概要
Studio e.go!から発売されたアダルトPCゲーム。魔族の青年アストリアが人間の女性セレネを気まぐれで助けたことがきっかけで、セレネとセレネを取り巻く人間模様が変わっていく様子が描かれる18禁AVGである。
どんなルートであれ、アストリアはセレネの大事な人たちを殺めるため、『幸せは誰かの不幸や犠牲の上に成り立つ』ストーリーで、どのエンディングでも多かれ少なかれ後味の悪さは否めず、完全なハッピーエンディングが存在しないため、プレイする人を選ぶゲームである。
登場人物
アストリア
主人公。長い時を生きる魔族の青年。気まぐれでセレネを助けたことがきっかけで、今まで獲物としか思っていなかった人間という種族に興味を持つ。
ヒロインの一人。慎み深くとても信心深い女性。家族思いの優しい性格。アストリアを命の恩人と慕う。ルートによってはアストリアの餌食になり悲惨な末路を迎える。
バーバラ・カッターランド
セレネの義理の母。夫の寵愛を奪った妾の娘であるセレネに辛くあたるが、エンディングによってはセレネに心を開いて優しく接する様子が見られたことから、根は決して悪い人物ではない(…召使い扱いしているものの、憎い女の娘を施設に入れたり追い出したりしないで育てること自体すごいことなのだが)。ルートによってはアストリアの餌食になる。
娘を都の社交界にデビューさせようと企むが、知識足らずや世間知らずな面も少なくなく、アルマのでたらめを真に受けたり、マニュアル掲載の漫画でも間違ったバレエの知識を教えられてフランセスカとバレーの特訓をするなど、ギャグキャラの一面ももっている。
フランセスカ・カッターランド
セレネの腹違いの姉。高慢な性格。妾の存在に苦悩する母の姿を見て育ったため、妾の娘であり腹違いの妹セレネを嫌っている。選択肢によってはアストリアの餌食になるキャラ。ルートによってはセレネに心を開くバーバラと違って、終始セレネに辛らつな態度をとっているが、アルマ死亡ルートでアストリアによって殺されず見逃されて「セレネが待っている」という言葉を聞いて動揺していたことから、その後少しは歩み寄れたかもしれない(描写はないが)。
マニュアル掲載の漫画では、アルマのでたらめを真に受けて、社交界の星を目指すべく母バーバラとバレーの特訓をするなど、ギャグキャラとして描かれている。同人誌でも騙されやすいおバカキャラとして描かれるなど、ギャグ要素を兼ね備えたキャラ。
アイリーン・カッターランド
セレネの腹違いの妹。幼い外見と性格だが、実年齢は18歳という恐るべきロリ少女。セレネを嫌う母や姉の手前、セレネに冷たく接するが、実はセレネを慕っていて、母と姉がいないところではセレネと仲良くしている。守られてばかりの頼りない娘だが、フランセスカの死でアストリアの正体を知ったときは、アストリアが好きなセレネがそのことを知って傷つくことがないように、単身アストリアを訪れて、セレネに近づかないように訴えるなど、セレネのために思い切った行動を見せたりもした。ルートによってはアストリアの餌食になる。また別ルートでは、手違いでアノンの手下に誘拐されてアノンの裏の顔を知ってしまったために、拷問レイプされたあげく殺されるという悲惨な結末を迎える。皮肉にも、そのアイリーンの死で、バーバラはセレネの優しさに心を開いて打ち解けることになる。
ヒロインの一人。アストリアと同族の少女。アストリアを慕い、彼を追っかけている。ルートによっては、アノンに捕まって人間の男たちに集団レイプされたあげくレベッカに射殺されて死亡するという悲惨な結末がある。
レベッカ
ヒロインの一人。アストリアたち魔族を狩る使命を持つハンターの少女。両親を魔族に殺された悲しい過去を持ち、それゆえに魔族に対して苛烈な制裁を与える。ルートによってはアストリアやアルマを殺害するなど物語最大の敵。また、アリスが死んだ場合、レベッカがクラウスと結ばれるエンディングがある。
アリス
セレネの親友。街で店を経営している商魂たくましい女性。クラウスとは恋人同士。元気で明るいが、実は病を患っている。ルートによってはアストリアの餌食になる。
アノン
街の実力者。カッターランド家の権益を取り込もうと、フランセスカ(ルートによってはセレネ)との結婚を画策する。おまけシナリオでは人気投票最下位確定を自称していたが、ファンサイトの嫌いなキャラ投票でセレネより下というなんともいえない結果を出したオッサン。
クラウス
街の名家の息子。頼りないが、気のいい性格。アリスがアストリアに殺された場合、その悲しみを受け入れて支えてくれるレベッカに惹かれていき、彼女と結ばれるエンディングがある。
エレクシア
アストリアの獲物となったモブ女子。
余談
- ゲームのマニュアルの4コマ漫画ではセレネをはじめ、シリアスさが売りの本編のキャラたちがおもしろおかしく描かれている。
- 本編の他に、BLネタのおまけシナリオがある。またそれをネタにした同人誌も存在するなど、シリアスなようでギャグ要素満載の作品である。