概要
「グレイ・グー」とも表記される。
ナノマシンとはその名の通りナノサイズ(1ナノメートルは0.000 000 001メートル)の機械のことで、現在のところ未だ開発・実用化はされていない。
そしてナノマシンの実用化のためには、大量生産するために自己増殖機能の実装が期待されている。
しかし、この自己増殖機能に警鐘を鳴らしているのがこのグレイグー問題である。
自己増殖性を有するナノマシンに何らかのエラーが発生し、本来のエネルギー源(炭素やケイ素が想定されている)だけではなく地球上のあらゆる物質を取り込み無限に増殖し、すべての動植物を滅ぼして地球を覆いつくすかもしれない…という仮説である。
この時地球を覆うおびただしい数のナノマシンの大群を、灰色の塊(グレイグー)と表現している。
ただし学者によってはグレイグーは起こりえないと批判しており、元々この言葉を提唱したエリック・ドレクスラー自身もあくまで仮説の一つとして取り上げただけであり杞憂であるとも述べている。
類似概念として、バクテリア等の自己増殖性をもつ生物が無限に増殖し地球を覆いつくすという架空の現象グリーングーがある。
フィクションでは
ナノマシンが登場するフィクション作品でグレイグー問題について言及されることもあり、まさにこのグレイグーを主題とした漫画「真夏のグレイグー」などがあげられる。
他、ナノマシン以外にも「自己増殖性をもつ物質が永遠に増え続ける脅威」を描いた作品は古今東西しばしば存在しており、代表的かつ最も有名なものは「ドラえもん」において栗まんじゅうがバイバインで増殖する話だろう。