「毎日パンとサラミが食える立場を守れるなら 世界がガスに埋もれようと 化物を殺す仕事に就かされようと構わない そういう男だ ・・・よろしくな」
概要
Thisコミュニケーションの主人公。
スイス出身の軍人であり、スイス国軍に所属。イペリット出現後はUNA(世界連合軍)に招かれていた。
正確な本名(と発音)は「アンドレア・デ=ルーハ」
デルウハというのは第一話で所長に対して名乗った名前であり、デルウハ自身が付けたあだ名である。
研究所の人間からの呼び名である「デルウハ殿」が読者からの愛称としても定着している。
食べることが行動原理。作中の様々な悪行(もとい努力の数々)も「1食分でも多く食べ続ける」ことを目的にしており、生きるために食べるのではなく、食べるために生きている節がある。事実、第一話においては目的地である研究所が残っていないことを確認すると、「この先、食事を取ることが出来ない状況に陥った」と判断し、何の躊躇いもなく自身の首に斧の刃を突き立てて自殺を図るほどであった。(実際には研究所は残っており、この後救助された)
救助された後は食事を対価として、軍人としての経験や技術を提供。
「食事を提供してくれる研究所」を守るため、人間離れした膂力と不死身性を持ちながらも人格に難を抱えたハントレス達の指揮官として就任する。
性格・能力
近しい相手に対してはぶっきらぼうで粗野。
特に想定外の行動を取るハントレスに対しては頻繁に怒鳴り散らしており、彼女たちからもキレられることは恐れられている様子。一方、初対面の所長や見知らぬ食料班などには敬語を使い、かなり態度が柔らかくなる。
砲兵・指揮官としての能力は極めて優秀。
「百発百中」と言われるほど砲術の精度は高く、指揮は明快。とっさの状況判断能力にも優れている。人間の観察にも長けていて、必要であれば隊員同士の関係性、抱えている問題・根本的な不安のケアも行う。「親に提供された」立場であり、人間離れした膂力を持つが故に性格に難を抱えるハントレスたちにとっては唯一、"誠実"に向き合っている人物でもある。
自身や部隊の秩序にとって最善の行動を常に行わんとする合理性がデルウハの優秀さの元だが、一方でその「合理」には倫理観の枷が無く、「いない方が都合がいい人間」を躊躇なく殺害するなど、目的を達成するためには手段を選ばない。
研究所にたどり着いた後は、「死亡した場合、一時間前の状態に戻る(記憶も一時間前になる)」というハントレス達の特性を悪用。何らかの都合の悪い事が起こるとハントレス達を殺害し記憶を消して「なかった」事にする手段を取るなど、子どもに対しても(生き返るとはいえ)一切の容赦がない。所業に関しては後述。
数ある手段の中に「殺害」が入っているシリアルキラーだが、あくまでも「目的のために殺害する」のであって、裏切りや怒りなど感情起因で殺害をすることはない。
また、一切人情味がないかと言うとそうではなく、敵であっても勝敗が決した後であれば遺言と祈りを残させる程度の時間は与えていたり、とある人物が起こした所業にはドン引きするなど、真っ当な常識や感性は備えている(その上で必要ならば殺害という手段を取る)
ハントレス達への対応
先述の通り、都合の悪い事が起こるとハントレス達の特性を悪用して即記憶リセットに掛かる事が多々あり、不死身であり簡単に生き返るからかその引き金は軽く感じられる。
以下、作中で行った行為の一例。
・同士討ちしてしまった状況を無かったことにする為、殺害
対象者:よみ→生存していた残りのハントレス
第一話にてイペリットとの戦闘中、同士討ちを行ってしまったよみの精神的トラウマと、それに伴うハントレス間の仲違い解消の為に全滅させる。
これがデルウハによる「都合の悪い事はリセット」の始まりであった。
・好感度を上げ過ぎてしまった為、殺害
対象者:にこ
会話の最中に、うっかり好感度を上げ過ぎてしまった為に殺害。
「入れ込んで付きまとわれたら困る」という理由であった。最低である。
・あるハントレスに対して「言うべきこと」を先に言われてしまった為、殺害
対象者:よみ、いつか
よみに必要な言葉を探していたがいつかに先を越されてしまい、「俺が言うべき言葉だった。あの魔法を俺のものにする」と考えて本当に自分が言った事にした。要は「私が最初に言いだした事になんねーかな」を実現してしまったのだ。本当に最低である。
・スランプを解消させるために殺害(ただし本件は失敗)
対象者:よみ(失敗)→ハントレス全員
新型イペリット対策の為の特訓中、最初は唯一条件をクリアしていたよみに妙な癖がついてしまいスランプ状態に陥ってしまう。
急ぐ必要があった為に記憶をリセットしようとした。が、本件はデルウハにとって想定外の事が起こり犯行が露呈、ハントレス全員との戦闘状態に移行してしまう。
結果として全員返り討ちにする必要性が生じてしまった。
・「ある殺害」がバレてしまった為に殺害
対象者:よみ、むつを除く全員→よみ→むつ
デルウハに対する不信感が全員に芽生えてしまった為に全滅させる。
全滅を目指したのはこれが初めてではないのだが。今度はよみの信頼を得ており、よみにとっても記憶リセットが都合の良い状況であったため、よみを味方につけ、他のハントレスと殺し合わせて全滅させた。本当に本当に最低である。
ただし、デルウハが記憶リセットに動くのは何かしら「都合が悪い」「致命的である」と判断した時で、平時はハントレスに対して良き指揮官として接しており、みちに対して「自分でかわいい物を作れるように研究して信頼を得る」という手段を取るなど、地道なコミュニケーションを積み重ねている。
運が悪い
合理性の塊であるデルウハだが、かなり運が悪い。
上記にあるハントレス達への記憶リセットもデルウハの運の無さが起因になっている事も多く、時には「こんな事があるのか?」と本人も焦燥するレベルのことが起こる。
具体的には「大雪の中孤立したはずのハントレス達が方位磁石も地図もなしに偶然合流しており、殺害が難しくなる」「ハントレス達を全滅させなければならない状況で、大量のイペリットが襲来する」「雪に埋めて遠方に隠していた死体が、ワイヤーを括り付けて投げた剣に偶然引っ掛かる」などなど。
記憶リセットを悪用し自分の都合の良いように物事を進めるデルウハだが、この運の無さがあるからか痛い目に合う事も多く、ある意味つり合いが取れているのかもしれない……