概要
サンデーGXで2019年3月号から2023年5月号まで連載されていた漫画作品。
作者はアキリ(pixivアカウント)。
不老不死の吸血鬼の少女と、彼女に惹かれた人間の少女の百合漫画である。
一部シリアス寄りなエピソードもあるが、全体としてはコメディ要素が多め。
単行本全9巻。
作者のpixivアカウントで1~3話などの試し読みができる。
あらすじ
祖母の葬式に出席した14歳の少女朝桐一花は、そこで出会った西洋人風の少女アリアに一目惚れしてしまう。
そして一花は、アリアが吸血鬼であること、彼女が「一花に殺されたい」と願っていることを知る。
登場人物
- 朝桐一花
※画像手前
主人公の少女。14歳の中学生。
祖母・千代の葬式に出席したその日、見慣れぬアリアと遭遇し、その美貌に一目ぼれする。
やや控えめだが、祖母の性格を受け継ぎ、決めた事は簡単には曲げないところがある。また、祖母から言われた「心を奪われるという事は、逃げられるものではない」という言葉に従い、一目ぼれしたアリアの事を一途に想うようになる。
実は、吸血鬼リルを殺せる(消滅させられる)、宝剣の使い手。
- アリア
もう一人の主人公。吸血鬼(ただし本人は、この呼び方を好まない。後述)。
一花の祖母・千代とは若い頃の知り合いで顔見知り。その面影を持つ一花に近づく。
ほぼ不老不死で、数世紀にわたり生きてきた。そのため、生きる事に飽き、一花に自分の命を絶ってくれるようにとお願いする。
長く生きてきたが、それでも近年の様々なものに対しては(14歳の女子のように)興味を示している。また、色恋沙汰はやや苦手で、一花の首筋に噛みつき血を吸うも、唇にキスされる事に関しては慣れていない。
本人は自分たちを「吸血鬼」と呼ばれる事はいささか好んでおらず、『リル』と呼んでいる(後述)。
本作の吸血鬼『リル』
アリアを含め、本作には吸血鬼が多数出て来る。
本人たちは吸血鬼と言う単語はあまり快く思っておらず、『リル』と呼称している。
血を吸う事は様々な物語の吸血鬼と同じだが、血液以外にも人間の食物ならば普通に摂取できる(TVなどで紹介された料亭の料理なども「ここのは美味そうだから食べたかった」などと言って食していた)。
また、日光はさほど苦手ではなく、日中も活動可能。ニンニクや杭なども特に苦手ではなく、通常の物理的な負傷を負っても致命傷にはならない。
催眠術が得意で、周囲の人間たちにかける事で、自分たちを不審に思われないようにしている。催眠術をかけられた人間は、その瞳が渦巻き状になり、かけた側の言う事を納得しそれに従うようになる(いきなり引っ越ししてきても、「以前から来るように言っていた」と催眠をかける事で、納得し受け入れてしまう)。この力で、アリアは学校に転校してきたり、アリアの部下なども保険医として潜り込んだりしている。
過去には人間社会に入り込み、少なからず様々な影響を与えていた(本作では、瀉血という治療行為は『楽に血を得るため、リルたちが人々に事実無根な噂を広めたもの』という設定)。
不老不死ではあるが、それゆえ「死ねない呪い」と感じる事も少なくない。しかし、ある寺院内に奉納された宝剣など、その存在を滅する=殺せる方法は存在している。
リル化は、対象となる人物へ、リルの血を与える事で行われる。ただしリル化は必ずしも成功するとは限らず、その確率も決して高くはない。リル化に失敗したら、理性が失われた怪物『死鬼』へと変貌する。