概要
英語表記はBIONICLE。元々はレゴシリーズの一環にして、所謂一般的なイメージのブロック玩具とは少し異なる「テクニックシリーズ」の発展型として2000年に販売されたのが始まり。
その独特かつ個性的なデザインと世界観により人気を博し、以降2010年に一旦シリーズが終了するまで、様々な機械生命体達のキャラクターが製品化された。
また当時のレゴ製品としては珍しく、所謂球体関節を使って複雑なポーズを取らせることが可能であったため、新機軸的なアクションフィギュア傾向の強い新商品としても話題を呼んだ。
レゴである以上、他のレゴ製品のパーツと互換性があり、それによって様々なオリジナル作品を作れることも特徴。
2015年にはリブートとして、主要キャラクター達をリデザインし世界観も一新したものが展開されたが、既存ファン達からの受けはあまり良くなかったようで2016年には展開終了となった。
(ただしレゴ社90周年を記念したセットには、メインキャラクターのヒーローである「タフー」がブロック玩具モデルとして大幅にデフォルメされた姿で同梱されており、ファンからは良くも悪くも大きな反響があった)
以降は2022年5月現在まで新たなプロジェクトの兆しはないが、未だに根強いファンは多く、再度の復活や再販などが望まれている。
(海外は勿論、日本にもファンが一定数おり、意外なところではソニックラッシュなど著名なゲームにおいてBGMを手がけた長沼英樹氏がかなりディープな作中設定を認知していたりする。該当ツイート)
ストーリー
とある惑星の海に浮かぶ巨大な島「マタ・ヌイ島」。
すべてを創造したとされる神の名にちなんで名付けられ、豊かな自然に恵まれたこの地には、遙かな昔から機械生命体達が平和に暮らしていた。
しかし、ある時からマタ・ヌイの"弟"として語り継がれる邪神「マクータ」が兄の栄誉を妬み、闇の力を以てマタ・ヌイを永き眠りに就かせ、島を支配するようになった。
しかし、マタ・ヌイ島にはひとつの伝説が伝わっていた。
島に危機が迫る時、天から「トーア」と呼ばれる6人の勇者が現れ、邪神を打倒するのだと。
ある日、マタ・ヌイの海辺に6つの巨大な筒状のアーティファクトが漂着し、中から強力な武器と能力を持つ6人の勇者が現れた。
伝説は現実となり、邪神を打ち倒すためのトーア達の冒険が幕を開ける。
……だが、それは大いなる真実を解き明かすための、壮大な物語の序章に過ぎなかった。
キャラクター
本シリーズは、実に10年以上に渡って展開されたことで非常に多くのキャラクターが登場する。
ここでは物語においてメインに取り扱われる者達を挙げる。
勇者「トーア」
- タフー(Tahu)
シリーズにおける事実上の主人公。赤い装甲と剣を持ち、「炎」のエレメンタルパワーを操る。
トーアのリーダーであり、短気だが強い責任感を持つ熱血漢。
念じることで強力なバリアーを展開できるマスク「ハウ」を装着している。
- ガーリ(Gali)
トーアの紅一点である女性。青い装甲と一対のバトルフックを持ち、「水」のエレメンタルパワーを操る。
海や川などのすべての水源の守護者でもあり、自然を愛する凜々しくも優しい性格。
水中で一定時間呼吸ができるようになるマスク「カウカウ」を装着している。
- コパカ(Kopaka)
クールな一匹狼。白い装甲と剣と盾を持ち、「氷」のエレメンタルパワーを操る。
馴れ合いを好まず決して社交的とはいえない態度だが、内面は思慮深く勇者としての自覚も強い。
透視を可能とするマスク「アカク」を装着している。
- レーバ(Lewa)
行動的で陽気。緑の装甲と斧を持ち、「大気」のエレメンタルパワーを操る。
身軽で自然を愛するが、少々せっかちであり危機に巻き込まれることも多い。
足下から浮力を発生させて浮くことができるマスク「ミル」を装着している。
- オワツ(Pohatu)
チームのムードメーカー。茶色の装甲と蹴りを強化する装具(主に岩をボール代わりにして蹴飛ばす遠距離攻撃を行う)を持ち、「岩石」のエレメンタルパワーを操る。
社交的で皆から好かれるが、若干優柔不断であり喧嘩の仲裁などは苦手。
超高速での移動ができるマスク「カカマ」を装着している。
- オヌー(Onua)
暗いところでも周囲を見渡せる眼を持つ。黒い装甲と一対の鉤爪を持ち、「大地」のエレメンタルパワーを操る。
寡黙で落ち着いた性格であり、仲間の失敗も過度に責めずに静かに受け入れる度量の持ち主。
恐るべき筋力を発揮できるマスク「パカリ」を装着している。
キーキャラクター
- マタ・ヌイ(Mata Nui)
島中の者達から信仰されている「主神(Great Spirit)」。
伝説では、遙かな昔にとある島に降り立ち、住民達をこの世に生み出したと伝わる。
物語の第一章の舞台「マタ・ヌイ島」の名前の由来であり、シリーズを通して最重要キャラクターとして何度も「実在する」ことを前提に言及されるが、なぜか一貫してその姿を見せない。
- マクータ(Makuta)
マタ・ヌイ島を支配する「邪神」。"マタ・ヌイの弟"として語り継がれる。
「闇」のエレメンタルパワーを司り、島の自然生物を凶暴化させたり、恐るべき怪物を生み出すなどして住民達の平和を脅かし続けている。
後に「マクータ」と呼ばれる強力な力を持った存在達のリーダー格であり、本名は「テリダックス(Teridax)」であることが判明する。
- 偉大なる者達(The Great Beings)
マタ・ヌイやマクータよりも更に「上位」として、島に伝わる伝説などで言及される謎の存在。
非常に謎が多く、一説にはマタ・ヌイの創造主であるとさえ言われる。
用語
- カノイ(kanohi)
トーアや島の住民達が装着している特殊なマスク。顔から外すと弱体化してしまう。
トーアやマクータが装着するタイプのものは、念じることで各種能力を行使できる「グレート・マスク」と呼ばれる。
本作の世界観を形成する要素のひとつであり、多種多様なマスクが存在する。
関連イラスト