ネタバレ注意。
概要
劇場版魔法少女まどか☆マギカ新編叛逆の物語に登場する暁美ほむらの更なる形態。
インキュベーターの実験によってズタボロにされ魔女化したほむらを、鹿目まどか率いる美樹さやか、百江なぎさ(お菓子の魔女)、その他の使い魔ら円環の理勢力と巴マミ、佐倉杏子らによって救われた際、ほむらを円環の理が迎えに来てようやくハッピーエンド……。
かと思われたが、残念! この物語は脚本:虚淵玄でした!
まどかがほむらに手を差し伸べた際、この時を待っていたと言わんばかりに口元を邪悪に歪ませ、まどかの手を引っ張って円環の理の力の一片を奪い取る。
それによって二度目の世界改変が起こり、人間としての鹿目まどかを取り戻し、さらに逃げようとするインキュベーターを魔獣エネルギー採取の奴隷として利用するようになる。
この時、ほむらは自らのバストサイズを無視したようなセクシー衣装に身を包み、自らを「悪魔」と呼称。
「魔」を司る者として、さやか・なぎさの魔女の力を奪い、普通の魔法少女に戻すなどした。
そして円環の力を奪い取った後の世界改変空間で悪魔と自称したほむらに対し「わけがわからないよ」と言うインキュベーターに対し、これらの行為を「愛」と言い放っている。
更にその愛を「これまでの戦いでまどかのために積み重ねてきた想い」と表現しており、あたかもループの中で因果を重ねてきたまどかと、同じ変化がほむらの身にも起きていたかのように発言している。
その後の世界でも普通に見滝原中学に通っているが目つきが悪くなり、口紅を塗るなど悪のセクシーさを醸し出している。
「転校生の帰国子女」である鹿目まどかに対して制する際も周囲のクラスメイトはほむらに一目置いてるなど、お姉様キャラが定着している事が伺える。
その後もさやか・まどかの敵になる事を示唆したり、再会したまどかと触れ合った際に世界がまた揺らぐなど不安定さを見せる。
しかし円環の理に導かれたはずのさやかやなぎさが普通に暮らし、まどかも「海外に行っていた帰国子女」という設定で転校生として普通の人間に戻れ、本作でも小憎たらしさを発揮してたインキュベーターがボロ雑巾のようになるというある意味多くのファンが望んでいた理想の結末を体現しており、実に虚淵玄らしいハッピーエンドかバッドエンドかいまいちわからないエンディングとなる。
ちなみにほむらのソウルジェムは「呪いを超えたおぞましい光」を放つ「ダークオーブ」と化している。
ソウルジェムからダークオーブへと変わったためか指輪はしておらず、左耳に魔法少女状態のジェムに似た宝石を吊るす耳飾をしている。
その真意
ただしよくよく映画を振り返ってみると、彼女の行動は、一概に暴走・闇堕ちとは言いがたいものであることが明らかになってくる。
そもそもほむらは、この行為を行う前に円環の理の記憶を取り戻した本物のまどかから、「友達や家族といった周囲の人々と離れ離れになる事は本当は辛い」という本音を引き出しており、その意思確認をした事がこの叛逆に繋がっているのは間違いない。
またインキュベーターは円環の理をエネルギー搾取の道具として使おうとしており、まどかを利用しようとする彼らに対して魔女化する直前のほむらは正に「悪鬼」のような表情で怒り狂い、魔女結界にやってきたインキュベーターを虐殺している。インキュベーターの企みを考えると、例えあのまま導かれることを選んだとしてもいずれ他の魔法少女をターゲットにして同じ実験をすることで円環の理が解体・破綻させられることは半ば目に見えており、インキュベーターを抑えるためにこうなったのはある意味必然とも言える。
そもそも再改編後の世界においても、まどかに接近していながらも、無理に懐柔することをせず、むしろ「いずれ貴方は私と敵対するかもしれない」とまで言っていた。
おまけに虚淵氏自身、ほむらを「成長した」とパンフレットで言い切っているのである。
虚淵氏は複数のインタビューにおいて、続編の存在を匂わせる発言をしている。一体彼女がいかなる心理の下に、このような凶行に及んだのか、今後の展開が待たれるところである。
関連イラスト
関連タグ
沙耶の唄←純愛というテーマが共通している
戦場ヶ原ひたぎ←中の人繋がり
狡噛慎也←虚淵玄繋がりかつ最終話で今までの仲間との対立フラグ
変態ほむらさん←ある意味これの公式化