ごく普通の高校生・小紅の16歳の誕生日に、何の前触れもなくやってきた少年・白夜とその妹・真白。無口な兄に代わって真白が言うには、彼と小紅は祖父の代で決められた許婚同士。一切の心当たりがない小紅は、突然始まった未来の旦那と小姑との同居生活に振り回される……というのが物語の始まり。
幼少期に会ったことはあるのだが、とある事情で小紅のほうは覚えておらず、おまけに許婚の話も小紅だけが聞かされていなかったため、双方の気持ちの温度差は推して知るべしという状態だった。
優秀な母や姉を見ながら育ち、自分は普通のことしかできないと感じていた小紅にとって、白夜は家族以外で自分を猫かわいがりするはじめての相手であり、無条件の愛情にも戸惑うばかり。二人とも器用ではないため、距離の縮め方はゆっくりだが着実。
二人でいれば互いにかわいい部分を引き出し合うという、男女CP好きにはたいへんおいしいカップリング。ほのぼのカップルが好きなら一見の価値あり。しかし小紅を溺愛する姉・紅緒にとっては面白くもなんともない。