概要
漫画家TONOの最長連載である代表作で、架空の王国カルバニアを舞台に繰り広げられるファンタジー漫画。
全編王宮コメディー色が強いものの、エキューやタニアを軸にして、女性の社会進出の難しさやウーマノミクスも描かれている。
ストーリー
21代続く大国のカルバニアでは、建国以来初めての女王が誕生した。
ところがうら若き女王にまつわる不穏な噂を耳にして、エキュー・タンタロットは急遽留学先から祖国カルバニアへと舞い戻る。
半年ぶりに再会した女王タニアは悪評が立っているにもかかわらず、以前と変わらぬ賑やかさでエキューを出迎え、実は流言は宮廷での馬鹿げた思惑が原因だと告げるのだった。
エキューとタニアを巡り絶えず騒動が巻き起きる、カルバニア王宮の悲喜交々な日々。
主な登場人物
- エキュー・タンタロット
タンタロット公爵家の令嬢にして次期当主。
金髪碧眼の美形で普段は男装しているが、宮廷では貴婦人の装いをする時もある。
勝気で喧嘩っ早い性格であるものの、公爵家の継承には真剣で、そのために隣国のクロスチアへの留学もしていた。
後に念願が叶いカルバニア初の女公爵となる。
- タニア・カルバニア
カルバニア王国の第21代国王。エキューの乳姉妹で幼馴染み。
ブルネットに暗緑色の瞳、豊満な胸と母譲りの美貌の持ち主。
正統なる王族だが気さくな性格で、エキューとも無二の親友として付き合っている。
16歳で即位し、カルバニア初の女王として数々の難局に見舞われる。
- ライアン・ニックス
カルバニア王国に二家のみの公爵家のもう一方の当主、若きニックス公爵。
赤毛の長髪が目を引く美丈夫。紆余曲折あってエキューと恋仲になる。
タニアとは教育係の名目で親しくなり、その後も親族のように接している。
- コンラッド・パーマー
パーマー王国の第一王子。優秀な外交官でもある。
聡明にして容姿端麗で、次期国王にふさわしい人柄をも兼ね備える。
異色のカルバニア女王タニアに恋慕を抱き、次第に変化が生じていく。
- タキオ・バスク
タンタロット公爵領バスクの領主。
女のエキューを公爵家の跡継ぎとして認めず、自分の息子を次期公爵にしようと画策する。
和解後には互いを利用しつつ好敵手のような関係を築く。
- カイル・タンタロット
エキューの父でタンタロット公爵。人望の厚い有能な領主。
妻子を溺愛しており、娘のエキューが後を継げるよう尽力する。
- プリシラ・タンタロット
エキューの母で故人。体が弱く性格も控えめ。
遅くに出来た我が子を思い、夫のカイルの制止を振り切り命と引き換えに出産した。
- リカルド・カルバニア
タニアの父で先王。
名君でありながらもタニア12歳の折に急逝。
- プラティナ・カルバニア
タニアの母で、世界に冠たる美貌を誇る。
少女期に正妃となり子を生したが、夫のリカルドに焦がれるあまり錯乱してしまう。
- ロプス・ダゴル
エキューの友人で、彼女のドレスの大半を担う宮廷デザイナー。
仕事柄か女性に対して理解があり親身。
- フラン・バスク
タキオの嫡男。子供ながら逞しく生きており、異母兄妹とも仲が良い。
不仲の両親に代わって、タキオの家臣ハルの息子であるカフに育てられた。
- カフ・スタン・ストーク
動物の育成が得意なバスク家の忠臣。
極端に若く見える容姿を持ち、長い黒髪を一纏めにしている。
- ナジャル・フラコス・カルバニア
タニアの叔父スプーナの妾腹。幼少期の落馬が原因で足が不自由。
タニアの王配候補として教師役を任されるが、性格に難があり女癖も悪い。
- アナベル・サラザン・ホーリー
赤毛の美女でライアンの遠縁。
エキューを熱烈に慕い、彼女の近くにいるためナジャルと結託する。
- アンヌ・バスク
タキオの元愛人で、その後正式な妻として迎えられる。
タキオとの間に一男一女をもうける。
- ナタリー・ホーン
豪商ホーン商会の娘だが、火事に遭いそれまでの裕福な生活が一変する。
罹災後はカイルからの援助を受け、やがて彼の後添いとなる。