概要
「かっとばせ!キヨハラくん」の続編で、松井秀喜をモデルとしたマツイヒデキが主人公で、
キヨハラやクワタなど前作のキャラも引き続き登場している。ギャグ漫画ゆえ試合はハチャメチャな
展開が多く、本来は反則とされる行為を平然と行うこともある。前作と比べてマニアックな野球知識が
取り入れられることが少なくなった代わりに、下ネタ・幽霊や宇宙人などの異生物との野球試合などが
多くなった。単行本は全11巻。作品の流れなどは続編の「モリモリッ!ばんちょー!!キヨハラくん」に
引き継がれている。
主な登場人物
東京カイアンツ
マツイヒデキ
当初は容姿以外はまともだったが、次第に明らかに常人とは違う怪物ぶりを発揮するようになった(※1)。
初期は普通にしゃべっていたが、後期はしゃべらなくなり、セリフが一切ないということがザラに
あった。普段は温厚だが、食事の邪魔をされると人格が変わる。ほとんど食べることしか頭に無い。
牛が好物だが、好き嫌いは特にないらしく、イグアナやアナコンダなど普通は食用ではない動物や
食べ物ですらない物まで食べてしまう。味覚が一般人と違うらしい。幼いころから何でも食べてしまう。
顔は非常に頑丈であり、機関銃や爆発すら効かないが、その一方で蚊に刺されると痛がる。
耳たぶ、鼻の皮膚は非常に柔らかい。カメレオンのような舌を持ち、石頭でもある。
敵の戦略を簡単に信じてしまうほどの単純かつ純粋。頭を使うことが非常に苦手で漢字が読めず、
勉強すると頭が爆発し、難しい問題を出しまくると暴走してしまう(※2)。しかし作詞・作曲の
才能はあり、意外に器用だが、歌は音痴(後に周りを感動させるほどの改善っぷりが目立つ)。
股間に衝撃を与えると口から火を吐くという能力を持っているが、次第にその設定は
見られなくなった(というか股間にデッドボールを当てられるという描写がなくなった)。
2002年、FAでニューヨーク・ヨンキースに移籍。モデルは松井秀喜。
クワタマスミ
前作から引き続き登場。キヨハラと同じLP学園(PL学園がモデル)出身の同期だったためか、
よく行動を共にしている。マツイを影で操る騒動の仕掛け人。悪知恵が働く、前作に比べると
チームメイトに嫌がらせをする回数は減り、球団のために尽くすことが多くなっている。
ノムラと共謀して悪事を働くが、ノムラの嫌がらせに巻き込まれたり、また逆にノムラに対して
嫌がらせを行うこともあった。本業の野球よりも金儲けに命を賭けている。「ドクタークワタ」の
名義でいろいろな発明をしたことがある。変装が大好き。変装のバリエーションに関しては様々な
レパートリーを持っており、「浪花のアキンド」の格好を一番気に入っている。
マイペースな性格は前作以上で、どんな状況でも冷静でいられる。イベントでは常に司会業を
やっていることが多い。モデルは桑田真澄。
キヨハラカズヒロ
前作から引き続き登場。通称キヨちゃん。以前は西部の選手。1997年、FAでカイアンツに移籍。
元主人公だが西部時代は影が薄かったが、移籍後は登場回数が増え、メインキャラに復帰した。
同じLP学園の同期・クワタとは腐れ縁。強がっているが、性根はヘタレでビビリ。
喜怒哀楽が激しい大ボケだが、他のキャラクターに比べればまともなため、次第にツッコミ役が
定着していきしっかり者になっている。前作以上に扱いが悪く、悲惨な役割が多くなった。
移籍初日からナガシマに存在を忘れられたり、2000年は開幕2軍だったために、野球選手として
扱ってもらえない時期があった。2001年から打撃が復活。レギュラーに返り咲いた。
清原本人のあだ名は番長だが、作中でやられキャラだったためかそう呼ばれたことはなく、
初めてそのキャラクターが使われたのは2002年の開幕戦であった。しかし、ヘタレなキャラは
相変わらずだったが、最終回でイメージチェンジしたことにより、顔のデザイン、人格が変わり、
関西弁を話すようになった。次回作で主役に再び舞い戻った。モデルは清原和博
ナガシマシゲオ
カイアンツの監督。前作同様、明るくお茶目な能天気キャラだが、クワタが起こす騒動に便乗して
はしゃいだり、駄々をこねて泣きわめいたり等、子供っぽい性格が強調されている。
奇想天外でやることがめちゃくちゃ。物忘れが激しい大ボケ親父(※3)。
選手のエコヒイキがひどく、優勝のために手段を選ばないという黒い一面を持っている。
歳の割に身が軽く、相当な目立ちたがりの派手好き。強欲な一面もある。
永遠のライバルは初期はノムラ監督だったが、後期はオー監督に変わっていた。
ただしノムラに嫌がらせを受け、オーとは顔を合わせる度に喧嘩をしている一方で、両者共に
何だかんだで仲が良いところもある(戦友とも言える)。
2001年に勇退し、後任をハラに譲り一線を退くが、漫画ではその後もたびたび登場していた。
モデルは長嶋茂雄。
ハラタツノリ
自称「永遠の若大将」。この漫画で現役、コーチ、監督を全て経験した唯一の人物。涙もろい性格。
1995年の現役引退(それを記念のストーリーが作られた、 1999年コーチ(※4)、2002年監督に就任。
真面目一辺倒で就任当初は目を輝かせ、張り切っていたが、マツイ・クワタ・キヨハラの三人を始め
ホシノ・ナガシマ・とるしえ・ワタナベオーナー等、他のキャラクターに散々振り回された。
モトキ
カイアンツの内野手。現実同様、後半はキヨハラとのコンビが多くなり登場回数が増え、
準レギュラーに昇格した(しかし、その割には登場人物紹介に登場してないことが多い)。
基本的にやられキャラだが、ちゃっかりした一面もある。他のレギュラーキャラにさりげなく
ツッコミを入れている。キヨハラのことを当初は「キヨハラさん」と呼んでいたが、末期では
「キヨさん」、「番長」と呼び、番長の子分という存在になった。一応、主力選手とされており
ヨシノブと共に雪山へ合宿したことがある。モデルは元木大介。
タカハシヨシノブ
カイアンツの外野手。ケーオー大学出身。新人時代はナガシマ監督のお気に入りで
「タカハシ警備隊」という護衛部隊を彼の周りにつけたほどで、大切に扱われていた。
しかし2年目から、あまりひいきされなくなり、他の選手との扱いが同じになり、
タカハシ警備隊の登場回数も減っていった。2001年ごろは飽きられたのか、ナガシマに
ぞんざいに扱われることが多くなった。途中からタカハシヒサノリが登場したために、
下の名前で呼ばれるようになった。愛称はウルフ(この愛称の名付け親はナガシマ監督)だが、
周囲からは似合わないと言われ、パンダの方が似合っていると言われたことがある(※5)。
モデルは高橋由伸。
ウエハラ
1999年入団した投手。新人で20勝を挙げ、カイアンツのエースになった努力の人。
初登場時は「呪いの金魚」扮するクワタに幻覚を見るほどの執拗ないやがらせを受け、
激ヤセしてしたことがある。左のエース・クドーとコンビでの登場が多かった。
またキヨハラと「ハラハラコンビ」を結成して、隠し芸大会に出ていたことがある。
モデルは上原浩治。
ニシ
カイアンツの内野手。小柄なトップバッター。次第に台詞・出番共に増えていった。
特に大ボケが少ない真面目な性格だが、どこか抜けているところもある。
モデルは仁志敏久。
アベシンノスケ
2001年入団した正捕手。少しボーっとしているところがある。モデルは阿部慎之助。
エトーアキラ
かつては広島カーブの選手だった内野手。。ナガシマがランプの魔人に「エトーが欲しい」と
願いごとをしてから一ヵ月後。カーブから移籍してきた。変な顔。気が小さいらしい。
モデルは江藤智。
クドー
1995年タイエー、2000年カイアンツへ移籍した。元西部の左のエース。
前作の主要人物の一人。以前はキヨハラとコンビを組んでいた。以前よりボケる回数は減り、
ベテランとして風格のあるキャラクターになっている。 ネモトマジックでタイエー移籍以降も、
キヨハラとは関係が続いていたが、キヨハラのセ・リーグ移籍に伴い、コンビ解消となった。
前作とは違い、キヨハラとの絡みはないが、ウエハラとの共演が多くなった。
ピーちゃんという性悪なアヒルをペットとして飼っている。モデルは工藤公康。
オカジマ
1994年入団の投手。1997年頃から活躍したリリーフだが、漫画でのデビューは2001年。
クワタによって消防車と合体したメカキマイラ(もとい火消しサイボーグ)として改造
されたことがある(※6)。その後もモブとして地味に登場している。
シミズ
名モブその1。蟹。モデルは清水隆行。
ニオカ
名モブその2。かなりポケーっとしている。モデルは二岡智宏。
元カイアンツのメンバー
オチアイ
カイアンツの4番打者。性格は前作同様クール。恐妻家で気絶するほど妻が怖い。
1997年、キヨハラの加入で自ら自由契約を申し入れ、日ハムへ移籍した。当初は
ヤグルトのノムラ監督に誘われていたが、金銭的な問題で断った。移籍後、ノムラと組んで
カイアンツに復讐を企んだが、報復を受けるという憂き目にあった。(冒頭でカイアンツへの
恨みをこめた書初めをし、「ホントはちょーベリー憎いっス」と語っていた)
モデルは落合弘満。
ヒロサワ
かつてはヤグルトの選手だったが、はうえると共にカイアンツへ移籍。
気が強い熱血漢だが、騒動ではいつも被害者でタンコブを作っていることが多い。
2000年に板神に移籍。モデルは広澤克実。
コーノ
1996年に日ハムから移籍してきた投手。愛称は原始人のゲンちゃん。
原始人みたいな格好を気に入っており、常日頃からその格好である。
プライベートはいつも遠い山奥(※7)で原始人同様、野性的な生活を送っている。
移籍初年は中継ぎエースになるも、以降年々成績は落ち、2000年解雇され、
ロッテに移籍。同年現役引退。モデルは河野博文。
まるちねす
西部から移籍してきた内野手。体型の割に身は軽く、怪力の持ち主。
マツイと同様に相当な大食い激太りしてしまったことが二度もある。
マツイに教えてもらった腹踊りが得意。2001年退団。
モデルはドミンゴ・マルティネス。
主なライバル選手
ノムラカツヤ監督
当初は強豪ヤグルトの名監督。1999年から弱小板神の監督に就任。通称ノムさん。
カイアンツを心の底から憎んでおり、カイアンツ打倒のためなら手段を選ばない。
毎回嫌がらせを企みカイアンツの邪魔をするが、大抵は自業自得といえるほどひどい目に
遭い、そのたびに反省するが、その後も懲りずにカイアンツを潰そうとする憎めない人。
ぼやきの多い暗い性格だが、強かな一面を持ち、せこい作戦が大好き。女の子に弱い。
同様の趣味を持つクワタと意気投合しており、最早金儲けのパートナー的存在。たびたび組んでは
悪事を働いている。ただし、クワタもノムラの被害に遭ったり、逆にクワタにひどい目に
遭ったりすることもザラにある。ヤグルト監督退任時には話題に触れられていたためか、
重要人物にもかかわらず漫画では何も触れられないまま2001辞任。
その後2002年オールスター戦で久しぶりに再登場。球界復帰を狙い、新球団設立の人材補強に
オールスターの舞台から、数名の選手を誘拐した(※8)。
連載終了と同時期、社会人野球チームの監督に就任し、最終回ではゲストとして登場した(※9)。
ホシノ監督
1996年復帰した中日の熱血監督。2001年勇退後、板神の監督に就任。通称センちゃん。
熱血漢で怒ると怖く、非常に負けず嫌いで豪快。ノムラほどではないが、カイアンツに
負けることが何よりも嫌い。板神時代は前任であるノムラの後を受けて、事実上の悪役になった。
モデルは星野仙一。
オーサダハル監督
元カイアンツの監督。前作に引き続いて登場しているキャラクターの1人。
キャラクターは前作とほぼ変わっていないが、笑顔を見せることが多くなった。
前作同様タコと呼ばれるのを嫌がっているが、一方で積極的にタコ踊りを披露している姿が多い。
モデルは王貞治。
フルタ
ヤグルトの捕手。ノムラ勇退後はヤグルトの顔になった。登場回数は多く、大抵はツッコミ役。
よくマツイやノムラ監督のせいでひどい目に遭うかわいそうな苦労人。
一度だけ悪人として登場したことがあり、ささやき戦法を始め催眠術や手品を使ってカイアンツを
翻弄させたが、マツイにだけ耳にキノコが生えてたため通用せず、股間に生えてたキノコが
フルタの口に入ってしまい、錯乱状態に陥ったことがある。モデルは古田敦也。
イケヤマ
ヤグルトの内野手。前作の主要人物の一人。今作で大ボケは減り、ノムラの悪事につき合わされる
存在になった。ノムラをなだめるシーンが多い。以前はキヨハラとコンビだった。前作同様、
チーム内での相方はヒロサワだが、ヒロサワがカイアンツに移籍した後はフルタに変わり、
一緒にいることが多くなった。モデルは池山隆寛。
ノモ
かつては近鉄の投手だったが、スズキ監督と対立し、1995年、ロサンゼルス・ドシャースへ
移籍して、メジャーリーグのスーパースターになった。渡米後は雌牛に興味を持ち、メス牛で
ハーレムを作り、牛と共同生活を送っている。そのメス牛たちのほとんどはマツイに
食べられている。前作同様、常識人を振り回しているマイペースキャラ。しかしマツイ相手に
よく振り回されてはひどい目に遭わされており、天敵関係にある。モデルは野茂英雄。
いちろう
オラックスの内野手。1994年以降、パ・リーグのスーパースターになった天才バッター。
ポーカーフェイスを気取っているが、性格は意外とお茶目。人を食ったような性格をしているが、
騒動に巻き込まれて被害者になる場合も多く、マツイ相手によくポーカーフェイスを乱されている。
2001年、ポスティングシステムを利用して、シアトル・マルナーズへ移籍した。
モデルはイチロー。
オーギ監督
オラックスの監督で、元近鉄の監督。1994年就任。2001年勇退。
前作を引き続いて登場しているキャラクターの1人。ゴンドーとは険悪なキャラだった。
基本的に常識人だが、茶目っ気のあるノリやすい性格。モデルは今は亡き仰木彬。