曖昧さ回避
概要
シンプルな描線で描かれるこのキャラクターは、氏の描くシュールな4コマの中でも特に記号の脱意味化が顕著になる作品で立ち振る舞い、叙述やツッコミの台詞を述べる。通常のマンガ認識では目と口にあたる描線部が輪郭部内で移動したり外部で活動する特徴があり、登場作品の多くでこの仕掛けが活かされている。
誕生経緯
はっきりとした経緯は明らかではないが、現在確認できる作品では「4コマ漫画 よるめしまえ」における登場がもっとも古い。この作品では珍しくボケにあたる台詞を述べており、「左の子はおみっちゃんって名前にしよう。」という思いつきにも見える作者の記述や現在よりも丸みのある輪郭などから、この時点でまだキャラクター設定が明確に定まっていなかったと推察できる。
外見と生態
猫のような頭部と口元、縦長楕円のから生える一本のまつげが特徴的である。まゆげにあたる線がないため外見だけで感情を読み取るのが困難ではあるが、これは氏の描くほかのキャラクターの多くにも共通している点である。
目と口は位置関係を保ったまま移動する描写が多く見られ、顔上部や隅に避ける、外部に飛び出して状況を眺めるなどの行動をする。食事や食べるという行為が主題となった作品が多いのも特徴的であり、「おなかいてぇー・・・」と述べる作品もあることから単に生首的な存在ではなく基本的には普通の生き物と同じ概念で捉えられていると推測できる。
台詞は短めでぶっきらぼうな話し方であるが、方言のような訛りがある場面も見られる。なげやりでシンプルなツッコミの台詞が多く見られるが、感嘆符がほとんど使われないので緊迫した印象を与えない。
他のキャラクターとの関連
外見や性質の似たキャラクターとしては『こみっちゃん』があるが、こちらは登場作品が少なく関係性も明らかになっていない。
『法事のときにしか家に帰らないマン』とは同じ作品で関わることもあり、顔部分が分離するという特徴も似ているが、こちらは台詞をしゃべらないので作品での役割が異なってくる。同様に顔部分が分離するキャラクターとは、混ざり合うこともできる描写があり作品のシュールさを際立たせる要因のひとつとなっている。
母らしき関係性のあるキャラクターが存在するが、台詞と斜線だけのシンプルな描写となっていて詳細な生態を見ることが難しくなっている。