概要
もう一つの阿部共実作品、「ちーちゃんはちょっと足りない」と同時に発売された漫画。
どこか乾いた日常を描いたちょっと変なコメディであり、少なくとも鬱展開はない。
ギャグ要素もあり、全体的に雰囲気が明るめの作品である。
また、「空が灰色だから」でも出てきた「県立第三高等学校」が物語の舞台となっている。
あらすじ
中学時代、友達も彼氏もいない黴臭い日常を送っていた少女、通称ギドラは高校の入学を機に自ら部活を立ち上げようとする。その名も「ブラックギャラクシー」という活動内容が特にない部活であった。次第に部員も増えていき、ギドラ達の何気ない日常が夏を舞台に乾くように進んでいく。
登場人物
カッコ内はその人物のあだ名。
ギドラ
この物語の主人公。そして「ブラックギャラクシー」なる部活の部長で高校一年生。
メガネをかけた、少しぽっちゃりしている少女で、太いアホ毛がある。中学時代の友達もいなかった黴臭い日常を高校でも繰り返さない為に「ブラックギャラクシー」という活動内容不明の部活を立ち上げる。
一応、オカルト生命文芸部という名が当初はついていたが、それではまとまりがないということでギドラが「ブラックギャラクシー」と命名した。
活動内容としては、各々が家から持ってきたマンガを読み漁るか、心霊動画を見るかである。
ギドラというあだ名は高校で初めてできた友達である枯木流那が名づけたもの。本人はこのあだ名を表面では嫌がっていたが、内心ではあだ名で呼ばれることに喜びを感じていた。
性格は、中学時代にあまり人と接しなかったためか、人見知りが激しく、普段話していないクラスメイトの前だと黙り込んでしまう。しかし、友人達の前では明るく振舞い、よくしゃべる。
部活内では常にハイテンションで、それ故空回りしてしまうことも多いが、根は純粋である。
何だかんだで最初にできた友達である枯木流那と一番仲が良い。国語が苦手。
本名についてはついに最後まで明かされなかった。
枯木流那(カレルナ)
ギドラの同級生でギドラが高校で初めてできた友達。
腰まで伸びた一本結びのおさげが特徴の少女で、面倒くさがり屋で物静かな性格。
しかし、部活内では周りの人間のレベルが低い分、面倒見の良い性格になってしまっている。
また、言動が親父臭さを感じさせ、周囲に指摘されてうろたえる面もある。
因みに「ブラックギャラクシー」の自分以外の部員のあだ名は全て枯木が命名している。
カレルナというあだ名はギドラに付けられた。また、部活内で唯一の常識人でもある。
同じ部員の座間欣一に恋心を抱かれているが、本人は全く気付いていない。
ギドラとは他の部員と比べて仲が良く、ギドラが国語で赤点とった際にもその勉強に付き合ってあげていた。ギドラに何故自分の赤点の居残りに付き合ってくれるのか問いかけられるも、本人は顔を赤くして黙っていた。
針本月花(ハリセン)
「ブラックギャラクシー」に他の部員よりも遅れて入部した高校二年生のやんちゃな少女。
性格はギドラ以上にハイテンションで周りの部員を引っ掻き回す。さらにあまりデリカシーがなく、空気も読めないが、そういった性格が非常に魅力的な人物でもある。また、母親にどぶろくをプレゼントするためにバイトするなど、どこか憎めない一面も持ち合わせている。
退屈が大嫌いで、日々面白いものを追及するが如く、他の部員をからかってはその様子をニヤケ顔で楽しんでいる。
彼女はテンションが上がりすぎると、ブレーカーが飛んだが如く、急に我に返り一瞬静かになるという変わった特性を持つ。因みに部活内の女子の中では一番の巨乳だったりする。
中学時代は当時よりもっとやんちゃだったらしく、高校生になってからは少し丸くなったらしい。
部活内で最年長であるためか、みんなにパンをおごったりするなど、変なところで気前が良い。
座間欣一(ザッキン)
枯木流那に恋心を抱いているごく普通の男子生徒。高校一年生。
部員確保のため、枯木に半ば強制的に部活に入部させられ、現在に至る。
性格は良くも悪くも普通の男子高校生で、下着姿の針本の胸に見とれたり、針本に服をめくられたギドラから目を背けたりと、純粋な年頃の男子高校生である。
部活内では主にツッコミ役を担っており、特にギドラと針本の言動に対して的確なツッコミを入れている。枯木とは、中学時代からの付き合いであり、中学三年生の時にあることがきっかけで枯木に恋をしたらしい。枯木とは漫画を貸し合ったり、遠回しにデートに誘ったりするなど、枯木との距離を縮めようとするも、枯木本人にそんな気もなく、座間の気持ちにも気付いていない。
渋谷千夜乃(チョロ助)
ギドラに連れてこられ、部活に入部させられた小柄な少女。高校一年生。
頭に二本のアホ毛のようなものがあり、部員の中では一番背が低く、小学生のような顔立ちも相まって他の部員より年下に見える。また、同年代なのにも拘らず、他の部員に対してくだけた敬語を使う。争いごとを好まない温厚な性格で、誰にも優しい。
同じ部員の城杉と仲が良く、よく二人で談笑したりしている。また、かわいいもの好きで城杉がお子様ランチをレストランで注文した際についてきた猫のおもちゃを城杉からもらった時には素直に喜んでおり、このことがきっかけで城杉を良い人と断定してしまうなど、単純なところもある。
城杉大輔(シロ)
座間欣一の中学からの親友で無口な男子生徒。高校一年生。
ボサボサな髪に、乾いた瞳、ほとんど開かない口など、どれをとっても謎だらけである。
因みに部員の中では一番背が高く、女子の荷物を持ってあげるなど、優しい一面もある。
登場シーンが少なく、セリフもあまりないため、ほとんどが謎の人物である。
また、意外にも運動神経はよく、自分よりも体格の大きい男性を背負い投げしたこともある。
普段は無口だが、親友である座間の前ではよくしゃべったりすることもある。
余談だが、作中で城杉と針本が会話するシーンは一度もない。漫画の守備範囲は広い。
座間弥和
座間欣一の妹で小学一年生の幼女。兄である欣一にべったりで、あまえんぼう。
枯木を初対面で親父臭いと言ったり、部員を「ほにゅうるいども」と呼んだりと、その言動には謎が多い。渋谷千夜乃を親分と呼び慕っている。
田無以蔵
24歳独身の国語教師。女子に目がない。一応、「ブラックギャラクシー」の顧問だが、全く姿を見せておらず、幽霊顧問の可能性がある。