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柳家金語楼

やなぎやきんごろう

初代柳家金語楼は、喜劇俳優、落語家、落語作家・脚本家(筆名・有崎勉)、発明家、陶芸家。(右の人物、メイン画像は『変身忍者嵐』第16話で金語楼が演じた作兵衛。)
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概要編集

本名は山下 敬太郎(やました けいたろう)。落語家時代の出囃子は『琉球節』。禿頭を売り物にし、エノケン、ロッパと並ぶ三大喜劇人として知られた。


来歴編集

落語家として編集

1901年2月28日、落語家であり東京の芝の葉茶屋「山下園」を営んでいた三遊亭金勝の長男として生まれる。

1907年、2代目三遊亭金馬一座で天才少年落語家・三遊亭金登喜(きんとき)としてデビュー。

1913年ころ に三遊亭小金馬を襲名し二つ目昇進。

1920年6月 3代目柳家小さん門下に移り、初代柳家金三で真打昇進。

1921年、陸軍に入隊(朝鮮龍山に駐屯の第20師団歩兵第72連隊)。

その時戦地で紫斑病に侵され、衛戍(現代では駐屯地にあたる)病院で診察を受ける。その時の薬の副作用で体中がヒリヒリし髪の毛が抜け落ちてしまう。

1922年、除隊、新作の「噺家の兵隊」で売り出す。のちに兄弟子初代柳家三語楼門下に移籍。

1924年6月、初代柳家金語楼となる。

1930年、6代目春風亭柳橋らと日本芸術協会(現在の落語芸術協会)を結成。1930年10月から1933年4月まで副会長を務める。

1942年、警視庁に落語家の鑑札返上し噺家廃業。

喜劇役者として編集

1928年,曾我廼家五九郎に勧められ、五九郎劇『二等兵』に出演。

1936年1月、出版社「金語楼社」を設立、自ら編集長となり月刊広報誌「笑話」を出版、9か月で資金不足で廃刊。

1938年、吉本興業に所属。吉本と大阪朝日新聞主催の慰問団「わらわし隊」に参加。

1940年、金語楼劇団旗揚げ。

1944年、戦争が激しくなり、受け持つ地域の消火準備や消火に当たる警備召集の任務に就いた。

1945年、知人の軍人の紹介により陸軍航空本部所属となり、中佐として飛行場建設特設隊の任務に就くが、肩書だけで主に活動は慰問隊だった。和歌山の高射砲隊の慰問中の8月に終戦。

家族の住む疎開先の山形に行き過ごす。しばらくして映画などの活動を再開。

1953年、NHKテレビ『ジェスチャー』出演。

1954年、日本喜劇人協会結成。副会長就任。

1956年、ラジオ東京テレビ『おトラさん』放送開始。当たり役となる。

1967年、紫綬褒章を受章。

1968年、日本喜劇人協会会長就任。

1972年10月18日、仕事中に倒れ慶應病院で検査した結果、胃がんが発覚。肝臓や腰椎まで転移していた。1週間たたない10月22日に胃がんのため死去。墓所は品川本立寺。戒名は「金語楼笑里日敬居士」。


エピソード編集

  • 芸名の柳家金語楼は元より、自分の顔まで商標登録していた。
  • 戦前は吉本興業(東京吉本)に所属し、横山エンタツ・花菱アチャコ・柳家三亀松・川田義雄と共に吉本の五大スターと称され、高給取りだった。
    • 戦後のなんばグランド花月では、正面入り口に横山エンタツ・花菱アチャコ、あきれたぼういずらと共に、金語楼の大きな肖像画が掲げられていた。
  • 落語家を廃業したのは戦時下、二足のわらじを当局が許さなかったため、やむを得ず行った。しかし戦後は『有崎勉』のペンネームで新作落語を毎月発表。5代目古今亭今輔、5代目春風亭柳昇らがこれを演じた。また自身も機会があるたびに高座に上がっていた。
  • 学童が体育の授業時に被る「赤白帽」などを実用新案登録した発明家としても知られる。
  • 過去に金語楼の名を名乗った人物は確認出来ていないが、2代目小さんの亭号が禽語楼(きんごろう)であり、一時期柳家禽語楼を名乗っていた。そこで金語楼を名乗る際に、遺族と3代目柳家小さんに許可を貰っている。

家族について編集

  • 父は三遊亭金勝、実弟は三遊亭金時(山下市郎)(山下武の著書では本名を「一郎」、三遊亭千馬)と先代昔々亭桃太郎(山下喜久雄)。
  • 金語楼は、本妻・愛人を含めて5人の妻がおり、嫡子にテレビ朝日で『大正テレビ寄席』のディレクターから小説研究・大学講師に転じた「山下武」、愛人(事実上の妻)の子としてロカビリー歌手の「山下敬二郎」と女優・声優の「有崎由見子」がいる。
    • しかもギャラを受け取ると、それをきっちり5等分にし、5人に分け隔てなく渡したという。ただし子供たちには知らされておらず死後に知った者もいる。

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