概要
ウリ科カボチャ属の蔓性の一年草で、南アメリカ大陸が原産。
日本には明治時代に中国から攪糸瓜(かくしうり)が導入されたのが始まりである。
果実は楕円型で、未熟なうちは薄く緑がかった白色ないしは黄色みの強い薄緑色だが、成長するにつれて黄色く熟し、果梗は木質化する。場合によっては果皮に緑色ないしはオレンジ色の太い縦縞模様が出ることがあるが、品質に影響はない。
果梗が木質化しているのはしっかりと熟しているサインで、稀に果梗が木質化していても果実が白っぽいことがあるが、常温で数日保存すれば黄色くなってくるので心配ない。
熟した果実を輪切りにし、種やワタを取り去ってから茹でると、果肉の繊維が糸のようにほぐれてくる。
このため、キンシウリ(金糸瓜)やソウメンカボチャと呼ばれる。
繊維質の果肉は特にこれといった強い風味はなく、どちらかといえばカボチャらしからぬシャキシャキとした食感を楽しむもので、そうめんのようにおつゆにくぐらせて食べる他、酢の物やなます、サラダにされる。「なます瓜」「なます南蛮」(南蛮はカボチャの意味)と呼ばれるのもこのためである。
欧米諸国ではSpaghetti squashの名称で知られ、茹でたものにトマトソースをかけて食す他、チャーメン(アメリカ式中華料理で、焼きそばを指す)風に炒めて食べることもある。
また、若い果実は浅漬けにする。新潟県長岡市の伝統野菜に「糸うり」とよばれるものがあるが、これはキンシウリの若どりである。
完熟した果実は貯蔵性に優れ、条件が良ければ冬まで保つ。