マンガ「乱と灰色の世界」は、入江亜季による現代ファンタジーである。
2008年12月に「Fellows!」にて連載開始し、2013年以降は「ハルタ」にて2015年4月発売のvolume23まで連載された。
単行本は2015年6月26日最終巻の7巻が発売された。
ストーリー
地方都市・灰町には4人の魔法使いが住んでいる。
その中でも一番幼い小学生の漆間乱の特技は大きすぎる大人用のサイズのシューズを履いて大人の姿になることであった。その姿で大晦日の夜に初詣に行こうとしたが、眠気に負けて兄漆間陣によって部屋まで運ばれる。そしてそこで母親の手鏡が割れていることに気付くのであった。
灰町に続く何処かには魔法使いの住む町があり、人間世界へつなぐ扉はいつも監視されている。悪しき骸虫を通らせないために…。
これから1~7巻までの内容を含みます。
登場人物
- 漆間乱(上が変身した姿で下が本来)
本作の主人公。小学四年生。天真爛漫だが少々どんくさい、かつ同世代の子供と上手くコミュニケーションできない。子供ながら母親似の膨大な魔力を持っているがたま緒(後述)曰く「雑念」が多いらしく、鍵を開けるなど簡単な魔法しかできない。唯一の得意魔法はあるスニーカーを履いて高校生くらいの大人に成長すること。この魔法は他の子供にも応用でき、さらに乱自身大人の姿だと魔法を思うように使えるようになる。
最終巻では己の悲しみを乗り越え、やるべきことを見つけ本当に「大人なった」
- 漆間陣
乱の兄。毛皮を羽織ることで(羽織らなくともいい場合がある)大きな狼に変身できる。高校三年生。文系トップらしいがスポーツも万能であり、多くの女子から好感を持たれている。
- 漆間全
乱と陣の父親。鴉に変身できる。変幻自在の槌を持ち、黒羽衆と呼ばれる戦闘集団のトップ。いつも目を閉じたような顔をしている。家事一般が得意。
- 漆間静
最強の魔女であり、乱と陣の母親。美しい銀髪と素晴らしい美貌、肢体を持っており多くの魔女の憧れの的。少し世間とずれているが家族を強く愛している。
- 三門凰太郎
乱が漂流して辿りついたマンションの最上階に住んでいる眼鏡の男性。端正な顔の持ち主でお金持ちであり性格は身勝手で女癖も悪いが乱(大人の状態でしかあったことがない)には「僕には乱が光って見える」「僕までまっさらに洗われるような、すごくいい気分なんだ」と特別な感情を抱いており、優しく無理に手を出そうとはしていない。執事に五郷と呼ばれる壮年の男性がいる。
事故で骸虫に食われ命を落とした。最期は乱が10歳であることを知り「10歳でも愛している」「夢の中で会おう」という乱への愛情から幼い彼女の為に大人になった。
- 皇珊瑚
皇四姉妹の三女。姉に氷使いの瑪瑙、刃物のナース瑠璃、妹に働き者の琥珀がいる。蚕で紡ぐ糸に魔力を込め、結界を張れる魔女。静の元に仕えていた。大和撫子よろしく奥ゆかしい性格だが漆間兄妹を強く慕っており、陣の恋人。年は16歳で一時期高校一年生になっていた。
のちに陣と結婚し嶺という男の子と…どうやらあと三人ほど子供に恵まれたらしい。
- 日比誠
乱の同級生。家は花屋、夢も花屋。普段はいい奴で友達も多いが、乱に対してはいじめっ子らしく意地悪だった。しかし、ある時期から乱に特別な想いを抱いている模様。
そのあと乱と友達になり、彼女のために命を張った。そばにいて彼女を正しい方向へ引っ張った。
- 橘たま緒
体中にそばかすのようなものがある女性。魔力を持たない魔女。魔法は使えないがゆえに魔法に対しての理解は誰よりもあり魔法研究の第一人者。ものぐさで酒や煙管を好み、さばさばした性格。乱の魔法の先生。仁央から慕われている。
―月光院仁央
天才魔法少女。風使い。伝統的な魔法使い一家月光院家の跡取り。扇子と魔力を込めた練り香、雷轟と呼んでいる獅子のような魔法で動かす置物を持っている。
理論魔法が好きでたま緒に異常な尊敬を持っている。そのためたま緒の生徒となった乱と勝負するためやってきた。
自他対してストイック。乱のぽややんとした性格に反発することも多かったが、乱の友達で好敵手となる。