概要
物語の主人公。種族は冥王蠍→魔人族。一人称は「私」。
調教師ゲオルグの最高傑作の闘獣にして合成獣専門家の天才オルヴォから造り出された原初の魔人。
その正体は使命を与えられた転生者。
前世で愛する者を殺され、復讐を成し遂げた殺人鬼。享年25歳。
オルヴォ製魔人の「象徴」とも言える存在で、長として仲間達を守りながら導いていく。
現時点で魔人族の中で最強の存在。
解放編まで名前がなく「ボス」「アニキ」「隊長」「サソリくん」等、呼ばれ方は様々。
最新章での年齢は推定8~9歳。一児の父親。
経歴
現世では復讐の鬼と化し、処刑された後「100年生き残る」使命を与えられ異世界に転生。
前世の記憶がない状態でハーレシア王国ハイデッガー侯爵家の闘獣として再誕する。
生後間もなくして魂を隷属させられ、調教師ゲオルグにより拷問と言える訓練を施される。闘獣会の新人戦で岩竜を下し優勝。二年後に第一王子一派が起こしたクーデターで粛清対象となった侯爵家が正義教会の聖騎士団の襲撃に遭い、恩義ある奴隷の少女までも殺される。
復讐心から聖騎士団を壊滅させ、知らずの内に一派に大打撃を与えた。しかし疲弊したところをオルヴォに捕獲され、レカ族のヤロと合成し「冥王蠍の魔人」として生まれ変わる。
帝国の贖罪兵達で結成された魔人部隊と共闘し、交流を深めるが帝国と共謀したカレルヴォの手によりオルヴォは殺され、魔人生産の研究資料と共に自分を含む隷属権が帝国に渡ってしまう。
オルヴォ製魔人部隊と共に特殊作戦部隊に配属となり、長として仲間と協力しながら過酷な戦地で生き抜く為に戦い続ける。
洋上戦艦攻略戦でマルケルスとアサミを庇い、海帝鯨に呑み込まれてラキス島へ上陸。幽体となったオルヴォと秘密結社の創始者アイワスと対談し、晴れて戦奴から解放されて自由の身となる。そして仲間と安住の地を作るべく、アイワスの支援を受け内乱が勃発した帝都へ帰還。仲間を隷属から解放後、発狂するカレルヴォ製魔人を抑えるべく原因を突き止めるが結果的に帝都の全隷属を解除し更に混乱に陥れてしまう。ラルマーンの暗躍で異形の魔人と化したカレルヴォを討伐した後、双方の皇子一派の妨害に遭うも無事に帝都を脱出した。
傭兵団と偽り、南大陸へ向かう道中でハーレシア王国での縁者と再会し、自国までの護衛の任を承諾。ガラル王国でヤロの遺児キリクと出会い、一時的な弟子とし、同時にラウェル家の依頼で夜会の警護依頼を受ける。難民に財政と治安に悩む王国上層部と一部の難民グループの暗躍に巻き込まれ、暴動勃発後はキリクを含んだ戦災孤児の生き残りを引き取った。
ハーレシア王国到着後は剣の特徴で正体を気づかれてしまい、魔人の力を欲したカール国王の直属の勧誘を受ける。家臣達の横やりにより、支援を条件にヘルツフェルト家監督下に置かれ、御前試合の褒美に子供の赤竜を得た。
能力+性格
能力
霊術適正は火・風・土。主に砂の霊術を扱う。
付与効果を持つ双剣を使う。魔力量は単体合成された魔人族の中で最上位。
体力・魔力も自動的に回復する。
性格
理性的で基本的に感情起伏は控えめ。
特殊な経緯で魔人となったので、子供時代を送ってはいないが前世の影響で人格は歪んではいない。
出自が蠍である為かヒト種の感情にやや疎く、美意識も鈍い。使命故に己の命に強い執着心を持つ。味覚が甘味しか感じる事ができず、ドライフルーツが好物の甘党。酒に極端に弱い下戸。
前世の頃からストイックな人物で執念深い性質の持ち主。戦闘面では非常に狡猾で残酷。
仲間以外に関心はなく、ややドライ。己と似た境遇を持つ生物にはある程度の慈悲を持ち合わせている。
キリクとの出会いを機に父性愛に目覚め、複雑な立場ながら愛情を注いでいる。
容姿
冥王蠍
同種よりも巨体で、漆黒の鎧を纏っている。
魔人形態
手足を黒い鎧で覆、長い尻尾が生えている。目の数はレカ族の三眼に複眼七個。頬は蠍の口そのもので鋏が収納されている。
他のオルヴォ製の魔人達と比べると二つの形態には蠍の名残があり、下記の通りヒト型形態とあまり大差がない。
(オルヴォが実験段階で容姿に手を加えるのを忘れていた為)
ヒト型形態
短く切り揃えた黒髪に加えて魔人形態と同じ長い尻尾を持ち、目の数はレカ族の三眼に複眼七個。頬は蠍の口そのもので鋏が収納されている。
旅路編ではリンネの幻術によりフル族の男性に化けており、エンゾ大陸では珍しい褐色肌に鋭い赤眼の青年となっている。背丈は平均寄り上。ただし口元は蠍のままで仮面で隠している。
「良い男」と称されるので顔立ちは端正な模様。