袁傪
3
えんさん
小説家・中島敦による変身譚『山月記』の登場人物。
「その声は、我が友、李徴子ではないか?」
陳郡の観察御史であり、この作品の主人公であり、彼が再会した再会した旧友が語る半生と心境を袁傪が聞くという読者の視点に一番近い位置にいる人物でもある。
役人としての階級が高いのか部下を持てる地位にある一方で、それなりに詩を評価できる鋭い感性を持つ。
ある時勅命を奉じて嶺南に使いし、途中商於の宿に泊まるのだが、次の早朝まだ暗い中出発しようとしたら人喰い虎が出没するから白昼まで待つよう駅吏から忠告されるも他勢だからと退けて出発してしまう。
しかし彼らの前に虎が姿を表すもなぜか叢に引き返してしまった。そしてあぶなかったと人語で呟き、そしてその声は彼と同年に進士の第に登るも行方不明になった旧友李徴のものだった。
やはりこの虎は李徴の成れの果ての姿であった。再会した彼からなぜ行方不明になったのかを、そして彼の無念であった未発表に詩の数々を書き留めることを引き受けると共に、彼が吐露した深い悲しみを知る。
そして人の理性が再び消滅した姿を李徴から見せられ袁傪の元から姿を消すのであった…
コメント
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中島敦『山月記』と李景亮の『人虎伝』の内容を関連させた二次創作です。 視点(一応の主人公)は李徴の友人・袁傪。 内容は、二つの著作の内容を出来る限り組み込み、年代やその他登場人物なども出来るだけ忠実にと心がけました。 ですが、一部あやふやな部分もあるのでそのあたりはご了承いただければ幸いです(李徴やその息子の年齢のこと)。 あくまでも二次創作だということでよろしくお願い致します。 一つのただの作品として、誰しも一度は高校の授業で触れたことのある『山月記』を思い出しながら読んでいただけると嬉しいです。 文章を書くに当たり、袁傪に毎度「李徴の息子」と呼ばせないために、李徴の息子の名前は「李覚(リカク)」と定めました。 また、参考文献とインターネットのアドレスは、最後に「■参考文献」として記しておきました。27,047文字pixiv小説作品山月記 人間時代の日常
色んな人に振り回される、進士時代の袁傪視点の話です。 李徴とは互いに友人と思えるようになった辺りの関係です。 明確な腐向け要素はありませんが、若干李袁気味です。5,768文字pixiv小説作品