概要
春組の卯木千景、冬組の御影密の『月下の影』ペアに彼を加えたコンビの名称。
非公式。
※以下、メインストーリー第5幕以降のネタバレ、イベントストーリー、バクステ及びアニメのネタバレにつき、未読の方は閲覧注意。
千景と密はとある『組織』に在籍していた過去がある。
エイプリルとディセンバーと名乗り、もう1人の仲間であるオーガストと共に3人でチームを組んでいた。
ゲーム内にある『出稼ぎ』での千景と密の関係が「月下の影」であること、
夜と月の描写が多いこと、彼らの人生が大きく狂わされた日(後述)が大きな月が出ていた夜だったことなどを踏まえ、
『月下組』と称されることが多い。
ただし、これは監督の間でいつの間にか広がった名称であり、公式ではない。
メンバー
組織のコードネームは、誕生月を名前に当てられていると推測される。
登場ストーリー
メインストーリー
第5幕『めざめる月』
密が過去を日記のように語る形で物語が進んでいく。
失った記憶を少しずつ思い出すような描写であり、
幸せな記憶と、『あの日』の記憶が交互に思い出されていく。
なお、月日しか語られないため、現在から何年前の話かは不明である。
家族になった日
第4話『夢日記』
「ありがとう。今日から僕たちは『家族』だ」
ある年の12月17日、寒空の下裸足で凍えるディセンバーにオーガストが声を掛ける。
ディセンバーがオーガストとエイプリルが出会った日。
行くところがない、というディセンバーをオーガストが『組織』に誘うが、ディセンバーは断る。
その後何度も誘われても、断り続けたある日、オーガストはディセンバーにジンジャーブレッドを渡す。
ディセンバーはジンジャーブレッドを一口食べると、立ち去ろうとするオーガストに「一緒に行く。」と返答する。
ジンジャーブレッドがもっと食べたいから。
その理由に、「なんだ、最初からお菓子で釣ればよかった。」とオーガストは笑い、
最初から反対していたエイプリルは「絶対こいつ役に立たない」と不満そうな声をもらすのだった。
3人が、『家族』になった思い出である。
口うるさいアイツと
第12話『真実は、』
「お前はこいつに甘すぎるんだ。」
「そういうキミは真面目すぎるんだよ。ほら、甘いものでも食べて、イライラを収めて」
ある年の7月18日。
密が組織に入り、ディセンバーと呼ばれるようになって、しばらく経った頃の記憶。
「単独行動をするな」と怒るエイプリルに、「単独行動じゃない。ただ寝てただけ。」などとまるで子供のような言い合いから始まる。
それをオーガストが「コラ、ふたりともケンカしない!」と間に入り、「甘いものでも食べて、イライラを収めて」と甘味を渡す。
ディセンバーは大人しく受け取り口に入れるが、甘い食べ物が苦手なエイプリルは拒否をする。
しかし、オーガスト「それとも最近完成した新薬の実験台になりたい?」と言われ、渋々受け取っている。
エイプリルを説得して(脅した、ともいう)「はい、これで仲直り!もうケンカしちゃダメだよ?」と仲裁する
エイプリルは渡された甘味を、「お前が食え。これでチャラだ」とディセンバーに渡す。
ある程度日常的な会話に見え、3人の性格や関係性が垣間見える記憶である。
エイプリルは比較的過程も重視するタイプ。
危険を伴う任務であるから当たり前なのだが、慎重で、計画通りの動きを好む。(ただ面倒なことに巻き込まれたくないだけかもしれない。)
MANKAIカンパニーでいうと彼がその役目を担っているのだろう。
オーガストは、比較的結果を重視するタイプ。
「結果的に何事もなかったんだからいいだろう?」と任務中に寝ていたディセンバーに苦言を呈すこともなく、甘いもので場を収めようとする。
彼もディセンバーと同じくらいマイペースなようにも見える。
ディセンバーは現在と変わらず、いつでもどこでも寝たいようで、甘党。
余談だが、この会話からここでオーガストが二人に渡した甘味は『マシュマロ』であり、
ディセンバーに初めて『マシュマロ』を与えたのは、オーガストだと思われる。
名前
第18話『倍返し』
「日本通の僕が二人にかっこいい名前を考えておいてあげたよ」
「かっこよくてどうするんだよ。目立たないようにしないとダメだろう」
ある年の10月19日。
3人は、アジア圏での任務を任される。
エイプリルは日本の商社に潜り込み、ディセンバーは某国の組織に二重スパイとして潜り込み、日本での潜入活動を行うことになる。
オーガストは2人のバックアップを任される。
ここでは、オーガストがエイプリルとディセンバーに日本での名前を命名する。
その名前が、『御影密』。
『卯木千景』もこのときオーガストがつけた名前(冬組第六回公演『Risky Game』より)
その後も日本文化に慣れてもらうために、オーガストは抹茶を持ってくる。お茶を立てる道具も一式あるようで。
一口飲んだディセンバーは「苦い」「もういらない」と返す。
それに「甘いものしか食べないから、いつまでたってもお前は甘ちゃんなんだよ」とエイプリル言われ、
「エイプリルは辛いものばかり食べるから、そんな風に性格がねじ曲がって辛口になっちゃったんだね。」とオーガストに言われる。
そのやりとりに、笑うディセンバー。
3人が日本にやってきた頃の話。
最近の話のように見えるが、千景が至の先輩であることからおそらく、3年以上前の話である。
(しかし、経歴の捏造というのもありえるので、確かなことは言えない。)
千景と密に名前をつけたのは、オーガスト。
ディセンバーは大層気に入っている様子。
さらに余談だが、ここで出てくる『抹茶』は、密の中で思い出深いものらしく、ACT1の密SSRのバクステ内で、「飲んだことある」と抽象的ではあるが思い出には残っており、
過去を思い出すきっかけになるかもしれないと誉の句会に参加し、お茶を飲みに行くという話もある。
その時思い出したことは「苦くて嫌いだった」ことだけだった。(密SSR【茶の心】『お茶会大作戦』)
作戦決行前夜
第23話『目覚めた時に』
「今回の任務、絶対に失敗するなよ。もし、お前のせいであいつが死んだら……俺はお前を許さない」
ある年の12月2日。
ある作戦の決行前夜、この日は久しぶりに3人が揃った日。
大事な作戦、危険が伴う作戦前のせいか、今までとは違う緊張感みたいなものを感じる。
もしもの時は自害薬を使えばいいんだろ。と平然というディセンバーに、オーガストが「自分の調合した薬で、かけがえのない家族を失うかもしれない僕の気持ちもわかってくれ!」と声を荒げる。
そして、オーガストが出ていった後、エイプリルにオーガストが死んだら許さないと釘を刺される。
「……クリスマス、また三人で、ジンジャーブレッドを食べるんだろ」
しかしそのエイプリルの声は、先ほどの「お前を許さない」と言った冷たい声ではなく、少し励ますような優しい声。
しかし……――――
その約束は二度と果たされなくなる。
あの日
第25話『あの日』
「組織に誘ったのは僕だから、何があっても二人を死なせたくなかった……」
ある年の12月3日。
オーガストとディセンバーが二人でついた任務。
オーガストがサポート役として、ターゲットのビルに侵入し、データをコピーして帰るだけの簡単な任務。
オーガストの入手した情報も、計画も完璧だったはずだった。
しかし、2人の侵入計画自体が何者かによって漏れており、待ち構えていた相手に囲まれ、逃げる途中でオーガストが銃弾を受ける。
2人でなんとかビルを逃げ出すが、逃げ場のない断崖に追い込まれ、オーガストは自分の死を悟り、ディセンバーだけでも逃げるように諭すが、
オーガストが助からないのならと、ディセンバーはオーガストが調合した自害薬を飲み干す。
しかしそれは自害薬ではなく、オーガストの手ですり替えられた、一時的に記憶をなくす薬だった。
「組織や僕のことを忘れて、新しい人生を……」
「生きて……」
そして、薬を飲んで意識がもうろうとするディセンバーを逃がすために崖から突き落とした。
そこからディセンバーは、オーガストの「生きて」という言葉に従い、無我夢中で泳いだ。
浜まで泳ぎつくと意識を失い……目が覚めたときには、何も覚えていなかった。
その後
たった一人残されたエイプリルは、組織から「ディセンバーが組織を裏切り、オーガストが任務中に死んだ」と告げられていた。
亡くなった家族の死を悼むことも、受け入れ、悲しむことも出来ず……だた裏切り者のディセンバーへの怒りと憎しみだけを抱えて生きていく。
しかし、この時点で千景は、密が記憶を失っていることは全く知らない。
冬組の旗揚げ、第二回公演、第三回公演をすべて観劇している千景に、密は「大切な家族を殺し、新しい人生をのうのうと生きている裏切り者」という風に映っていただろう。
憎くて、悲しくて、許せなくて、それでも手をかけず、公演ごとに花を贈り、わざわざMANKAIカンパニーに入団し、罪を問うその行動は、はっきりとした記述はないが、家族だった密への愛情が現れてるように思う。
そして第5幕で密と向き合っただけでなく監督、春組をはじめとしたMANKAIカンパニーの劇団員達に支えられ、本当の意味でオーガストの死を受け入れることができる。
そして、彼の最期の願いである「新しい人生を生きてほしい」それを守っていく。新しい家族とともに。(第34話「第二の人生」)
「どうか……お節介で人の幸せばかり考える愛すべき俺たちのオーガストが、安からな眠りにつけますように……。」
イベントストーリー
新生冬組第六回公演『Risky Game』
第5幕の『めざめる月』が千景が過去を知り、受け入れ、みんなと今を生きていくストーリーであるなら
この新生冬組第六回公演のイベントストーリーは、密が過去と現在、オーガストの最後の願いの中で揺れ、悩み、答えを見つけるストーリーである。
オーガストの日本での名前、職業が明かされ、立ち絵が登場した記念すべきイベストである。
密は、オーガストの最期の願いである「すべてを忘れて、新しい人生を生きて欲しい」という願いを叶える為に「ディセンバー」であった過去をすべて捨てようとしていた。
しかし、簡単に捨てられるものではなく、捨てようとすればするほど、家族に会いたくなってしまうと東に吐露する。
それを聞いた、東の提案でオーガストと最期に別れた場所に冬組と共にやってくる。
そこで手向けの花に、紬から分けてもったスイートピーを贈り、過去を捨てずに、過去を含めて『御影密』として生きていくことを決意する。
そしてその日、夢でオーガストと出会う。
都合の良い夢?と聞く密に、それを言ったら台無しじゃない?とオーガストが笑う。
新しい人生のこと、エイプリルとちゃんと仲直りできたことを話すと
「勝手なことをして、迷惑かけてごめんね」と謝るオーガスト。
「でも、2人が今も一緒にいてくれて、新しい家族と笑って過ごせていることが本当に嬉しいよ」と笑う。
過去を全部背負ったまま生きていく決意を伝えると、全部忘れちゃったほうが楽なのにね。とすこし悲しい表情を見せながらも
「密がそれでいいなら、いいよ。」と。
「僕らは最強のチームで『家族』だからね。ずっと、ずっと。」
夢から覚めた後、千景に「オーガストに会った。夢だけど」と伝えると、「どうせ、バカみたいにへらへら笑ってただろ」と笑っていた。
オーガストの代わりに、舞台を見て欲しいとお願いされた千景。
「まぁ、寝太郎にしてはがんばったんじゃないか。なあ……オーガスト。」
幕が下りたあとのカーテンコールで、千景が独り言のように呟く。
ミックス公演『Scarlet Mirror』
本当の「裏切り者」が判明するイベスト。
裏切り者の名前は『ジュライ』
7月を表すコードネームを名乗っており、年齢は千景、密と同年齢の26歳。
ジュライを誘い出し、真実を吐かせるために千景と密が芝居を打ち、捕まえる。
本当の意味で過去のと決着が付いたストーリーである。
芝居を打って相手を騙す作戦を思いつくのはオーガストだが、エイプリルは反対していたらしく、
密から「千景がこういう作戦使うと思わなかった。」と言われている。
初日が終わった後、誰も居ない舞台で二人きりでやった最初の任務を思い出す。
オーガストが、心配してずっと玄関で待っていたこと。
その割に、帰るなりダメ出しばかりされたこと。
懐かしむ2人のもとに監督がやってきて、稽古中はどうなるかと思ったけど、安心した。といいつつ
劇中のアクションシーンで、本当に殺し合っているような2人の緊張感と殺気に
「あんまり本気で殺し合いすると、お客さんもびっくりしちゃうんで気をつけてくださいね。」
あんまり私情を挟みすぎずに――。と監督にもダメ出しされて、
「やっぱりダメ出しだ。」「同じだな」と笑顔の2人がようやく見られる。
バクステ
※過去の回想でオーガストが含まれるもののみ
※回想部分のみ抜粋
【千景】
・SR【VIVID SPRING】『NIGHT FLOWER~スズラン~/2』
オーガストが2人にスズランの花言葉を教えてくれる。
・SR【満開Playback】『Again and Again/2』
千景の誕生日、遅い時間に帰ってきたにもかかわらずケーキを作る話。
・SR【追懐ジンジャーブレッド】『夢と現のジンジャーブレッド/1』
現実のような夢の中で3人でジンジャーブレッド作る話。
【密】
・SR【満開Playback】『Again and Again/2』
誕生日に任務が入って、早く帰りたいと気持ちが急いて無茶をしたのを怒られる話
・SR【追想ジンジャーブレッド】『クリスマスのマシュマロ』
3人でクリスマスにプレゼント交換をする夢を見る話。
関係するアイテム
ネックレス
組織から支給されたもの。自分が『自分』である証。(冬組第六回公演『Risky Game』第6話より)
これを落したとき、オーガストがディセンバーを厳しく叱ったため、ネックレスには重要な意味があると思われる。
しかし、長期間利用していると外れやすくなるため、オーガストが『家族の証』として、指輪をつけようと提案する。
指輪
オーガストの提案で、ネックレスの代わりに、生きてる証で家族の証として身につけていたもの。
エイプリルが左手の中指。
オーガストは右手の親指。(冬組第六回公演『Risky Game』第8話より)
ディセンバーの着用場所は不明。
現在では、持っているのは千景のみである。
自害薬
何かがあったときに、とオーガストがエイプリルとディセンバーに持たせた青色の小瓶。
首からかけられるようになっている。
しかし、二人の瓶の中身は自害薬ではなく、オーガストがすり替えた一時的に記憶を失う薬。
本物の自害薬は、甘い匂いがする。(第5幕 第25話『あの日』)
月形のピアス
「観月会」の出店で密が購入したもの。
昔、千景がつけていたものに似ているのではないかと聞くと
「そんな女物みたいなやつはつけないない。そういうのは俺じゃなくて、ジュ――。」
と言い淀んだあと、「なんでもない。」と、「知る必要のないことだ、忘れろ。」と釘を刺される。
(シーズンイベント『おつきさまとうさぎさま』EP「風清月白」より)
願いの叶うクッキー
新生冬組第六回公演『Risky Game』で登場する
オーガストが日本での任務中に営んでいたキャンディーショップで売られていた願いが叶う外国のクッキー
赤、黄色、青の包み紙で「Dulces de dios」と書かれている。
意味はスペイン語で「神様のお菓子」
“包み紙に願い事を書くと成就する”というジンクスがあるが
『包み紙に書く』というのはオーガストが付け加えた設定。
EPのフリーマーケットで出会う異国の少年に、オーガストが願い事を書いた包み紙を見せてもらえる。
オーガストが包み紙に書いた願い事は「家庭円満」
余談だが、アニメイトカフェ第5弾では『Risky Game』をイメージした「Show time!」というフードがある。
このフードのオペラの下にオーガストが書いた文字で「家庭円満」というシールが皿に貼られていたため
何も知らずに食べた、多くの監督さんを唸らせた。
エーアニ第五話事件
アニメ『A3!~SEASON SPRING&SUMMER~』第5話「恋について・春」のBパートにおいて
ゲームストーリーでは、ローカルテレビで特集された次の日、至の会社の女性社員が、至にチケットを手配してもらうシーン。
アニメでは、二部で登場するはずの卯木千景とエレベーターで至が鉢合わせるシーンに変更されていた。
各出来事の時間軸が明言されていないため、春組結成が「あの日」より前なのか、直後なのか色んな推測が広がる中、まさかの登場に監督(視聴者)の心を奪っていった。
エレベーターの階数表示に7階から8階に上がっていく画面がカットインが入ったり、ゲームではグレーのスーツに四角の眼鏡をかけているが、アニメだと紺のスーツにいつもの丸眼鏡をかけていたり、エレベーター内では至と千景のソーシャルディスタンスが守られていたり……
まだまだ推測は広がりそうである。