アフォーダンスは、動物(有機体)に対する「刺激」という従来の知覚心理学の概念とは異なり、環境に実在する動物(有機体)がその生活する環境を探索することによって獲得することができる意味/価値であると定義される。
アフォーダンスの概念の起源はゲシュタルト心理学者クルト・コフカの要求特性(demand character)の概念、あるいは同じゲシュタルト心理学者クルト・レヴィンの誘発特性(invitation character)ないし誘発性(valence)の概念にあるとギブソンは自ら述べている。
デザインにおけるアフォーダンス
1988年、ドナルド・ノーマンはデザインの認知心理学的研究の中で、モノに備わった、ヒトが知覚できる「行為の可能性」という意味でアフォーダンスを用いた。この文脈によるアフォーダンスという語義が、ユーザーインタフェースやデザインの領域において使われるようになった。
アフォーダンスは、物をどう取り扱ったらよいかについての強い手がかりを示してくれる。例えば、ドアノブがなく平らな金属片が付いたドアは、その金属片を押せばよいことを示している。逆に、引き手のついたタンスは、引けばよいことを示している。これらは、体験に基づいて説明なしで取り扱うことができる。