概要
「小説家になろう」で連載しているweb小説。
作者は「毛熊」氏。「悪役希望の骸骨魔術師」でデビュー済。2021年05月01日から連載を開始。四日に一度更新。
現代で人間だった主人公が異世界で蠍に転生する人外転生作品。
ただし、現世での記憶は継続せず「人間の理性と知能を引き継いだ魔獣」として生を受けて物語は進行する。
舞台は魔法とSFが合体したような世界観になっている。
ちなみに主人公の名前はなく、確定したのは連載開始して一年後。物語では6年後になる。しかも魔人戦争編(生誕2年~6年目の間)まで話せない。
内容はシリアスで「俺TUEEE」「チート」「ハーレム」「寝取り」は含まれていない。
15禁。分類はダークファンタジー。
物語は闘獣編→戦奴編→魔人戦争編→解放編→旅路編の流れとなる。
ストーリー
ある世界で殺された恋人の為に復讐を成し遂げた男がいた。
その男は絞首刑に処され、気づけば荒野にいた。拾ったタブレット端末に表示されたのはアンケート。答えた男に返された判決は地獄行き。
そして課される罰は『百年生き残ること』。
「WELCOME TO HELL!!」
機械音と共に、男がいた世界は崩れていく。
次に目が覚めたとき、男は生まれ変わっていた。
「冥王蠍」という死ぬまで戦う事を義務付けられた闘獣として。
前世の記憶を失い、人の理性と狡猾な蠍の性を持ち合わせた男は理不尽で残酷な世界の中で戦い続ける。
己に課せられた使命を果たす為に。
キャラクター
主人公と関係者達
物語の主人公で解放編まで名前はない。種族は冥王蠍→魔人族。一人称は私。
現世では復讐の鬼と化し、処刑された後「100年生き残る」使命を与えられ異世界に転生。前世の記憶がない状態でハーレシア王国ハイデッガー侯爵家の闘獣として再誕する。
- ミカ
オルヴォの従者。フル族→魔人族。
影の神の信者で恩寵は限定的な読唇術。孤児出身で元は暗殺者。所属していた組織が壊滅し、最初の主に拾われた。
主亡き後、その子であるオルヴォとカレルヴォに仕えていたがカレルヴォにオルヴォを殺された挙句裏切られ、オルヴォ製「四翼蝙蝠の魔人」にされてしまい魔人部隊に配属される。
自暴自棄になっていたが主人公に命を救われてからは光として見い出し、仕えるようになる。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となり、三度も主人を失ったショックで消沈していたがリンネの支えで少しずつ持ち直した。内乱の中で主人公が帰還し、隷属から解放される。
旅路中にリンネとは内縁関係に進展した。
教養と暗殺術を持ち、魔人達の教師として教えている。料理も得意で炊飯も担当。
探索に特化しており、聴覚は魔人部隊の中でトップ。誰に対しても礼儀正しく物腰落ち着いた紳士で、抜け目のない性格をしている。
隻眼で灰色髪を持つ中年の男性。魔人形態は頭頂部に耳が伸び、牙が鋭くなる。背には四つの羽の無い翼が生える。
- ティガル
贖罪兵部隊「ルガル隊」の長。亡国の王侯貴族の末裔。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「天雷虎の魔人」。魔人部隊が結成されてからは主人公をボスと認めて配下に加わった。息子のレオに対しては心配性気味。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。カレルヴォ討伐に同行し、疲弊した主人公に代わり息の根を止めた。
性格は豪放磊落。雷の霊術をこなす大剣使い。前線指揮官タイプ。
金髪で鋭い目つきの大柄な青年。魔人形態は頭部と腕が虎になる。
- シャル
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「魔獣(名称不明)の魔人」。ティガルの妻。
お淑やかで芯が強い女性。勘が鋭く、聡明な賢夫人。周りと比べると実力は劣るものの、複数の属性を操る優れた霊術士でもある。四年後には娘リースを出産。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。
黒髪黒眼の美女。
- レオ
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「輝獅子の魔人」。ティガルとシャルの息子。主人公を「アニキ」と呼んで慕っている。子供達の中ではリーダーを務めている。
魔人部隊に配属されてからは年少組と待機していたが、四年後には戦場に参加している。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。旅路中には盗賊に襲われていたリーゼロッテ一行を助け、偶然にもアンタレスとクリスが再会する切っ掛けを作る。ガラル王国では護衛任務の都合で貴族の作法を学んだ。
火と光の霊術を操る大剣使い。明るく思慮深い性格。魔人族の中でも特に魔獣との相性が良いらしい。
父親譲りの金髪と母親と同じ瞳を持つ美少年。
- リース
「ルガル隊」の一人。魔人族。
ティガルのシャルの娘。両親が人工的に魔人にされた四年後に誕生した。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。
とても大人しい性格。魔人形態は不明。特徴的な鳴き方から猫系と思われる。
- ゴーラ
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「大牙猿の魔人」。ティガルを「お頭」と呼んでいる。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。カレルヴォ討伐に同行するものの妻が重傷を負い、戦線を離脱した。
旅路でようやく子宝に恵まれ、妻に過保護気味になっている。
魔人部隊の中ではトップの腕力の持ち主。温厚な性格で口調は下っ端風。武器は戦斧。
筋肉粒々の禿げ頭をした巨漢。魔人形態は頭部が猿になる。
- ファル
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「嵐鷹の魔人」。ゴーラの妻。弓、剣を扱う風の霊術士。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。カレルヴォ討伐に同行するものの重傷を負い、夫と共に戦線を離脱した。
長らく子宝に恵まれなかったが、旅路でようやく授かった。
面倒見が良くしっかり者な性格。
白髪で小柄な体型の女性。魔人形態は翼が生える。
- リナルド
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「焔蜥蜴の魔人」。炎と熱の霊術士で武器は槍。トゥルに惚れており、カルネラ港奪還作戦前に求愛。四年後には息子ロクム儲ける。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で重傷を負い窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。
好戦的な性格で魔人となったときは嘆くどころか自己強化に喜んでいた程。意外と根性がない。
長い黒髪を一つに結った男性。一部からは「リナ坊」と呼ばれている。魔人形態は頭部が蜥蜴になり、尻尾が生える。
- トゥル
「ルガル隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「雪熊の魔人」。ファルの妹。氷の霊術士で武器は剣と盾。
カルネラ港奪還作戦前にリナルドの求愛を受けて妻となり、四年後には息子ロクムを儲ける。洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。
鈍感でマイペースな性格。間延びした喋り方をする。脳筋。
姉と同じく白髪で男性と並ぶ長身の美女。魔人形態は腕が熊になる。
- ロクム
「ルガル隊」の一人。魔人族。
リナルドとトゥルの息子。両親が人工的に魔人にされた四年後に誕生した。
父親に似てとても活発。尻尾がお気に入り。トゥルからは「ローくん」と呼ばれている。
母親譲りの白髪と剛力を持つ。魔人形態は蜥蜴系。
- ザルド
贖罪兵部隊「カダハ隊」の長。亡国の王侯貴族の末裔。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「斬妖狼の魔人」。魔人部隊が結成されてからは主人公をボスと認めて配下に加わった。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。旅路では美貌のせいで街を歩く度に目立つようになり、本人に自覚はない。
性格は冷静沈着。非常に聡明で魔人部隊の中でも勉学に関心を示し、ミカから熱心に学んでいる。船酔いが激しい。風の霊術を操り、武器は細剣。守衛指揮官タイプ。
銀髪碧眼で女性のような美貌を持つ青年。ティガルと同年代。
- ソフィー
「カハダ隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「宝晶蛇の魔人」。ザルドの右腕的な存在で、彼にやや偏った思慕を寄せる。
優秀な頭脳の持ち主。合成された魔獣に対して、不服としている。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。
長髪の美女。魔人形態は下半身が蛇となる。合成された魔獣の影響で土の中では平気。
- リンネ
「カダハ隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「幻夢羊の魔人」。攻撃力は低いが巧みな幻術と支援術を得意とする霊術士。作中では数少ない杖の使い手。
初めて人扱いしてくれたミカに惹かれ、潜入作戦後で自主的に参加。以降は彼に明確な好意を寄せる。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、消沈するミカを献身的に支えた。内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。旅路ではアンタレスにフル族に見える幻術をかけている。ミカとは内縁に進展しており、基本的に彼の側にいる。
物静かな性格で浮世離れした雰囲気を持つ美女。
- ラピ
「カダハ隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「兎系 (魔獣)の魔人」。子供達の中では最年少。両親を早くに亡くしており、主人公を父又は兄のように強く慕っている。
年少組の中では天才的な格闘術の使い手。ただし霊術は苦手で教えるのにも向いていない。
カレルヴォ製の魔人達に暴行されてからは訓練を始め、四年後には戦場に参加。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、放心状態になるもののポピ族の生存報告で気力を取り戻し、信じて待ち続けた。内乱の中で窮地に陥るが、主人公が帰還し隷属から解放される。ガラル王国では護衛任務の都合で貴族の作法を学んだ。
常にアハトの髪飾りを身に着けており、連絡役も担っている。
ふわふわな茶髪の美少女。感情起伏は乏しいが人懐っこい。魔人形態は頭部に長い耳が生え、全体的に毛量が増える。
- ケルフ
「カダハ隊」の一人。フル族→魔人族。
オルヴォ製の「百角鹿の魔人」。年少組の一人でレオに次ぐ年長。母親を早くに亡くし、父親は生存している。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。おっとりした性格。
四年後には戦場に参加している。槍術が得意。
- ユリウス
新入りの一人。フル族→魔人族。
ラルマーンによって造られたオルヴォ製の「犬の魔人」。元は孤児でアリエルや実験により死亡した子供達を率いて貧困街を生きていた。
一時期、現実を受け止められず魔人部隊に反感を抱いていたがレオの説得を受けて馴染んでいった。洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。ラピが苦手。貴族に強い嫌悪感を持つ。
喧嘩っ早いが根は素直。主人公と同じく二刀流の使い手。
- アリエル
新入りの一人。フル族→魔人族。
ラルマーンによって造られたオルヴォ製の「蜂の魔人」。元は孤児でユリウスが率いるグループに所属していた。賢く気配り上手で、感情的なユリウスのフォロー役。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中で窮地に陥るが主人公が帰還し隷属から解放される。
飛行能力に加えて風の霊術に秀でており、新人三人の中で最も優れた才能を持つ。魔人形態は背中に羽が生える。銀髪の美少女。
- ボルツ
新入りの一人。フル族→魔人族。
ラルマーンによって造られたオルヴォ製の「豚の魔人」。元は豪商の富裕層出身で家が没落後に魔人にされた。
過去の感覚が抜けず、戦奴の魔人達を見下している。特に元は虫でありながらトップに君臨するアンタレスには強い敵意を抱く。隷属から解放された後はガラル王国で元社員と密通し、返り咲く為に何かしら企んでいる模様。
商人の家系であったので目利きはあり、鋭い嗅覚で美食を見つける特技がある。同じ新人の二人と異なって戦闘の才能は乏しい。
気弱で性根は傲慢。ぽっちゃり体型。
- アパオ
ヒト種の魂を持たないオルヴォ製の「牛の魔人」。
獣形態と魔人形態を持つ。牛と大差なく、普段はシユウと共に荷車を引いている。作中の癒し。
四年後は言葉を習得し、参戦している。ただし精神年齢は幼児並み。
- シユウ
ヒト種の魂を持たないオルヴァ製の「馬の魔人」。
獣形態と魔人形態を持つ。馬と大差なく、普段はアパオと共に荷車を引いている。作中の癒し。
四年後は言葉を習得し、参戦している。ただし精神年齢は幼児並み。
- アハト
八人兄弟の末子。種族は輝晶生命体。
アイワスの依頼で主人公に預けられた。基本的にラピの髪飾りに変身している。行動時は小鳥や動物の姿を好んでいる。
カン族のカレルヴォ製魔人達と意思疎通が可能。
- スィディカ
マルケルスとアスミの娘。魔人族。
フル族とカン族の魔人との間に産まれた。オルヴォ製と同じ二つの形態を持つ。
性格は活発。肌色はカン族より薄い青色。
ハーラシア王国
- クリス
ハイデッガー家が所有する奴隷の一人。フル族。
主人公のお世話係で、最初は恐れていたが絆を育んでいく。
第一王子一派が起こしたクーデターで侯爵家が正義教会の聖騎士団に襲われてしまい、住んでいた建物ごと吹き飛ばされてしまった。残っていた片腕は主人公によって埋葬された。死亡したと思われたが実はリーゼロッテによって救出され、一命を取り留めた。
ハイデッカー家が滅びた為、奴隷でなくなり「守護の女神」を信仰する戦士としてヘルツフェルト家に仕える。
四年後、主君とガラル王国に随行中に盗賊の襲撃に遭い、主人公達に救われる。お互い気づかなかったものの、腕輪が起因で一悶着あったが再会を喜び合った。以降は彼を異性として意識し、明確な好意を抱くようになる。
水と氷を操る霊術士。ハタケヤマが造り出した義手と毒針を使用している。
穏やかで優しい性格の持ち主。剣術もこなす脳筋。奴隷時代は貧相で常時包帯を巻いていたが、成長後は亜麻色と碧眼を持つ絶世の美女となる。主人公から貰った腕輪を大事にしている。
- カール・ハーラシア
第二王子。真の王位後継者。フル族。
闘獣会のときから主人公の実力を見抜いていた。遠征中に第一王子が首謀のクーデターが勃発し、部下達を率いて急遽帰国。主人公の蹂躙劇により主戦力であった聖騎士団が壊滅して優勢となり、兄を下し名実ともに国王となる。
即位後は見事な統治力を発揮し、国を疲弊させる事もなく国民だけでなく諸国からも名君と名を馳せる。中央戦線で偶然にも特戦隊の活躍を見てから彼らに執着しており、リーゼロッテの縁で自国に現れたアンタレス達を勧誘する。
新人戦の頃から冥王蠍こと主人公を特別目にかけており、王国を救った英雄として気に入っていた。
文武両道で貴族や平民達から高い人気を持つが、悪戯好き。冷酷な一面も持ち合わせている。
金髪の中性的な美男子。アンタレス曰く前線でも活躍できる戦闘力を持つ。
- ルードヴィヒ・ハーラシア
第一王子。フル族。
弟と比べると凡庸で、温厚な人柄。熱心な正義教会の信徒であり、王や貴族達から王太子に指名されていない原因となっている。
カールが遠征に出発後、アウグストと共謀してクーデターを起こす。成功後は国王二世を襲名する。しかし復讐心に駆られた冥王蠍の蹂躙劇によって派遣された正義教会の聖騎士団は半壊。更に帰国したカールが率いる討伐軍により劣勢に追い込まれ敗北した。玉座を奪われた後は処刑されず、生き残っている。
- ウィリバルト・ルッツ
宰相の息子。公爵子息。カールの側近。フル族。
岩竜のオーナーで、新人戦の勝者に最も近いとされていたが冥王蠍に敗北した。
カールの遠征に同行していたのでクーデターに巻き込まれなかったが、両親は幽閉され妹は幸いにも守護教会に保護された。
謙虚で冷静な性格。カールの良き理解者。黒髪に鳶色の瞳を持つ青年。
- アーデルハイト・ルッツ
ウィリバルトの妹。公爵令嬢。フル族。
第一王子のクーデターに巻き込まれ、両親は捕まったが護衛と逃亡中に主人公に助けられた。避難先でリーゼロッテ達と再会する。
カールの婚約者で、彼が王に即位してからは未来の国母となった。
燃えるような赤毛にとび色の瞳を持つ美少女。
- リーゼロッテ・ヘルツフェルト
貴族令嬢。フル族。
第一王子のクーデターに遭い、聖騎士により両親を粛清される。ヒルダと逃亡中に主人公に遭遇し、助けられた。後に瀕死の奴隷少女を助けて避難先に匿い介抱した。
後に家督を相続するまで当主代理となった野心家の叔父に冷遇される日々を送る。
四年後、遠縁の見舞いでガラル王国に移動中に盗賊の襲撃に遭遇したとき、奇しくも魔人となった主人公と再会した。事故で馬が負傷した為、彼らの好意で助力を得る。クリスが発端でアンタレス達の正体を告げられ、わかった上で王国までの護衛を依頼した。
ガラル王国でのパーティで難民達の暴動に巻き込まれるも、無事に帰還する。
旅の道中で己を助けてくれたレオの雄姿に惹かれていく。清楚可憐な外見と儚げな雰囲気を持つ心優しい美少女。可愛い物が大好き。
- ヒルダ
リーゼロッテ付きの騎士。樹木に干渉する霊術を操る。
第一王子のクーデターに遭い、リーゼロッテを庇って逃亡中に主人公と遭遇し助けられる。
四年後も変わらずに主人の側にいる。クリスを妹のように思っている。
男勝りで勝気な女性。警戒心が強い。
- アウグスト・シュナイダー
軍務大臣。公爵家当主。フル族。
正義教会の信徒であり、第一王子と共謀してクーデターを起こす。成功後は宰相に就くが冥王蠍により教会から派遣された聖騎士団は壊滅して戦力を半分失った事で各教会勢力への説得に時間を使い、カール王子が軍を組織する隙を作ってしまった。四年後は不明。
目的を果たす為とはいえ、女子供に手をかける正義教会の粛清には快く思っていない模様。
実は主人公と同じ転生者であり、「王になれ」という罰を与えられている。人前では熱心な信徒に装っているが本心は必要に応じて神を変えるタイプ。
筋肉隆々で見るからに軍人と言った風貌の持ち主。
- ゲオルグ・アンガレス
ハイデッカー家に仕える魔獣の調教師。フル族。独自の道具で強化の血晶石を製造する事できる霊術士。
主人公を最高傑作とし、調教師として歴史に名を刻む野望を持つ。
闘獣の強さは『調教』と考え、生まれて間もない主人公を魂ごと隷属させ、冷酷非情な特訓を施した。
正義教会の騎士団の襲撃に遭い、負傷していたところを主人公の鋏で二つに切断され致命傷を負う。死ぬ間際、自らの血で血晶石を作り主人公に食べさせようとするが拒否されて死亡した。
主人公には思いやりの欠片もなく接した為、憎悪を向けられていた。しかし本人も恨まれている自覚はあったらしい。皮肉にも後に魔人族となった主人公の強さに良い意味で影響を及ぼした。
足が悪く、目つきが悪い老人。
- フリードリヒ・ハイデッガー
主人公・冥王蠍のオーナー。侯爵家子息。フル族。
派手さの無い冥王蠍を快く思っていない。正義教会の騎士団によって父と共に殺害される。
ちなみに主人公と対面したのは一度だけで、ゲオルグがいなければ殺害対象になっていた。
金髪で生意気そうな顔立ちをした美少年。
- クルス・クロイツ
騎士。中央戦線で連絡役の任を受けていた。
特戦隊の活躍を目撃してからは彼らを特別視している。偶然にもハーレシア王国に入国したアンタレスの武器で正体を見抜き、国王に伝えた。
部下達に鉄鎚を下す等、魔人に偏見を抱かず接する数少ない人物。
話し上手で朗らかな性格の持ち主。
秘密結社『第七の柱』
- オルヴァ・ハッキネン
合成獣の作成と使役を専門とする霊術士。空間の霊術に類稀な才能を持つ。フル族。
典型的なマッドサイエンティストで「ヒト種の合成獣(魔人)」を成功させた天才。所謂「魔人の父」。
ハーラシア王国のクーデターの協力者として参加。そこで正義教会の聖騎士団を壊滅させ、致命傷を負った主人公を素材として捕獲し、魔人に作り変える。後に帝国と取引を交わしティガルといった贖罪兵達を利用して理想の魔人部隊を結成させた。
帝国の士官勧誘を断ったのが原因で利害が一致したカレルヴォらにより謀殺され、魔人部隊の隷属権や研究資料を奪われてしまう。死ぬ間際、身の程を弁えない兄に破滅を警告した。
ところが生前ヘクティアに施された術式の効果で幽体のまま彼女の元へ転移し、完全な死を免れていた。四年後にラキス島で主人公と再会。2~3年の内に復活予定。
各神の末裔達と繋がりを持ち、交流関係は計り知れない。上記の異常性と数々の非道な実験により主人公を含んだ魔人達から恨まれている。
ヘクティアに強く懸想されているが、本人曰く「友人」らしい。
性格は無邪気で残忍。常に薄ら笑いを浮かべている端正な顔立ちをした青年。
- カレルヴォ・ハッキネン
オルヴォの兄。フル族→魔人族。
霊術士、研究者としても優秀だが天才の弟への劣等感から精神が歪み、憎悪を向けている。
帝国と共謀し、オルヴォが造り出した「ヒト種の合成獣(魔人)」の研究資料を殺して奪った挙句に汚名を着せ、権力を得て成り上がる。
弟が造り出した魔人達を「失敗作」と目の敵にし、破滅させようと嫌がらせを行う一方で、自分が造り出した「成功体」の魔人達は優秀とは言い難く、国内から疑問視されていく。
しかも助手となったラルマーンに悪行を感づかれた末に取引を持ち掛けられて魔人生産に協力させるが、自身の霊術陣の欠陥に気づかぬまま「失敗作」を作り続ける事となる。
内乱の中、ラルマーンの暗躍で自身が造り出した魔人達が暴走し、地位が失墜。亡命を企てようとするがラルマーンによって「異形の魔人」となり、帝都を蹂躙する。
「空戦部隊」や「皇剣騎士団」の決死の攻撃で負傷した後、主人公と対峙し敗北。死ぬ間際、マルケルスの足を食らい、ティガルの大剣で死亡した。
絵に描いたような俗物で、短気で横暴な性格。容姿は細身で不健康な顔立ちをしている。
魔人後の姿は灰褐色の肉の塊。醜悪であり、宮殿並みに巨体。
- アイワス・エル・レギス
秘密結社『第七の御柱』の創設者。フル族→神。
「新たな技術を二十以上編み出す」使命を与えられた転生者の一人。称号は「叡智の神」。六柱の古神に次ぐ最上位の準神。
世の真理を探求する研究者で珍しい物が好きな蒐集家でもある。宇宙の七番目に詳しい。
輝晶生命体の生みの親。子孫と気のいい島民のいるラキス島を拠点としている。
主人公を気に入り彼の大陸帰還と仲間救出の協力、そして土地の開拓の支援を約束。交換条件にアハトを託し、帝国へ転送した。
主人公に異世界で蠍座の意味を持つ「アンタレス」の名を与える。
性格は温厚で完璧主義者。端正な美貌を持つ男性。
- ヘクティア
魂を専門とする霊術士。アイワスの玄孫。フル族。
オルヴォの「ヒト種の合成獣(魔人)」の研究に協力した「魔人の母」といった存在。
霊魂研究の第一人者でアイワスが認める程、非常に優秀。
オルヴォに懸想しており、彼に内密で術式を施して死後に幽体を自分の元へ転移させた。現在はオルヴォを蘇らせるべく肉体を作っている。その愛はアイワスや主人公がドン引きする程凄まじい。輝晶生命体からの扱いはぞんざい。野菜と荒事が苦手。
前髪が長く、素顔は不明。
- アイン
アイワスの従者。八人兄弟の長男。輝晶生命体。
海帝鯨に呑み込まれ、ラキス島に辿り着いた主人公を介抱した。住民からは兄ちゃんと慕われている。主人公が去る際、末っ子のアハトの面倒を頼んだ。
「万能型」で人への探求心から完全な人型であり、帽子を被っている。
- ツヴァイ
アインの助手。八人兄妹の長女。輝晶生命体。
動く事はできないが多様な能力を持ち、兄弟達と意思疎通ができる。
「研究型」で知識を求めた末に姿は水晶体となっている。話し方は丁寧。
- ドライ
八人兄妹の次男。輝晶生命体。
「飛行型」で空への憧憬から姿は円盤となっている。根に持ちやすい。
- フィーア
八人兄妹の一人。輝晶生命体。
島の外で情報収集をしている。
- フェンフ
八人兄妹の一人。輝晶生命体。
島の外で情報収集をしている。
- ゼクス
八人兄妹の一人。輝晶生命体。
寡黙な性格。
「重量型」で長い腕と短い脚を持つ人型の姿をしている。
- ズィーベン
八人兄妹の一人。輝晶生命体。
主人公の衣装等を制作した。
「生産型」で細身で腕が六本ある人型の姿をしている。
正義教会
- ガイウス
教会の最高戦力の聖騎士。「マリウス聖騎士団」団長。「雷光」の異名を持つ。
雷を操る霊術士で一流の剣の使い手。騎士達と戦っていた主人公に挑み、激しい戦闘の末に殉職する。死ぬ間際、主人公を賞賛した。愛剣は後に主人公の手に渡り、ハタケヤマに鍛えられ双剣の片方(黒剣)となる。
四年後でも魔人となった主人公が超えていないと言わしめる程の実力者であり、登場したヒト種の中で最強の人物といえる。悪人や強力な魔獣を討伐した英傑で、部下達や信徒からも英雄視されている。寡黙な性格。
猛禽のように鋭い目つきをした大柄な老人。
- ダニエル
司教。ルードヴィヒ王子に取り入り、改宗させた張本人。
ハーラシア王国の国教を正義教会に据えるべく宗教改革を目論んでいた。
クーデターを勃発させるが、主人公によってガイウスは殉職し、聖騎士団が壊滅。武力を半ば失った事で各教会や国民達を抑止できなくなる。四年後は不明。
細身の男。
- ケンディル
「マリウス聖騎士団」の聖騎士の一人。
主人公に仲間を殺され、自身は両腕を切断された。追い込まれた際に敵対宣言をしたが、主人公が文字を使用した事でヒト種と変わらない知性を持っていたと気づき、自身の失態に絶望して息絶えた。ちなみに主人公は聞いていなかったりする。
ラキル帝国
- 皇帝
本名不明。
共和国との戦の為にオルヴォの魔人生産の取引を受け入れ、贖罪兵「ルガル隊」と「カダハ隊」を提供する。カレルヴォと共謀してオルヴォを謀殺し、地位を対価に魔人族を大量生産させる。しかし四年後の洋上戦艦攻略戦時に第4皇子ヴァシリウスの陰謀で暗殺された。
理性的で冷静沈着な性格だが、激情家も持ち合わせている。実子達に親の情を向ける事はなく、身を滅ぼす事となる。
ちなみに、本人は知らなかったが叡智の神の子孫ヘクティアの伴侶候補の研究の略奪に加担した。
- グナエウス
第1皇子。後継者候補の一人。
母親が上位貴族だが執務もせず、税で贅沢と女に走っている放蕩者。
皇帝の死後、ヴァシリウスの予想通りに後継者争いが勃発しレムルスと対峙。罠に嵌めようとするが失敗し、王都を拠点に部下達の反対を押し切って籠城戦に決め込む。しかしラルマーンの暗躍でカレルヴォ式の魔人が暴走し、魔人連隊の殺処分を命じる。その後は国宝と財宝を持って東部へ逃げ込み、東ラキル帝国の皇帝に就任する。
皇子としての器量も実力はなく、官吏と兵士達から人気はないが街で散財するので民衆からの人気はある。
- ヴァシリウス
第4皇子。後継者候補の一人。
政務に忠実で文の才でのし上がった実力者。
大国に降伏した国の元王族の母を持ち、皇帝の助けも得られず国内で冷遇された過去を持つ。それ故に帝国の崩壊を望むようになり、ラルマーンと共謀して皇帝を暗殺。その後、母と共に親族が統治する領地へ戻り、近隣の領地を侵略しオース同盟を立ち上げる。そして困窮する北ラキル帝国を支援し、独立を認めさせた。
温和な性格だが裏では帝国への強い憎悪を抱き続けている。心を病んだ母親を大切に想っている。
- レムルス
第12皇子。後継者候補の一人。
皇族の中でも武闘派の実力者。皇帝の命令で主人公の相手をしたが一方的に半殺しにされた。
四年後は特訓に励み、「皇剣騎士団」の初代団長を務める。
皇帝の死後、グナエウスの罠で捕らえられるが自力で脱走。帝都を騎士団で包囲し、優勢に持ち込み結果的に勝利するが魔人と化したカレルヴォや主人公達により友軍は半減し、グナエウスは東部へ国宝と財宝を持ち逃げするという苦境に立たされてしまう。
崩壊した帝都と北部を掌握し、苦肉の策でオース同盟の支援を受け北ラキル帝国の皇帝に就任する。
高慢な性格だが軍人には身分関係なく接する為、兵士達から支持を受けている。
主人公に敗北してから魔人族に対して憎悪以上の感情を抱いている。
逆立てた金髪が特徴の偉丈夫。
- マルケルス・オーロクス
軍第一師団第八連隊の隊長。火の霊術士。
潜入作戦を機に主人公を含む魔人部隊改め魔人連隊直属の上司となり、オルヴォ式魔人の隷属権を得る。
カルネラ港奪還作戦で功績が認められて魔人連隊の連隊長に出世し、帝都に戻る。主人公達の指揮官から外れた後も冷遇される彼らの為に魔人の待遇を改善させるよう努力しているが、功を奏していない。
洋上戦艦攻略戦で海に落下しそうになったとき、主人公とアスミに庇われ生還するものの主人公は行方不明となる。内乱勃発後は第1皇子の命令で籠城戦となり、レムルスが率いる「皇剣騎士団」と対峙。デキウスと共に特戦隊に補給等を支援したがカレルヴォ製魔人による暴走により魔人連隊の所属者は捕縛され、逃亡中に主人公と再会。魔人と化したカレルヴォから主人公を庇い、足を失う。その後は帝国を捨ててアンタレス達に同行する。
魔人に偏見もなく接する貴重な人物で、主人公やその部下の魔人達からの評価は高い。
義に厚くお人好しで正直者。良かれと思った行動で問題を起こす一面もある。
敵国の捕虜であるアスミと惹かれ合うようになり、帝国分裂後は結ばれスィディカを授かった。
茶髪の筋肉質の偉丈夫。二十代らしい。
- デキウス
マルケルスの副官。霊術士。
お人好しな上官を補佐する有能な人物。一時期、アスミに惹かれていくマルケルスを危険視していたが、彼女が魔人になると裏切る心配がない為、応援する側になる。
マルケルスの出世に伴い、魔人連隊の副連隊長となる。内乱勃発後は上官と共に特戦隊をフォローする。カレルヴォ製魔人の暴走により魔人連隊の所属者は捕縛され、逃亡中に主人公と再会。その後はマルケルスと同じく帝国を捨ててアンタレス達に同行する。
冷静沈着な性格だが意外と繊細な面がある。魔人に偏見のない人物の一人。
金髪で目つきが細い青年。凄腕の狙撃手。
- 指揮官
本名不明。マルケルスの後任。カレルヴォに取り入り、コネで魔人連隊特殊作戦部隊の隊長となる。
実績を求めるが自身は無能であり、しかも隊長とは名ばかりで戦場で指揮をせず砦の安全地帯で胡坐をかいて主人公達を放任している。魔人連隊への態度も辛辣極まりなく、マルケルスの注意を無視して冷遇し、補給すらまともに取り行わない程。
連合軍として参加したアーディウス要塞攻略戦では帝国で入手していた黄金の機鎧兵の情報を事前に提出しなかった為に兵士達の被害を拡大させ、各将達に非難と嘲笑を浴びる。
後日、洋上戦艦攻略戦では現場の不参加を決めていたがマルケルスの命で強制参加させられ、何もできずに溺死。魔人達から捜索されずにあっさり切り捨てられ、自業自得の末路を迎えた。
魔人
- 鰐の魔人
カレルヴォ製。
一方的に主人公に敗北してから戦場でもつけ狙っていたが、四年後はやめている。
同胞への仲間意識はなく、特に蛭の魔人とは相性が悪い。
好戦的かつ残虐な性格の持ち主。初代の中では一番強い。
- 蛭の魔人
カレルヴォ製。初代の一人。
片言。初代の中で最も残虐であり、仲間意識は皆無。ヒト種の体液を吸収する事で強化できる。
- 鮫の魔人
カレルヴォ製。元は悪名高き海賊の船長。取引で部下達と共々魔人になった経緯がある。
一度大きな戦績をあげた事でカレルヴォから「最も優れた魔人部隊」と評された事で優遇される。部下共々過信していたが、洋上戦艦攻略戦で大海蛇の群れを全滅させた主人公に感銘を受ける。彼が行方不明になると部下達と捜索し、発見できずに謝罪した。
ノナリス共和国
- アスミ・イシャクラム
機鎧兵。カン族→魔人族。
侵略に反対派だったが徴兵されてしまい、主人公達の潜入任務で捕虜となる。
皇帝の命令でカン族の捕虜全員がカレルヴォ製「二種類以上の生物で合成された魔人」となり、主人公が率いる特殊作戦部隊に同胞と共に配属された。
部隊の中では総合的な指揮能力は高く、主人公から評価されている。
洋上戦艦攻略戦で主人公が行方不明となった後、内乱の中でラルマーンの罠で暴走するが隷属からも解放される。
捕虜になってからマルケルスと惹かれ合い、旅路中に結ばれスィディカを出産した。
祖国と敵対関係となったが、人質になったとき味方に一切顧みられなかった為、見切りをつけた。
濃い髪に青い肌を持つ女性。魔人後の姿は頭部に山羊の角が生え、猫の両目に四肢を持つ。
何度も危機から脱する割には大変な目に遭うので、主人公からは「運が良いのかわからない女」と思われている。
- ラルマーン・ハディン
カルネラ港で働いていた研究者。カン族。奪還作戦で捕虜となる。
「外的処置によるカン族の品種改良」を目的とし、「ヒト種の合成獣」に感銘を受ける。
捕虜であったが優秀な頭脳を認められて魔人化を免れ、カレルヴォの元で働く。すぐに彼が研究を奪った偽者と見抜いたがあえて黙認し、取引を持ち掛けて魔人生産に参加。カレルヴォの改変した霊術陣を密かにオルヴォ製に近い術式にまで改良した。
ヴァシリウスとの取引で皇帝を暗殺した後はカレルヴォ製魔人達を発狂させる装置を作り、内乱中の帝都を更に混乱させる。そしてカレルヴォを囮に魔人に作り変えた後は故郷に帰るべく同胞の元へ向かい帝都を去った。
オルヴォと同類のマッドサイエンティスト。好奇心旺盛な性格。研究者としての矜持から俗物のカレルヴォを軽蔑し、オルヴォには敬意を抱く。
- ザーヒ・シュネーラー
ヒト種から昇格した神柱の一人。カン族→神。称号は不明。
アーディウス要塞攻略戦で子孫の一人である黄金の機鎧兵が窮地に追いやられたとき、目覚めた。
主人公達を敗北させる程の戦闘力を見せたが、聖樹の呪いによって戦闘不能となる。そのまま子孫の肉体は死亡した。滅ぼした森の神々とは因縁がある。
ヘルク王国
- アレクサンドル・レンクヴィンスト
「竜血騎士団」団長。コゴ族。
砦の攻防戦で共和国軍との対戦時、主人公に助けられてから縁ができ、オルヴォの依頼で剣術を指南する。以降は主人公を我が弟子とし、師弟関係を結ぶ。
四年後は連合軍に参戦。黄金の機鎧兵に追い込まれた主人公の救援に駆けつけた。
アーディウス要塞攻略戦でも共闘し、二人目の黄金機鎧兵の討伐に成功する。
主人公に偏見を抱かずに接する数少ない人間の一人で、部下の騎士達もまた同様である。
暑苦しく豪快な性格。コゴ族最強の戦士。
筋肉粒々でゴワゴワした髪を持つ。
ミュルリ共和国
- カリァ・ユク・アルティシア
「烈風隊」隊長。エル族。非常に優れた霊術士。
攻防戦で主人公に一度助けられる。四年後は連合軍に参戦。アレクサンドルの要請で黄金の機鎧兵に追い込まれた主人公の救援に駆けつけた。アーディウス要塞攻略戦では共闘し、二人目の黄金機鎧兵の討伐に成功する。
高慢な性格。霊術の研究が好き。
難民(北方諸国)
- ヤロ
レカ族。主人公の素材となった人物。
孤児出身の子悪党で意中の娼婦オリヴィアを身請けする為に金策に励んでいた。
主人公と同じ火、風、土の霊術適正だったが為にオルヴォに捕獲された。合成により意識も魂も消滅し、全て冥王蠍に吸収された。
オリヴィアとの約束を果たせなかった無念と彼女の幸せを最後まで願っていたので、後にアンタレスが遺児キリクと対面する。人間形態のアンタレスと顔立ちは似ている。
- オリヴィア
フル族。娼婦。
ヤロの求愛を承諾していたが、彼は戻らず故郷が共和国に滅ぼされガラル王国の難民となる。
ヤロの子であるキリクを産み落とし、数年後に亡くなった。
美人ではないが和やかな雰囲気を持っていたらしい。
- キリク
レカ族。ガラル王国の王都で活動する悪童グループの頭脳役。
ヤロとオリヴィアの間に産まれ、物心つく前に母親を失う。弱視で目はほとんど見えていない。母親の話は禁句らしく自分を捨てた父親を深く恨んでいる。
来訪したアンタレスに霊術の訓練を頼み弟子になる。ガラル王国と悪党グループの共謀で仲間達を殺され、アンタレスの誘いに乗り旅に同行する。
アンタレスの実子とも言える存在で血が四分の一繋がっているせいか、彼から大事に想われている。アンタレスに真実を告げられておらず、彼を「先生」と呼び慕う。
年齢以上に理知的で落ち着いており、非常に聡明。砂の霊術を操り、緻密な操作が得意。ただし体質故に身体能力は低く、体力はない。金髪の美幼児。
- マグナ
フル族。ガラル王国の王都で活動する悪童グループのリーダー。
大人への不信感から非常に攻撃的な性格。ガラル王国と悪党グループの共謀で仲間達を殺され、アンタレスの誘いに乗って旅に同行する。
弟分であるキリクに慕われるアンタレスに嫉妬心を抱いている。レオと同年代。
- ナナ
フル族。ガラル王国の王都で活動する悪童グループの副リーダー。
マグナ程ではないが、大人への不信感から攻撃的な性格。ガラル王国と悪党グループの共謀で仲間達を殺され、アンタレスの誘いに乗って旅に同行する。
美しく強いクリスに憧れている。黒髪ポニーテールが特徴の少女。
- ミア
タナ族。ガラル王国の王都で活動する悪童グループの一人。
基地の設計や武器等を制作していた。ガラル王国と悪党グループの共謀で仲間達を殺され、アンタレスの誘いに乗って旅に同行する。
恥ずかしがり屋な性格だが現実主義者。癖のある茶髪の少女。
- ノルト
フル族。故郷が共和国に滅ぼされ、ガラル王国の難民となる。
ヤロとは知人。ヤロと同じ顔のアンタレスと出会い、亡きオリヴィアの遺児の事を話した。
子悪党で自警団から疎まれている。
- クレイン
難民キャンプの自警団の団長。
部下達と共に貧困の中でも治安維持に努めており、悪行を繰り返す悪党グループに辟易している。偶然にも犯罪者を捕らえたアンタレスと縁を持つようになる。
ガラル王国と悪党グループの共謀に一部加担し、難民キャンプの放火を容認。その成果で公式に守備隊の下部組織に入る事に成功する。
騎士のように誠実な志を持つが、悪人の死には一切罪悪感を抱かない。放火に関してはキリクが巻き込まれていた為、アンタレスから強い怒りを買った。
ガラル王国
- ロベール・ラウェル
財務大臣。ラウェル家当主。
リーゼロッテの亡き父親とはイトコであり親友だった。アンタレスの人間性と能力を見込み、夜会警護の護衛を依頼。暴動が発生した後、全ては王国と悪党グループの共謀であったと推測したが公表はしなかった。
年齢は四十代で十歳以上若く見える外見の持ち主。剣術も扱う。
- マリアンヌ・ラウェル
リーゼロッテの大叔母。ロベールの母。
ハーレシア王国出身。夫を亡くし、喪中の身。リーゼロッテと同じく可愛らしい物を好む。
アンタレスに好意的な息子と異なり、最後まで警戒し続けていた。
その他
- 本名不明
ポピ族。芸術家。
ゲオルグの調教施設に滞在中、主人公に助けられて友人となる。
主人公を「サソリ君」と呼んでいた。別れ際、彼から鋏を贈られ姿を消す。
- ゲンバ・ハタケヤマ
神の末裔の一人。オルヴォと交流を持ち、彼から「じっちゃん」と呼ばれている。
武具職人。エンゾ大陸の東方にある小さな島国出身であり、大陸中を旅しながらあらゆる技法を学び続けている。オルヴォの依頼で主人公の武器を製造した。常に透明になる外套を身に着けている。
外見は老人だが実年齢は不明。
- ジュード
傭兵団「暁の牙」の団長。フル族。
「氷槍」の異名を持ち、氷の霊術の使い手。アレクサンドルが認める程の実力者。しかし短気で口が悪く、主人公からは部下達が苦労していると思われている。
帝国と契約していたが戦争中に友軍の魔人を殺し、マルケルスの指示で打ち切られた。
後に連合軍と契約して参戦。アーディウス要塞攻略戦では黄金の機鎧兵討伐のメンバーに選ばれるものの、戦闘中に気を失った。
元から魔人に偏見を持ち、帝国から契約を打ち切られた事を逆恨み、主人公を含む魔人部隊を侮蔑した態度をとり続けている。
神
- 悪戯の古神
六柱の古神の一人。
地上と距離を置く他の神々と違い積極的に干渉するす変人。
神になる以前のアイワスや主人公・アンタレスを気に入り、陰ながら支援している。
権能は現象や物質への干渉と改変。
黒の長髪に紳士服を纏った色白の青年。
- 星辰の古神
六柱の古神の一人。
雌の奪い合いで大陸を削った神々の討伐をソルガに命じた事もある。
- 正義の神
本名はアンドリュー・マリウス。
他の神々は己の傘下であると信徒達に吹聴し、正義教会の暴走を引き起こす。ソルガ夫婦の対談でも聞く耳を持たなかったので、神達に見限られた。
己の称号と信念を絶対視し、どんな相手でも態度は傲岸不遜。ミネアに懸想しており、夫がいても未だ諦めていない。悪戯の古神を邪悪の権化と忌み嫌っている。
容姿は白髪の美少年。
- 闘争の神
本名はソルガ。ミネアとは夫婦。
正義の神の暴走に怒り狂った神々を代表して夫婦と対談したが決裂した。
後に信徒達に真実を伝え、自由にした。
神々の中では古参であり、信徒や力は最も多い。
完璧な筋肉美を持つ蛮人風の男。
- 勝利の神
本名はミネア。ソルガとは夫婦。
正義の神の暴走に怒り狂った神々を代表して夫婦と対談したが決裂した。
後に信徒達に真実を伝え、自由にした。
下着同然の恰好をした亜麻色の髪を持つ美女。
- 叡智の神
本名はアイワス・エル・レギス。詳しくは秘密結社参照。
六柱の古神に次ぐ最上位の神。
- カン族の神(称号不明)
本名はザーヒ・シュネーラー。詳しくはカン族参照。
- 影の神
信徒には主人への読唇といった加護を与えている。
- 炎熱の神
雌の奪い合いでエンゾ大陸の南部を削った事で星辰の古神の逆鱗に触れ、ソルガの手で滅びた。
- 光輝の神
雌の奪い合いでエンゾ大陸の南部を削った事で星辰の古神の逆鱗に触れ、ソルガの手で滅びた。
魔獣
- カタバミ
種族は妖狐。性別は雌。
縄張りから出たとき、狩人に捕まり闘獣にされてしまう。新人戦で主人公と密約し、わざと倒される形で生還する。最後まで主人公をサポートし、恩返しの約束を交わして故郷へ帰った。
強い魔獣と交配する事で強い子孫を得るらしく、主人公の娘を産みたいと思っている。性格は強気。
世界観
エンゾ大陸
多様なヒト種と生物が生息している。
近年、シーシャ大陸のノナリス共和国から侵略を受けており、各国は連合軍を結成し対抗している。
- ハーレシア王国
フル族の国。
毎年「大闘獣会」が行われている。
- ラキル帝国
フル族の国。北方に位置する大陸一の領土を持つ大国。
シーシャ大陸
昔はエンゾ大陸と同様に多様なヒト種と生物が生息していたが、神化したカン族の侵略によって滅ぼされた。カン族は森林に住む最古神すら殺して土地を奪ったが神樹の呪いを受けてしまう。各国が誕生し、繁栄を築き上げるが呪詛によりカン族の神々は次々に死亡。子孫達は弱体化し、大陸全土の生産量は低下し大規模の飢餓が発生。各国で戦争が始まり、科学力を持ったノナリス共和国が大陸を掌握。食糧を補うべく、エンゾ大陸の侵略を開始した。
現時点で判明しているヒト種はカン族とポピ族のみ。
- ノナリス共和国
カン族の国。非常に優れた科学技術を持ち、シーシャ大陸を掌握した。
エンゾ大陸の食糧に依存している。
議会制。
ヒト種
- フル族
エンゾ大陸の中で最も多い人種。異世界の人間と呼ばれる存在に似ている。
- レカ族
ヒト種の中では珍しい人種。額に第三の目を持つのが特徴。
- ポピ族
ヒト種の中で最も小柄な人種。各大陸にも生息し、言語も異なる。
無機物を変形させる固有能力や特定の人物の生存を感知する能力を持つ。その有用性から狙われる事が多いが、優れた隠形術の使い手でもある。好奇心旺盛で悪戯好きな性質。
シーシャ大陸のポピ族はカン族に囚われ、エゾノ大陸に連行されたまま強制労働を強いられていたが後に主人公に解放され、土着する。
- エル族
ヒト種の中では数が少ない少数民族。耳が長いのが特徴で、霊力に優れた者が多い。
研究者気質が多く、高慢な性質。容姿はエルフと酷似している。
- コゴ族
ヒト種の中では筋肉粒々で恵まれた体格を持つ。勇士程正直者らしい。
容姿はドワーフと酷似している。
- 魔人族
オルヴォによって産み出されたヒト種と魔獣(生物)の合成獣。
オルヴォ製、ラルマーン製のみ人間、魔人の二つの形態を持つ。各能力が飛躍的に上昇し、魔獣の霊術も受け継ぐ。元ヒト種の魔人同士が交配すると子供は先天的な魔人になる。
贖罪兵、犯罪者、孤児といった素材で生産された事や倫理的な問題から世間では「混じり」と蔑称で呼ばれる。
オルヴォ製
ヒト種個人の能力と魔獣の相性を合わせて合成している。
ヒト種の理性を失わず、合成された魔獣の能力を扱える。人間、魔人の二つの形態を持つ。
主人公のみ、メインが魔獣なのでヒト種の肌色に変化できるが基本的に魔人形態。
カレルヴォ製
ヒト種と生物の相性関係なく合成している。
オルヴォ製の霊術陣を粗製乱造して改造し、特定の周波数を聞くと発狂する致命的な欠陥を持つ。
肉体の相性を合わせない代わりに闘争本能と残虐性を高め、闘気と霊術を魔獣の本能で使えるようになる。ただし、素材のヒト種は一般人なので能力は個人差が激しい。
カン族のみ二種類以上の生物と合成されるが、知能は獣並みに低下し温厚な気質となる。
外見は魔人。魔人の中では最も生産されており、帝国では消耗品と使われている。
ラルマーン製
カレルヴォ製の霊術陣をオルヴォ製に近づけて改良している。
- 輝晶生命体
「叡智の神」が造り出した人工生命体。
肉体は水晶。成長の過程で自分の望んだ形となり、能力も変化していく。
現時点で八人登場している。
- カン族
ノナリス共和国の人種。濃い髪色と青い肌色を持つ。好戦的な性質を持つ。
神樹の呪いによりヒト種の中では最弱。先祖返りのみ強制徴兵され、機鎧兵となる。
神樹の呪いの対象外になるほど血が薄まった一族の先祖返りは黄金の機鎧兵となる。
高度な霊術回路の技術(科学兵器)を有する。
- タナ族
ヒト種の中では数が少ない少数民族。左右に親指が二本あるのが特徴。
老若男女問わず手先が器用で、生まれながらの職人気質。
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