月曜日の友達
げつようびのともだち
※画像は作者本人の投稿作
ビッグコミックスピリッツにて、2017年25号から2018年2・3合併号まで隔週連載されていた阿部共実の漫画。新連載第1話では巻頭カラーを飾っている。単行本は全2巻。
多感な中学生たちの揺れ動く心情が、独特の筆致で瑞々しく描かれる。
2017年12月には単行本が1巻のみの時点で、宝島社の『このマンガがすごい!2018』オトコ編4位を受賞。
同月にサブカルチャー誌『フリースタイル』の『THE BEST MANGA このマンガを読め!2018』特集でも5位に入っている。
2018年12月には『THE BEST MANGA このマンガを読め!2019』11位に選ばれる。
月曜日。今日もまた学校が始まる。
月曜日、クラスメイトたちは恋愛バラエティ番組の話題で持ちきり。
そんな中、小学生のままのノリではしゃぐ水谷茜は、急に大人びた様子の周りとの感覚のズレに言いようのない焦燥を覚える。
ひとり取り残された気分の水谷は、ある夜衝動的に自宅を飛び出し学校へと向かう。深夜の校庭で彼女が出会ったのは、変わり者と噂されるクラスメイトの月野透だった。
水谷は思いがけず、また月曜日の夜に彼と学校で会う約束を交わす。
海沿いの小さな田舎町を舞台にして、あどけない少女と少年のまばゆい日々が綴られてゆく。
水谷茜(みずたに あかね)
本作の主人公。中学一年生。
中学生になった途端に言動を変えた周囲に戸惑う。元気溌剌で運動神経も抜群だが、友人たちにはその幼さを笑われてしまう。
県外の高校に通う姉が一人おり、才色兼備の彼女とは何かと比較される。
※画像は作者本人の投稿作
2018年2月発行の完結となる単行本2巻を祝し、このマンガがすごい!WEBにて2・3月連続掲載のインタビューが行われた。
インタビュー第1弾では、連載に至る経緯や作中で注力した点が語られる。
当初は単巻の予定でいたが描きたい内容が増え2巻分になったことや、ネームの完成までに一年を費やしたことなども明かされる。
- 影響を受けた作品
思春期の中学生をテーマに大友克洋の『童夢』のような作品を描きたいと構想したものの、無意識にスタジオジブリの映画『耳をすませば』の影響が出ていたと言う。
この『耳をすませば』は、漫画家になる夢を抱き始めた中学生当時の阿部共実が、夢中になった映画の一つ。
言葉選びや文章での表現は、ちばてつやの『あしたのジョー』から影響を受けている。
- 用いる言葉への意識
青年コミック誌の掲載でありながらルビが多く難解な表現を避けたのは、宮沢賢治に倣ってのこと。小学館雑誌に特有の台詞に句読点を含むルールにも苦心した模様。
台詞のリズムにも気を遣っており、単なる詩や小説の模倣ではなく、絵柄やストーリー作成と同様に自身の武器として言葉による表現を磨いている。
インタビュー第2弾では、作画中の苦労や画面構成に関してなど、より詳しく制作秘話が語られる。
【公式】『月曜日の友達』主題歌
【公式】amazarashi『月曜日』MV
5:28から描き下ろし新エピソードを収録
2018年3月に単行本2巻の発行に合わせ、ロックバンドamazarashiによる『月曜日の友達』の主題歌『月曜日』が配信。
このコラボは元より阿部共実がamazarashiのファンであり、『月曜日の友達』との作品性の近さから、ビッグコミックスピリッツ編集部がプロモーション映像用に過去楽曲の使用依頼をしたのがきっかけである。
amazarashiのボーカル兼ギターを担当する秋田ひろむは、阿部作品の『ちーちゃんはちょっと足りない』を愛読しており、オファーを受けて『月曜日の友達』を読むと新曲の提供を申し出る。
その後デモ音源を聴きインスパイアされた阿部が、Music Video用に『月曜日の友達』の新エピソードを描き下ろす。
配信限定楽曲としてリリースされた『月曜日』には、MVのラストにくだんの新エピソードが収録されている。
特設サイトのコメントにて、秋田ひろむは「個人的なファンアートのような気持ちで作りました。」と述べ、阿部共実は「この年になって味わったことのない体験」だと語っている。
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すべて見る「月曜日の友達」論考
「月曜日の友達」に見られる繊細な心理描写や巧妙な伏線を可能な限り言葉にしようと自分用に記したが、思ったよりも詳細になったので体裁を整えて投稿することにした。この漫画のまとまった考察はあまりないようだし、どこかの「月曜日の友達」愛好家の目にでも留まることを願う。30,000文字pixiv小説作品