概要
元々民本主義は吉野作造が提唱した概念・訳語というわけではなく、既に茅原華山と上杉慎吉によって用いられてきた。
吉野作造はデモクラシーには2つの異なった意味があると考えた。
1つが「国家の主権は法理上人民にあるとする考え」、2つ目が「国家の主権の活動の基本的目標は政治上人民に在るべきとする考え」。
吉野は1つ目には民主主義の語をあて、2つ目には民本主義の語をあてることにした。
民主主義ではなく、民本主義がDemocracyの訳として広まったのには「主権を法律上天皇が握っている」ことと、「政治は人民の利福と意識を重んじる」とする民本主義が相反するものではないことがあり、立憲主義と併用したデモクラシーへの追求があった。