概要
「クレヨン風」は、クレヨン画であるかのような質感をもった作品に付けられるタグ。
蝋で固めた棒状の絵具であるクレヨンは、温かみのあるかすれた描き味を持っている。
パラフィン、脂肪酸、木蝋などを溶融して顔料を混和させた棒状の色彩画用具である。
クレヨン(crayon)の語源は、フランス語の「Craie(白亜)-on(小片)」を意味する「鉛筆」から、「crayon pastel(パステル鉛筆)」を略して「クレヨン」となった。広義の意味では、鉛筆、コンテ、パステルなどの棒状の画材すべてを指している。
古くはギリシア・ローマ時代に、蝋と顔料とを混和させた着色材があった。15世紀から16世紀中頃にかけてヨーロッパでパステルは普及し、19世紀末にはフランスのあるパステル画家が筆を要しない棒状の画材としてクレヨンを考案し、それをコンテ社が第1次世界大戦中に商品化したと言われている。
日本では、大正時代に山本鼎の「自由画教育運動」の普及によって、簡単に描けて有毒物質を含んでいないこと等の理由から、児童画の材料としてクレヨンは普及していった。