概要
美術において模写(Reproduce)は、他者の作品を忠実に再現し、あるいはその作風を写し取ることで、その作者の意図を体感し理解する為の手段であり方法である。ただ単に、他者の作品をそっくりに複製する(Copy)手法は、「転写」であり「模写」ではないとされている。
日本画においては、古くから修行や絵画の精神性や洋式や技法の伝達などを目的に「模写」が行われている。また、現在では絵画の保存を目的とした「模写」も行われており、原画が失われても「模写」が現存することで絵画の内容が伝わっている例もある。
「模写」は、「上げ写し」や「敷き写し」などの技法によって原資料から図像を写し取り、色見本を作成した上で彩色・裏彩色を施して制作される。