概要
日本初の本格的ホームセンター(駐車場併設・平屋店舗・素材の自己加工)として知られている(ただし異説もある)が、これまでに何度か運営会社が変更されている。このため本項ではドイトを名乗る法人の世代について全て記述する。
ヒノデ時代(初代ドイト)
1950年に東京都で創業したタクシー会社・日之出自動車(現在は第一交通産業が買収した上で事業継続)が現在の埼玉県さいたま市中央区の国道17号新大宮バイパス沿いに所有していた土地を生かし、1972年にDIY(Do-It-Youself)形式のショップ「ドイト与野店」を開業させたのが始まりである。翌1973年には社名をヒノデ株式会社に変更した。
1980年代以降は、埼玉県内を中心にロードサイドで大型店を次々と展開していき、さらに与野本店に近接して園芸専門大型店「ドイト花の木(現:ドイトhananoki)」を開業させた。
1991年に流通部門を分社化し現在の法人、株式会社ドイト(初代)を設立。加えて同業他社であるビバホームが先行して手がけていた東京都心部への出店も「タウンドイト」業態で始めた。
しかし、1990年代後半に入ると平成不況の長引きによる需要の低迷に加えて、これまた同業他社であるカインズがドイトの本拠地である埼玉県へ出店攻勢をかけて収益の低下の一途を辿った。
2006年12月、ディスカウントストア大手のドン・キホーテが経営支援に乗り出し、新旧分離で新たにドイト(二代目)を設立し事業を移管し、2007年1月にドンキの子会社として再出発した。
これに伴いドイト(初代)は社名をサンフラワーへと変更し、同年2月13日に解散を決議。翌週の20日には特別清算が開始された(負債総額は108億円)。
ドン・キホーテグループ時代(二代目ドイト)
ドン・キホーテ傘下に入って以降は新規出店した店舗は看板の色が従来の黄色地に赤色抜き文字から緑地に黄色抜き文字に変更される様になり、店内の様相も様変わりしてドンキ特有の圧縮陳列する手法はもとより、従来のドイトでは取り扱われなかった食料品や電化製品なども売られる様になったが、一方で数は多くないもののホームセンターでありながらDIY事業が大幅に縮小されている店舗も現れる様になった。
そして閉店対象外となった郊外店舗のほとんどが従来の白を基調とした店舗外観から、外壁や内装が黒色に改装されてドン・キホーテの郊外店舗として再出発をし、逆にドン・キホーテからドイトに業態転換する店舗も現れる様になった。
ただし、ドンキのポイント制度であるmajicaについては通常のドンキ店舗とは異なる部分も存在し、チャージ時の1パーセントポイント付与(ここは通常のドンキと同じ)に加えて支払時にも1パーセントポイント付与(火曜・土曜はポイント3倍デー)が行われる(ただし、ドイト以外で発行したmajicaで支払時ポイント付与サービスを受けるためには、サービスカウンターでmajicaを提示の上、別途ドイトクラブ会員登録を行うことが必要)が、その代償としてドイト店舗では円満快計サービスは行われない。
2019年11月、ホームセンター・リフォーム部門を2020年2月にコーナン商事へ約68億円で譲渡すると発表。譲渡後のドイト(二代目)は2020年2月1日に株式会社スカイグリーンに商号を変更、本店所在地を目黒区青葉台(ドンキ本社と同じ住所)に移転した。今後同社はドン・キホーテ店舗の賃貸管理に専念することになる。
コーナン時代(コーナンドイト)
スカイグリーンからドイトを譲受されたコーナン商事は店舗運営を自分達のシステムに移行させるため、一旦全店舗を休業して圧縮陳列の解消など「ドンキ色を一掃」させた上で各店舗を「ホームセンターコーナン ドイト○○店」として、リニューアルオープンさせた。
再度の運営移管によりポイント制度は楽天ポイント及びコーナンPayに移行し、店舗の外観に「上から大部分にコーナンのロゴの下に申し訳程度の大きさにドイトのロゴが配置」されている以外は、ほぼ通常のコーナン店舗と同様のものに変化している。
余談
ドイト入間店はクラブドンペンカードが使用出来るが、その代償としてドイトクラブ特典は使えず、なおかつドイト唯一のお酒、おもちゃ取扱店でもあった。
また、折込広告上こそ「ドイト入間店」名義だが、店舗外観や商品はほぼドンキ(入口の看板には「驚安の殿堂 ドン・キホーテ」ではなく「ドン・キホーテGroup DOIT」と付せられていた)であるため、この当時から対外的な通称は「ドン・キホーテ入間店」であった(コーナンへの譲渡後は「ドン・キホーテGroup DOIT」の看板は外され、名実共に「スカイグリーン運営のドン・キホーテ」となっている)。
ドイト仙台若林店は長崎屋仙台バイパス店を業態転換したもので、ホームセンターの形態としては珍しく4階建てとなっていた(ただし店舗自体は3階までで、屋上は203台収容の駐車場となっていた)が、2011年3月にリニューアルオープンしたわずか一週間後に東日本大震災に見舞われ、直後こそ店頭販売を行っていたものの閉鎖を余儀なくされた(なお、初代・仙台若林店の跡地はのちに解体され、現在は葬儀場「若林典礼会館」となっている)。
そんな仙台若林店を支援するため、東京都国分寺市に同等規模の店舗の取得を前提に、被災した仙台若林店の従業員や商品を移動し、旧・イトーヨーカドー恋ヶ窪店跡地に「仙台若林店」改め「恋ヶ窪店」としてオープンすることとなった(特殊な事情があったとはいえ、特定の店舗の移転先が現店舗の近隣の範疇を超える事例は異例である)。
この経緯から恋ヶ窪店は「復興応援フラッグショップ」を標榜している。その後同店舗は新業態店舗にリニューアルし「ドン・キホーテホームセンター恋ヶ窪店」として、DIY系商品を前面に押し出す店舗に衣替えした。