概要
日本庭園の装飾の一つで、手水鉢の近くの地中に作りだした空洞の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させる仕掛けによって、手水鉢の排水を処理する機能をもつ。
同系統もしくは同義の言葉に、洞水門(とうすいもん)がある。伏鉢水門、伏瓶水門ともいう。
江戸時代に庭園の設備として用いられるようになり、明治時代には盛んに用いられたが次第に廃れていった。1980年代に新聞やテレビ番組で取り上げられたことをきっかけに、その存在が広く知られるようになった。
構造と名称の由来(?)
一般的には蹲踞(つくばい)や縁先手水鉢の鉢前(うみ)の地下に造られたもので、その構造の多くは、底に小さな穴を開けた甕を伏せて埋め、手水の余水が甕の天井から「しずく」となって落ちるように工夫した、一種の発音装置(音具)である。
伏せ甕の底に溜まった水面に落ちる水滴の音が甕の空洞で共鳴し、琴の音に似た妙なる音を響かせることから、いつの頃からか水琴窟と呼ばれるようになった。
「残したい日本の音風景100選」にも選ばれている。