深度マップ
デプスマップ(depth map)、ゼットマップ(Z map)とも。
撮影対象と撮影機材の相対距離を明暗強度に色変換して記録した画像である。
不思議な雰囲気のモノクロ画像であり、人物ではさながらレントゲン写真のような見た目となる。
作成方法
カメラで記録する
- 通常のカメラには奥行を記録する方法が無いので、専用の特殊なカメラシステムを用意する必要がある。
- そんなことに割くリソースがあればカメラを軽くしたりもっとやることがあるので、それに金を使うのは素人の趣味か特殊なプロに限られる。
- 普通のプロカメラマンは普通のカスタマーから深度を納入する要求を受けることが無い。
- そんなことに割くリソースがあればカメラを軽くしたりもっとやることがあるので、それに金を使うのは素人の趣味か特殊なプロに限られる。
- 一応、専用機と対応フォーマットが存在し、読み込めるビューワもある。
写真から取り出す
- 視差のある普通の2枚の写真から逆生成することもできる。
- 海外で研究されており、実証プログラムも配布されている。が、とても重処理。
内部データから取り出す
- 3D-CGの場合、着色の前工程である光線追跡のためにカメラオブジェクトと像の距離がソフト内部で正確に計算されているため、レンダリングの工程で介入すれば容易に取り出すことができる。
- 比較的高度な編集ソフトでは出力する機能が最初から備わっている。
- 但し取り出すことで負荷が発生して描画が遅れては元も子もないので普通の市販コンテンツから取り出すことはまず無理である。
描く
- 黒が最も遠方、白が最も近傍(もしくはこの逆)というルールに従い、塗る。
- 頭の訓練が必要だが、ペイントソフト一つ、鉛筆1本で可能である。
- 但し自然な物体の距離を濃淡で塗り起こすと、とても美しい滑らかなグラデーションになる。手書きでその滑らかさを描くのは至難。
実際のところ
取り出しても苦労して描いても応用は特にできないので特殊な用途に限られる。
- 深度マップを実際の被写界距離と紐づけて測量するという技術が空撮や海底測量に応用されている。
- 3D-CGの工程チェックに使っている人がいる。
- 全体でピントのはっきりした普通の風景写真に超望遠効果を無理矢理後付けする。
- 立体視画像の作成。
- 画像に遠近効果をつけたい場合。
- 普通は白黒二値マスクを複数枚用意して手前と奥の部分にぼかしエフェクトをかけるが、これをグレースケールで用意すれば最大256段階の連続した距離を記録でき、処理を自動化できる。
- ホラー画像。人物を記録すると背景真っ暗で目も鼻も口ものっぺらするので地味に怖い絵面になる。反転させるともうこの世のものとは思えない奇怪な絵面になる。