天上不知唯我独損(ハコワレ)は、ナックル=バインが発現させた念能力である。
効果
ナックルが相手に念攻撃を当てることで発動する。
発動すると、相手に念攻撃で自身のオーラを強制的に「貸す」ことができる状態になる(相手側は「借りた」分だけオーラが増す)。相手もまたナックルを攻撃することでオーラを「返す」ことができる。これによりオーラの貸し借りが発生しているうちは、攻撃によるダメージが発生しない。
相手が借りたオーラをナックルに全て返すと能力は解除される。
オーラを貸している間は、マスコットである「ポットクリン」が相手にまとわりつく。
ポットクリンには貸し付けたオーラ量を数値化するカウンターがついており、貸した分の利息(10秒につき1割)をカウントする役割がある。10秒ごとに「時間です 利息がつきます」と喋り、オーラが増えた分だけ大きくなる。ただし、ナックルと相手の距離が100m以上離れると利息のカウントをストップする(ナックルがそうしない限り能力の解除はされない)。
ポットクリンはオーラ量をカウントするだけのマスコットなので直接的な害はなく、同時にあらゆる攻撃を受け付けない。ただし、10秒ごとに喋る上に勝手に大きくなるので、割とうっとうしい。
利息分を含めた、ナックルの貸し付けたオーラ量が「相手のオーラ絶対量」を超えると(破産)し、ポットクリンが「トリタテン」に変身。1ヶ月の間相手を強制的に「絶」状態にし、一切の念能力を制限する。(あくまで念能力全般が封じられるだけで、一般的な生活する分にはあまり支障がない。)
弱点
使用者であるナックルの優しさに起因していることであるが、この能力は敵の殺傷を目的としておらず、加えて敵の行動を特段封じる訳ではない(ただしこれは発動条件の緩さのせいかもしれないが)ので、破産成功は相手の実力や発の種類にかなり依存している。
破産するかどうかが相手のオーラ絶対量に左右されるため、あまりに実力が違いすぎる相手に対しては破産そのものがかなり難しくなっている(強い相手ほど総量が多く、攻撃による1発の返済量も大きいため)。しかし持続性と射程距離に優れているので、ヒットアンドアウェイを駆使して利息を嵩ませれば、強大な相手でも念封じのチャンスが作れる能力とも言える。
余談
恐ろしく面倒で危険な手順を踏む必要がある代わりに、相手を一切殺傷することなく長期間戦闘不能状態にすることができるという封印に近い性質を持つハコワレだが、よくよく考えてみるとかなりナックルの性格と相性のいい能力となっている。
ナックルの長所である計算能力と持久力、逃げ足が活かせ、かつぶつかり合うことは好きだが、相手を傷つけることには躊躇があるというナックルの思想がよく反映されている。動物にも念能力者がいる可能性はあるので、傷つけずに無力化するという能力はビーストハンターの職務にも適しているのかもしれない。
能力名は「天上天下唯我独尊」(仏教の教え)に、「天井知らず」(上限がないこと。貸付額が際限なく上がっていくことと、相手のオーラ上限がどの程度か分からないことを掛けている?)を掛けたものと予想される。また、能力的にもナックルはオーラを貸すだけであり、破産させてもオーラが帰ってきたりするわけではない辺りが「唯我独損」なのかもしれない。
ルビの「ハコワレ」は麻雀用語で、自分の持ち点が0以下になること。作中でも同義語である「(貸付残高がオーラ量を上回った時)おめーはトぶ」という表現をしていることから、「キマればオーラを0にさせる能力」という意味であろう。