声:鈴置洋孝
概要
番組開始当初はひばり達が通うアキハバラ第3中学校の校長としての姿(鼻眼鏡)だったが、話が進んでいくにつれて他のローゼンクロイツのメンバー(シゴーニュ・ラスパイユやクレイン・バーンシュタイク)と共に過去が明らかになっていく。
正体は500年間生き永らえ、歴史の裏で暗躍するローゼンクロイツ(薔薇十字団)の創始者、クリスチャン・ローゼンクロイツ本人。
16世紀頃にパラケルススの助手として不老不死の霊薬エリキシルを完成させてパラケルススと共に試飲、自身は不老不死(不完全)になったがパラケルススは高齢だったためか拒否反応により急激に衰えていき骨も溶けて消えていった。
17世紀~18世紀頃にローゼンクロイツのメンバーとして、当時の貴族相手に優れた話術でブイブイ言わせていたサンジェルマン伯爵(シゴーニュ)をスカウト。
19世紀の終わり頃にクレインと運命の出会いをし、科学の発展のために歴史の裏で尽力していったが、20世紀に入り世界大戦の戦争場面を見てクレインが絶望(科学を人殺しの兵器としても使われる)し、そのクレインがロケットで宇宙に出発した時にローゼンクロイツの研究資料の大半を持っていかれる(特に完全な不老不死になりえる機動女神(ディーヴァ)を持っていかれた事が大きな痛手)。
その後はクレインの捜索のため、宇宙開発競争に参加しロケットや人工衛星により地球周辺の宇宙を探っていたが、彼を見つけられなかった。
しかしプリムム・モビーレが完成した頃に彼から電報が送られて来たため、その後は彼を降臨させるためにアニマ・ムンディとシンクロさせるパタPiを開発し、秋葉原を祭壇都市へと秘密裏に改造していった。
そして24話ついにプリムム・モビーレ内にてクレインと再会したローゼンクロイツだったが、クレインに拒絶された際に「クレインお前を子供だ、お前は何も分かっていない、科学という禁断の果実を食べた人類は走り続けなければならないんだ、精神論じゃ寒さは防げない。」と語るが、クレインに「ここはそういう星なんですね、ならばこの星がどうなろうと構いません、僕の前にはアニマ・ムンディが現れてくれたのですから。」と拒否される。
ここで地球という絶望の星を見捨てアニマムンディと一緒に宇宙のどこかへ旅立つために、あそのためにローゼンクロイツも有効利用されていたという真相を知る。
そして「それじゃ私の500年は一体何だったんだ、私は君のために鷹士もシゴーニュも犠牲にしてきたんだぞ。」と激高するが、「あなたの生きた500年でも人は変われない、この星に未来はないのです。」と返される、そしてそれ以降は急激に衰えていく。
クレインには「ゆっくり、お休み。」と言われ、「クレイン、私の事を嫌いにならないでく・・・れ・・・。」と言いながら、こと切れて絶命。
アキハバラ電脳組という作品は少女から大人へと成長する過程で憧れの王子様という夢から覚めて身近な友や親という現実を選択するまでの精神的な成長物語だったわけだが、その前に500年歴史の裏で暗躍していた不老不死の怪人が拒絶され自業自得な最期を迎える壮絶な擦れ違い物語でもあった。
この時なぜ急激に衰えていったのか不明、再開を祝したワインにあらかじめエリキシルを無効化する何かが仕込まれていたのか、プリムム・モビーレ全体にエリキシルを無効化する何かの仕掛けがしてあったのか、永遠の謎(クレインはワインを捨てているので前記の可能性が高い)。
宇宙開発競争の頃に電脳組メンバーの1人かもめの祖父である泉岳寺しまぶくろうに、「あなたの何もかも見透かしたような態度が嫌で、大天使メタトロン様(クレイン)も天に昇ったんじゃないですかね。」と未来を暗示していたような事を言われてもいる。
ギリシャ神話をたとえ話として会話する事も結構あった(ダモクレスの剣・オルフェウス・ピグマリオンなど)。