ここからは特典小説、及びアニメ26〜28話迄の重大なネタバレが入っています。
望まれない方は避けてください
汝、陰鬱なる汚濁の許容よ、更めて我を目覚ますことなかれ
概要
『文豪ストレイドッグス』の登場人物、ポート・マフィア五大幹部の一人中原中也自身と異能力の正体である人外。
元々は『人工異能』の成果『試作品・甲二五八番』として軍研究施設に隔離されていた。しかし「太宰、中也、十五歳」時点での8年前に欧州の異能諜報員が奪い取り、その異能で取り込まれようとした際に封印が解かれ暴走。後の擂鉢街を生み出すほどの損害を与えた。その姿は「荒神」と恐れられるほどだったという。
その過程で荒覇吐を制御・封印する中原中也という人格が誕生。荒覇吐はそれ以降外から呼び出さない限り出てこなくなる。
――――つまり荒覇吐は、中原中也という人間に宿る人工の神(化物)である。
通常、荒覇吐は決して表に出てこず、出てきた瞬間に制御を離れ力を暴発させる。かつて外部からの干渉で呼び出された時には0.3秒で路地一つを消滅させブラックホールと重力異常地帯を生み出した(その際は太宰の異能無効化で沈静化している)。そのため、今は『汚濁』というある程度制御された状態でしか現れない。
因みに、その荒覇吐を宿す中也自身はあくまで実験体、過去に関する情報(記憶や経歴など)を抹消された人間である。体が荒覇吐に耐え切れず傷つくのはこれが原因と思われる。
特徴
中也が肉体の主導権を荒覇吐に引き渡すことにより『汚濁』という技の形で顕現する。
体中に赤い異能痕が浮かびあがり、場合によっては黒い炎を纏った状態にもなる。
荒覇吐が解き放たれると中也本人では制御できないため、太宰の異能無効化によって強制的に封印しない限り、死ぬまで暴れ続ける。
鋼鉄の戦車をも打ち破れるほどの圧倒的な身体能力と、重力子弾や小型ブラックホール果てはブラックホールを打ち消すエルゴ球を投げつける程の強力な重力操作が可能となる。その代わり人間の肉体が耐えきれず止めなければいつかは自らを死なせる危険性がある。
下記の二つの条件によって荒覇吐を暴発させず敵にぶつける『汚濁』が編み出されて今に至る。この二つが無ければ荒覇吐はただの地獄と化す。
- 「汝、陰鬱なる汚濁(おぢょく)の許容よ、更(あらた)めて我を目覚ますことなかれ」という文言によって中也の中にある指示式を初期化(封印が解かれる)。
- 蘭堂及び或る人物から引き継いだ黒帽子に仕込まれた異能金属によって暴発を制御。
関連イラスト
関連タグ
中原中也(文豪ストレイドッグス) 蘭堂(文豪ストレイドッグス)
荒覇吐についての考察(ネタバレ注意?)
作中では中也本人が荒覇吐に自我や意志は存在しないとしている。しかしそう確定すると不自然な点が多々残る。
- 「太宰、中也、十五歳」にて何者かの視点(名前の部分は「 」だった)で荒覇吐が奪い取られた時の回想が語られている。その内容は、「 」が分厚い壁と青黒い闇(隔離していたカプセル及び薬品と思われる)から外界に引きずり出されその出来事に対する怒りで黒い炎をまき散らし暴走するというものだが、暴走した存在は荒覇吐であり、また中也もこの時点では存在が無い。荒覇吐の記憶が中也の記憶に混同している可能性もあるがやはり不自然、どころかその場合はやはり荒覇吐に記憶=記憶している意識があることになってしまう。
- 「STORM BRINGER」にて敵と戦った際は荒覇吐が表に出ていたが、敵の咆哮に応じて咆哮を上げ、劣勢になった際に屈辱に吼え猛るという描写がされている。主導権を手放した中也は吼えたりできないはず。
- 本編にて『汚濁』が発動した時、凄惨な笑みを浮かべ笑い声をあげている。やはり主導権のない中也には笑ったりすることはできないはず。
・・・以上の点から、荒覇吐にも自我や意識が存在する可能性が0とは言えない。