概要
返校の主人公。ニックネームは『レイ』。台湾にある翠華高等学校の学生。後輩の男子生徒・ウェイに講堂で眠っている所を発見され、嵐の学校に閉じ込められたことに気付く。嵐の学校から二人で脱出しようと仕掛けや謎を解いていくが…。
白鹿のペンダントを大事にしている。
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ネタバレ
学校を彷徨う内に少しずつ記憶を取り戻していくレイ。
仲睦まじかった両親がいつの頃からか不仲となり、激しい喧嘩を繰り返す日々の中、家に居場所が無く塞ぎ込んでいたレイの相談に乗ってくれたのはカウンセリングの先生・張明暉(チャン・ミンホイ)だった。白鹿のペンダントも彼からプレゼントされた物で、二人で映画に行くなどデートじみたことをする内に、レイはチャン先生に惹かれていく。
しかしある日を境に突然チャン先生に冷たくされるようになってしまう。家でも母が父の収賄疑惑を密告し、父は連行されてしまった。元気を取り戻しかけていたレイの心は再び沈んでいく。そんな時チャン先生とイン先生がレイのことで口論しているのを聞いてしまう。その会話からレイは二人の関係を疑い、イン先生が自分とチャン先生を引き裂こうとしている…恋敵と勘違いしてしまった。
実際のところチャン先生はイン先生とは何も無く、彼女は読書会のメンバーを危険に晒しかねず、相手も未成年という問題の多い二人の恋愛を戒めただけなのだが、この時のレイには知る由もなかった。
さらなるネタバレ
思いつめたレイはバイ教官にイン先生を密告してしまった。レイの目的は恋の障壁となるイン先生の排除のみで、読書会を潰すつもりやイン先生への殺意までは無かったのだが、国は芋蔓式に読書会の事実をも突き止め、生徒達やチャン先生も逮捕される。
その結果、イン先生は海外に亡命するも帰国は叶わず病死、読書会のメンバーには懲役刑が科され、ウェイは懲役15年の判決が下り、そして…チャン先生は死刑という最悪の結果になったのだった。
自分のした事が多くの人々の人生を壊し、最愛の人の命まで奪ってしまった罪の意識に苛まれたレイは、ついに自ら命を絶ってしまう(作中で“チクリ魔”と悪口を書かれた貼り紙が箒でドアを塞いだトイレに貼られ、誰かがイジメを受けている様子が描写されている。対象は読書会を密告したレイ説が有力だが、彼女に読書会の書籍名が書かれたメモ紙を渡した…つまり間接的に読書会を破綻させたウェイ説もある。この事もレイの苦になっていた)。
レイは既に死んでいたのである。死してなお罪の意識に苛まれ続ける彼女の魂は浮かばれず、時が経ち廃墟となった学校を無限に彷徨い続けていたのだった。
そして…
白鹿より 僕の白水仙へ
運命が君と僕を分かつ。
なら、来世でまた巡り会おう。
僕たちの自由のために。
思い出したく無かった過去の悲劇に苦しみ、学校の形をした煉獄を彷徨い続けるレイは、やがて一つの紙飛行機を見つける。
それはかつてチャン先生と自分が知り合うきっかけとなった出来事を思い出させた。詩が得意だったレイは自分の苦悩を紙に記し、紙飛行機にして飛ばしていたのをチャン先生に拾われた事があった。それが二人の出会いだったのだ。
紙飛行機に書かれた文は紛れもなくチャン先生が自分に宛てたものであり、レイはチャン先生が自分を愛する気持ちを失っていなかった事を知る。
そしてレイは、チャン先生が逮捕された当日の幻を見て、チャン先生の偽らざる想いの独白を聞き、涙するのだった。
現代。歳を重ねたウェイが廃校となった母校を訪れる。自身が少年時代を過ごした教室で、机に座り過去を懐かしむウェイの前に、レイの魂が現れる。何十年と時を超え漸く再会した二人は、夕陽が照らし出す中静かに見つめ合うのだった。
映画版
演者は王淨(ジングル・ワン)。髪型が今風だったゲーム版と違い、より史実に沿ったものに変わっている。
また結末が原作と異なっており、ゲーム版では自らの過去を思い出すのみに留まっているが、映画では共に異界へ迷い込んだウェイ(の意識体)を現実世界へ帰すよう、チャンに導かれている。