解説
アクロバンチは「魔境伝説アクロバンチ」の主役機のスーパーロボット。
戦闘だけではなく蘭堂一家の謎の大秘宝クワスチカの探索の旅での家(ねぐら兼砦)としても使われた。また武装は本来は遺跡調査時に障害を除去するための物だった。人の手を模したマニュピレータは親指のみ角形、残り四本の指は丸型と云う変則形状となっている。但し初期設定では全ての指が角形になっていた。又設定資料には親指以外の四指は先端一部(フィンガービーム部)のみ丸型となっていてそこから下は角形となっていた。
翼の色は第01話~第12話、第14話、第15話では白色、第13話(製作話数及び海外放送話数では16話)、第16話~第24話(最終回)では本放送当時、ポプラから発売されていた合金玩具&アオシマミニ合体マシンと同じ紅色である。
合体・分離バンクの原画は越智一裕が担当した。
公称では全長15.2m、重量50.0t。但し、実際は設定された資料内の対比や本編中の比率等から全長39m(翼端除く)乃至はそれ以上である事が判明している。従って、実際の空虚総質量は単純にこの比例計算通りとは行かない(後述のバンチャー・マシン各機も然り)。
機内の居住空間は8畳二階建てで一階は寝室(但し初期設定ではファルコン両側スポンソン(アクロバンチ両脇)が多段ベッドルームになっていた。)、二階はリビング兼ダイニング兼作戦室の万能ルームである。コクピット周囲は原子磁石で囲まれ、人工重力を生み出している為に、機体がどの体勢になっても内部でその影響を受けない構造になっている。
尚、メインセンサコントローラ(M.S.C)は日本製らしく、JISマークが付いている。
バンチャーマシン(分離状態)
ファルコン・バンチャー
公称では全長11.29m、高さ2.58m、幅7.52m、重量18t、出力50,000馬力。
蘭堂タツヤと蘭堂ジュンが操縦する重戦闘機(ソーサ)型メカ。アクロバンチの頭、胴体(もも以上)、翼となる。サポートにミニ・テクノ・ロボのR・CとD・Bが就いている。
バンチャー・ホーネット
公称では、全長7.41m、高さ2.25m、幅3.00m、重量11t、出力20,000馬力。
蘭堂ヒロと蘭堂リョウがそれぞれ操縦する2台のスーパーカー型マシン。アクロバンチの足(ふくらはぎ以下)となる。リョウの乗る左脚("B.L.L")はΛ型、ヒロの乗る右脚("A.R.L")はΣ型である。2機の区別は外見上では殆ど不明であるが、キャノピーの開閉機構が異なる(Σ型は後縁蝶番、Λ型は前縁蝶番)。設定上は各種の探査機器をアタッチメントに持つ事になっているが詳細は不明。
バンチャー・アロー
公称では、全長8.30m、高さ3.60m、幅2.40m、重量5t、出力5,000馬力。
蘭堂ミキと蘭堂レイカが操縦それぞれ操縦する2台のスーパーバイク型マシン。アクロバンチの腕となる。レイカの乗る右腕("Y.R.A")はタキオン型、ミキの乗る左腕("X.L.A")はハーレー型である。2機の区別は外見上からは殆ど不明だが、コクピット内操縦桿が、ハーレー型はアメリカンバイク仕様、タキオン型はセパハン仕様である。コクピットが剥き出しの場合に危険な水中等の為にキャノピーカプセルも装備されているが、前半では余り用いられなかった(後半は略毎回の如く使用された)。各種のアタッチメントを機体前部に装備可能で、基本形態の単発ホバーも又アタッチメントの一つである。尚当初の基本アタッチメントは前輪が予定されていた。
武装
バンチャードリル
アトミックアンカー(ワイヤー有り)
アタックアンカー(ワイヤー無し。終盤登場の量産型の装備。)
ウイングカッター(主翼木口の片側5個の穴はこの為のバーニアスラスタである。)
ウイングサーベル
フィンガービーム
イオンビーム砲・セラービーム
ランチャーカノン(スケルトンストック/ドラムマガジン装備の機関銃型)
バンチャーカノン(ハンドガン型。但し初期のアイテムでは上記名称であったものがある。)
炎の聖剣エクスキサーチ
バンチャーカッター(元は現行のアローの前部推進装置の形状をした斬撃武装。実際は20話で掘削に用いられたロードカッター風のものの名称。)
又、バンチャーマシンとしての武装では、ファルコンは機首にビームや水中煙幕弾、翼付け根にマイクロミサイルポッドブロックがあり、アローは機首に、ホーネットは機首前部吸気口やエンジン吸気部に偽装されたビーム砲がそれぞれ確認されている。
補足
命名由来はアクロバット+パンチ+米国映画『THE WILD BUNCH』より。初期設定ではアクロバンチには形式名称として"テクノロボ"、各マシンとしての形式名称としては"テクノ・ライダー・マシン"が与えられていた。
バンチャーマシン中、アローとホーネットの形式名称の由来はアローがバイク関係(ハーレーダビッドソンと高田エンジニアリング(セパハンの会社として有名)Tachyonレーベル)、ホーネットが三菱自動車の一車種(ギャランΣ、ギャランΛ)より。
又(初期予定設定では旅の途中で有能な操縦士を雇用して発掘調査に参加させる計画だった為に)当初はジュン一人を連れて行く筈だった事が判明している。
余談
本編中表現より、実際の寸法は上記の39m以上である事が第1話からも明らかとなっている。設定上の人員配置を元に比率を算出すると、公称1/72が実際は1/150若しくはそれよりも分母が更に大きい事が判っている。特に本編内の万能ルームがあれで8畳である事を鑑みると実際は更に分母が大きい事が十分予測出来る。この事から、アオシマアニメスケールのキットは公称1/144が実は1/300クラス、更にクリアメカ等を持つ1/100に至っては1/208.3333(循環少数)〜以上である事が判っている。故に、上記公称の設定寸法や総乾燥質量等も実際の数値とは大きく異なる事も判明している。実際は更に大きく、実際の全高は40m以上となる事も十分想定可能である。
デザインは元来、『銀河烈風バクシンガー』に登場するシンクロンシステムの新主役マシンとして発注されたものであり、バンチャー・アローにはその名残があり、又これが寸法齟齬の最大の原因となっている。尚、アローの前部アタッチメントにはプラキットにある三発ホバーの他、初期設定上はシンクロン設定の名残の前輪、又その他に廉価版アイテムの車の付いた拳や立体化されなかった二顎のマジックハンド型が設定されていた。
第3回キャラクターアート展に於いて、メカデザインを担当した樋口雄一の新作として、アクロバンチの新作絵画が公開された。
プラモデル化
放送当時に、アオシマこと青島文化教材社からプラモデル化された(現在は全て絶版)。このキットのパッケージアートには、クローバー社のエンブレムが添付されているものがあり、本商品がクローバー社の版権商品である事を明確にしている。
アニメスケール
主役ロボなだけあり、1/144サイズおよび、1/100サイズ、1/72サイズが発売されていた。
1/144サイズおおび1/100サイズは、いわゆるガンプラの同スケールと同じ大きさであり、実際の縮尺は正確ではない。
変形・合体はオミットされている。ディラノス同様、1/100サイズはクリアバージョン(外装パーツにクリアプラを用いる事で、内部メカが透けている状態に選択して組める)も発売された。
1/72サイズは、ファルコン・バンチャー、およびバンチャー・アロー、バンチャー・ホーネットがそれぞれバラで発売され、合体前のマシンとして組む事が可能。
これらは差し替えパーツが多いものの、変形させてアクロバンチに合体させる事が可能である(ただしバンチャー・アローとホーネットは、バラでは一機ずつしか販売してないので、合体させるには、それぞれキットを二個購入する必要がある。つまり、ファルコン×1、アロー×2、ホーネット×2で、計五個のキットを購入せねばならなかった)。但しその五つがセットになり、一つ買えばアクロバンチヘ直ぐ合体可能なセット版も(同じ合計金額になるが)、きちんと発売されている(パッケージアートもアクロバンチメインで描かれている)。
ミニ合体シリーズ
また、ミニ合体シリーズでも、No53~56の通しナンバーで発売された。
- No53・ファット・バンチャー:アクロバンチの頭部が入ったカプセルに、マニピュレーターの腕とキャタピラの足がついたロボットのようなマシン。カプセル前面にはクリアパーツで窓のようになっており、内部のアクロバンチの頭部が見える。実はアクロバンチ頭部を格納しているこのロボットはミニ・テクノ・ロボットの"(ファット)D.B."そのものの立体化である。
- No54・ファルコン・バンチャー:
- No55・バンチャー・アロー:
- No56・バンチャー・ホーネット:
これらはアニメスケールとほぼ同じ形状である。
また、バンチャー・アローとホーネットは一箱に二機がセットになって入っているため、複数購入する必要はない。
合体ロボット
青島文化教材社の"合体"商標を商品名に持つこのシリーズでは、バンチャー・マシン各一機づつがセットになった"魔神合体"、アクロバンチ単体とバンチャー・カノン及びエクスキサーチがセットの"合体戦士"、この二種を同梱した"合体ロボット"の三種があり、本編で使用された、バンチャー・アローの前部アタッチメントの単発ホバーはこれでのみ立体化されている(但し一機分しか入っていない)。尚寸法比率は明記されていないが、このシリーズは各アニメスケールバンチャー・マシン(&アクロバンチ)公称1/72スケールのものと同一寸法である。従って、アニメスケールアクロバンチの腕(バンチャー・アロー)だけ合体ロボットシリーズと交換可能な互換性がある。