概要
前作『スターオーシャンセカンドストーリー』の約400年後を舞台とした続編。
現状SO作品の時系列において最後尾に位置する為、前作までの話や登場人物は既に「歴史」となっている。
その為、用語の中に過去作品との関わりが多数登場する他、時系列最初期に相当する次回作でも関連するキャラクターが登場する等、世界観への影響が非常に強いのが特徴。
前作のヒットを受け相当の期待のもと発売されたが、
ゲーム冒頭の凶悪なフリーズバグを皮切りに前作以上に多くのバグが搭載されていたことや、
過去作を含めた世界観全体に関わる終盤のストーリー展開への批判が大きく、残念ながら前作ほど売り上げは振るわなかった。
もっとも小攻撃・大攻撃・プロテクトの3すくみを利用した戦闘システムや、様々な人種の登場するキャラクター性自体はシリーズ他作品に何ら遜色ない。
後にバグ修正や追加要素を加えたディレクターズカット版が発売されており、こちらは前述のストーリー要素以外は問題なく楽しめるだろう。
なお、本作は合併前のエニックスから最後に発売されたソフトとなっている。
あらすじ
著名な紋章学者の両親を持つごくふつうの大学生であるフェイトは、
両親や幼馴染のソフィアと共に、休暇を利用してリゾート惑星であるハイダ4号星に来ていた。
リゾートホテル内で付き合いの悪いフェイトに文句をこぼすソフィアをなだめながら、
ソフィアとホテルを回ったりファイトシミュレータのゲームに興じたりして遊ぶフェイト。
しかし突如、ハイダ4号星は謎の武装勢力に襲撃を受け始める。
緊急避難のため輸送艦から緊急ポッドで脱出したフェイトはソフィアとも離れ離れになり、
辺境の未開惑星に不時着してしまうのであった。
登場キャラクター
パーティキャラクター
地球人以外の人種は、「クラウストロ人」、「ベルベイズ人」、「エリクール人」が登場。
クラウストロ人はフェイトを保護・確保するために現れた組織に属する人種で、
エリクール人は主な舞台となるエリクール2号星の住人である。
- フェイト・ラインゴッド - 保志総一朗
- ソフィア・エスティード - 榎本温子
- クリフ・フィッター - 東地宏樹
- マリア・トレイター - 根谷美智子
- スフレ・ロセッティ - 倉田雅世
- ネル・ゼルファー - 浅川悠
- ロジャー・S・ハクスリー - まるたまり
- アルベル・ノックス - 千葉一伸
- ミラージュ・コースト(通常版ではサブキャラクター) - 篠原恵美
- アドレー・ラーズバード(通常版では未登場) - 石塚運昇
エリクールの住人
- ウェルチ・ビンヤード - 半場友恵
- クレア・ラーズバード - 吉住梢
- タイネーブ - 瀧本富士子
- ファリン - 半場友恵
スフィア社関係者
その他
辞書
本作を語る上でもう一つ外す事の出来ない要素がこれ。
これはストーリー上に登場する様々な用語(テキスト上でそれぞれの項目のフォントカラーで表示される言葉)を解説するものだが、唯でさえ専門用語の飛び交う作品なだけあってそのテキスト量も膨大。
キャラクターの詳細なプロフィールやバックボーンは勿論、登場する戦艦から惑星、土地、文化、兵器、資源、SF用語等多岐にわたる。
ただし決して硬派な訳でも無く、サブはおろかメインキャラクターに対しても容赦無いケチやツッコミが入ったり、ストーリー上で無残にも散っていった者達をボロクソに叩きのめしたりとスタッフのやりたい放題な部分が散見される。
問題なのはその内容が余りにも綿密である点。
本編で明かされない様な複線や事実がシナリオ上に全く生かされず、基本的にスルーしがちなこの項目に集約されているのである。
特にあるメインキャラクターの出生に関しては、イベント上で一言も触れられる事無く辞書のみで解明された点に対するユーザーの反感は大きく、上記のストーリー批判をより助長させる形となった。
補足
トライエース作品では初のPS2用ソフトであるだけあって、初めてシナリオ上でフルボイス化が実現された。
この影響は非常に強く、この作品を皮切りに東地宏樹氏の他にも多数の声優陣が同社作品に関わるようになった(と言うより、オファーに偏りが出る傾向になった)。
↓代表例
半場友恵 鈴木千尋 茶風林(左二名はサブキャラクターを複数担当) 藤原啓冶
主題歌
「飛び方を忘れた小さな鳥」 - 歌:MISIA(4th album『KISS IN THE SKY』収録)