概要
この小説は、“もし藤岡弘、が事故に遭わず、仮面ライダーは本郷猛ただひとりだったら”というコンプセントで書かれている。
しかし、小説版ならではのオリジナルの設定や、ショッカーの設定など、原作とは大きく違っているので、「小説版仮面ライダー」という独立した作品となっている。一応、初代ライダーのリメイクではあるが、ナノマシンや、System Masked Ridersなど、平成ライダーで使われるような用語も多々あるので、昭和ライダーを知らない人でも、読みやすくなっている。
経緯
元々、五部作予定で、本郷猛が改造される「誕生1971」から、1975まで構想されていたが、出版社での諸事情により、「希望1972」で一度打ち切りになっていたが、2009年に講談社からエンターブレインに移り、完結編の「流星1973」が書かれ、今までの作品を纏めて収録したのが、「仮面ライダー1971-1973」である。定価は2000円で、ハードカバー並の大きさになっているが、それに見合った読み応えがある。
主な登場人物
・本郷猛(小説版)/【仮面ライダー】
「ただ生きたいと願う魂を守る。自分の使命はそれだけだ」
本作の主人公。かなりの戦闘能力に、頭脳の良さで、改造人間としてトップクラスの強さを誇っており、「流星1973」では、今までの度重なる戦闘から脳が変容を続け、ヒトではなくなっている。さらに、彼を倒せる改造人間はもう存在しないとまで言われている。
・ハヤト/【仮面ライダー】
「未来は、いい世界になってるだろう。……そうだよな」
「単純1971」で登場し、改造人間であるが、改造に失敗していたため、寿命が残り僅かだった。だが、最後は、本郷に【仮面ライダー】の名と、普段から首に巻くお気に入りのマフラーを授け、永遠の眠りについた。原作の一文字隼人に当たる人物。
・【弐番】/滝和也
「大した名前じゃないが……聞きたいなら、教えるよ」
「誕生1971」から登場。原作のようにFBIの人間ではなく、【アンチショッカー同盟】のコマンドになっている。当初は名前が明かされなかったが、「希望1972」の後半で明かされた。「流星1973」では、原作のように相棒のようなやり取りを見せてくれる。因みに著者は元々、【弐番】を滝和也とは考えていなかった。
「……ありがとう、ありがとう、ありがとう」
「希望1972」から登場する。その名の通り、みんなが知るおやじさんである。ただ、緑川グループに関わる人間という設定だったので、原作とは多少の違いがある。「希望1972」の後半で、死を覚悟した本郷を救っている。
・緑川ルリ子
「私は【ショッカー】と戦います」
こちらも、「希望1972」からの登場。かなり聡明な人物であり、【ショッカー】から狙われている事実を受け止め、敢えて【ショッカー】と戦うことを選んでいる。
・楠木美代子
「本郷猛、あなたを愛しています!」
【ショッカー】の腕利きエージェント。
本郷猛を改造人間にするため、拉致の中心的な役割を果たした。人生を変えた仇敵ともいえる。
しかし、「希望1972」の終盤に、【ショッカー】と戦おうと決意したルリ子に心惹かれ、緑川グループに移る。
性格は上記の台詞にもあるように、少しヤンデレ気味である。
・【大使】
「……『素晴らしき哉、人生!』」
【ショッカー】の最高幹部のひとり。
原作の地獄大使に当たる人物であるが、改造人間であるかは不明。
口の中を覗き込めば、「地獄が見える」と揶揄されるほどの「悪意の天才」。
・【大佐】
「走れ、本郷猛」
【ショッカー】日本支部の支部長。「誕生1971」に登場し、最後には改造人間の姿【狼男】に変身し、【仮面ライダー】に倒される。原作におけるゾル大佐に相当する人物。
The present day
エピローグ。
2009年に時代は移るが、そこでも、漆黒の強化服に、飛蝗を模した仮面を着け、赤いマフラーを巻き、腰には【三連タイフーン】を装備して、【サイクロン13】を駆る、あの戦士の姿があった。
おまえは走る。仮面ライダー。その名前と、ともに
関連リンク
関連タグ
Zを継ぐ者 アンクの章(共に平成仮面ライダーノベライズ版の個別項目)