・「令呪」の意。余談だが令呪を用いてバーサーカークラスのサーヴァントの狂化を解除できた例は、原作には無い。
まじゅちゅ・・・冬木ちゃんねる独特の方言で、「魔術」の意。原作に触れ、TYPE-MOON世界での「魔術」がどんな重要な位置づけを持つかを知っている作者や原作ファンならば、たとえ匿名掲示板内であってもまず使用しない言葉である。
余事・誤字・・・「第四次聖杯戦争」「第五次聖杯戦争」の意。
荒谷・・・TYPE-MOON作品における「アラヤ」を指していると思われる。本来は世界の安全装置であり、人類の持つ破滅回避の祈りから来る抑止力を指す単語。Fate/staynight凛ルートの重要キーワードであり、Fateシリーズの原作者・奈須きのこ氏の小説「空の境界」でも詳細に説明される原作ファンには馴染みのある単語であるが、冬木ちゃんねるでは何故か、ボコれば済む悪の権化と思われたり、断罪ツールにされたり、果ては地名と思われたりと、散々な扱いを受けている。
蟲倉・・・間桐家が誇る汎用制裁ツール(兼・陵辱ツール)。概ね、「○○厨」や遠坂時臣が犠牲になる。なぜか衛宮切嗣もよく犠牲になる。
ぶっちー(うろぶっちー)・きのこうろぶち・・・Fateシリーズ原作者・奈須きのこ氏とFateシリーズのスピンオフ作品「Fate/Zero」の作者・虚淵玄氏を指していると思われる。「バッドエンド症候群」を自負する虚淵氏とは対照的に、那須氏の作風は「どんな運命を辿った登場人物にも一条の尊い光を与える」「必ず最後に愛が勝つ」という人間賛歌がテーマであり、両作者の違いは小説版Zeroのあとがきにもはっきりと明言されている。
しかし、そういった背景を知らない原作未プレイのpixivユーザーあるいは小説版Zero未読のユーザーによって、那須氏まで「鬱」「絶望」の象徴として虚淵玄氏と一緒くたに扱われ、なぜか全責任を押し付けられることが多い。
ゴルゴ・・・Fateシリーズの登場人物・衛宮切嗣を指す。原作内でも「外道」と呼ばれる場面や、実際に目的遂行のための手段を問わない場面が描かれた人物だが、ヘイト創作が広まるにつれ、本来公式でない設定まで、「諸悪の根源」「断罪されて当然の外道」等の誤解とともに浸透してしまっている。「最低のクズ」という事実歪曲のもとに、Fate/Zero、Fate/staynight作中描写よりも数段下衆な言動を取らされ、殺害されるなどの苛烈な制裁を受ける事が多い。
優雅・・・Fateシリーズの登場人物・遠坂時臣を指す。アニメで省略されてしまった「桜の養子問題」等への誤解が原作未読者の間で広まるにつれ、本来公式でない設定まで、誤解とともに浸透してしまっている。Fate/Zero、Fate/staynight作中描写よりも数段下衆な言動を取らされ、蟲蔵へ突き落とされるなどの苛烈な制裁を受ける事が多い。
おじさん・雁おじ・蟲おじ・・・Fateシリーズの登場人物・間桐雁夜を指す。冬木ちゃんねる内では比較的優遇されやすいキャラクターだが、アニメ版Fate/Zero初期に「少女を助けるために命を賭けた悲劇のヒーロー」のような描写をされ、「雁夜おじさん大人気」とネットニュースで大きく取り上げられたためか、当主雁夜に代表される最強設定やチート設定等が付く場合が多く、本来公式でない設定まで、誤解とともに浸透してしまっている。
かませ先生・水銀先生・・・Fateシリーズの登場人物・ケイネス・エルメロイ・アーチボルトを指す。冬木ちゃんねる内では比較的優遇されやすいキャラクター。
現状の「冬木ちゃんねる」タグを取り巻く問題点
- Fateシリーズの原作キャラクター主体の作品がすっかり埋もれ、原作準拠な冬木ちゃんねる作品を探そうとしても検索が機能しなくなってしまっている。
- 原作未プレイ者・Wiki知識者による三次創作物により、冬木ちゃんねる読者や執筆者の間で本来公式でない設定が誤解とともに浸透してしまっている。
- 冬木ちゃんねる文化を知らない閲覧者から見ると原作ファンへの蔑称に受け取れる「原作厨」という独自の用語。
- Fateシリーズの原作者・スタッフ・ファンはもとより、冬木ちゃんねる作品を偶然目にした閲覧者を不快にさせる「○○ざまぁwwwww」「○○は土下座しろ」「○○への制裁希望」等の中傷・ヘイト要素が含まれるタグ遊びの横行。
- 原作アンチ・キャラアンチ者によるヘイト創作の横行。
- 冬木ちゃんねるで衛宮切嗣に対して「ゴルゴ」という伏字が使われている事により、伏字の由来であるさいとう・たかを氏の作品「ゴルゴ13」のキャラクターを検索するユーザーへの弊害が生じている。冬木ちゃんねる側の事情を知らないユーザーから見ると【TYPE-MOON作品のうち、Fateシリーズの登場人物である衛宮切嗣】ではなく【さいとう・たかを氏の作品「ゴルゴ13」の主人公】が、「ゴルゴざまぁw」等の嘲笑をぶつけられているかのように見えてしまう。
参考リンク
TYPE-MOON2009年エイプリルフール「戦車男」
TYPE-MOON2010年エイプリルフール「TMitter」(時系列順まとめ)
関連タグ
ヘイト創作・・・ FateSSについての提案 などのマナー喚起によって、冬木ちゃんねるタグと併用して使用されているタグ。冬木ちゃんねるに限らずヘイト要素が含まれる作品には、マイナス検索用途を兼ねてタグ付けの徹底をおすすめする。